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第43話 情報共有
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「ほう、すると妾の攻撃や大岩の重量、そして落とし穴の罠まで防いだのは、お主の魔法ということか」
もう何枚目になるか分からないハンバーグを、ペロリと平らげたラキがユウに確認する。
「あぁ、俺達はバリヤと呼んでるが、確かにその通りだ」
「アリィの物を具現化する魔法といい、お主らは底が知れんな。この国の者ではあるまい? どこから来た?」
「遠く離れた国だ。多分言っても分からないと思うぞ?」
「そうか。一度行ってみたいもんじゃの」
無理なんだけどね。帰れるものなら帰りたいが...とユウは心の中で言った。
「あ、あのさ、ラキ....」
リオが躊躇いがちに話し掛ける。
「どうした? リオ?」
「あのね、ラキが言ってた白い魔物って多分...リオのことだと思うんだよね...」
ラキはしばらく沈黙した後、徐にこう言った。
「...やっぱりそうか...アレはお主だったんじゃな? 妾を落とし穴から引っ張り上げてくれたじゃろ?」
「えっ!? 気付いてたの!?」
「意識が朦朧としてたからの。幻かと思っておった。そうか、お主だったのか。リオ、改めて礼を言う。ありがとう」
「えへへ♪ いいんだよ~♪」
「しかし、噂に聞いてた白い魔物とはまるでイメージが違うの?」
そこでユウが口を挟む。
「それだ。ラキ、その噂どこで聞いたんだ?」
「ベントの町じゃ。なんでも明け方になると街道を物凄いスピードで走り、人も馬も出会うモノ全てを食らい尽くすという噂じゃった」
「リオ、そんなことしないよ~!」
リオ激おこである。
「分かっておる。噂なんて尾ひれが付いて広まるもんじゃ。アテにはならんとリオを見ていれば分かる」
「ありがとう~! それとさ...リオと戦いたいとか言わないなよね?」
「もちろんじゃ。リオは命の恩人じゃからの。そんな恩知らずな真似はせんよ」
「良かったよ~♪」
リオの誤解が解けたことは素直に喜ばしいが、ユウは別のことを考えていた。火の無いところに煙は立たずというように、なにもないところから噂は立たない。
どうやらミルンの村から逃げ出す時、誰かに見られていたらしい。早朝だからまだ誰も居ないだろうと思ったのは甘かったようだ。今後は別の移動手段について考える必要があるかも知れない。
「ラキもベントの町に居たんだな?」
「あぁ、お主らを探しておったからな。運良く見付けたんで後を尾けた」
「全く気付かなかった...どこから尾けてたんだ?」
「お主らが妾の牙を換金したところからじゃ」
そう言われてユウはなんだか申し訳ない気持ちになる。
「その...あの時は済まなかった...」
「なにも謝ることはない。そもそもあれは妾の完全な自業自得じゃしな。それにほれ、牙ならとっくに生え変わっておる」
そう言ってラキは口を開いて牙を見せた。生え変わるなんて正直羨ましいとユウは思った。
「妾の牙が役に立ってくれたなら何よりじゃ」
「そう言って貰えると助かる」
「妾も同じことをしてるんでな。人間達は妾達の牙や爪、鱗や角などを欲しがるじゃろ? じゃからそのリュックには生え変わって抜けた角や剥がれた鱗、欠けた牙や爪などを入れておる。それらを換金して人間の町で過ごすことが出来るという訳じゃ」
「それはなんと言うか...逞しいな...ところで、拾った情報の中に獣人に関するモノは何かなかったか?」
リオの肩がピクンと跳ねる。
「獣人? いや特になかったと思うが、なんでそんなことを聞く?」
「実はな...」
ユウは事ここに至った経緯をラキに説明した。
もう何枚目になるか分からないハンバーグを、ペロリと平らげたラキがユウに確認する。
「あぁ、俺達はバリヤと呼んでるが、確かにその通りだ」
「アリィの物を具現化する魔法といい、お主らは底が知れんな。この国の者ではあるまい? どこから来た?」
「遠く離れた国だ。多分言っても分からないと思うぞ?」
「そうか。一度行ってみたいもんじゃの」
無理なんだけどね。帰れるものなら帰りたいが...とユウは心の中で言った。
「あ、あのさ、ラキ....」
リオが躊躇いがちに話し掛ける。
「どうした? リオ?」
「あのね、ラキが言ってた白い魔物って多分...リオのことだと思うんだよね...」
ラキはしばらく沈黙した後、徐にこう言った。
「...やっぱりそうか...アレはお主だったんじゃな? 妾を落とし穴から引っ張り上げてくれたじゃろ?」
「えっ!? 気付いてたの!?」
「意識が朦朧としてたからの。幻かと思っておった。そうか、お主だったのか。リオ、改めて礼を言う。ありがとう」
「えへへ♪ いいんだよ~♪」
「しかし、噂に聞いてた白い魔物とはまるでイメージが違うの?」
そこでユウが口を挟む。
「それだ。ラキ、その噂どこで聞いたんだ?」
「ベントの町じゃ。なんでも明け方になると街道を物凄いスピードで走り、人も馬も出会うモノ全てを食らい尽くすという噂じゃった」
「リオ、そんなことしないよ~!」
リオ激おこである。
「分かっておる。噂なんて尾ひれが付いて広まるもんじゃ。アテにはならんとリオを見ていれば分かる」
「ありがとう~! それとさ...リオと戦いたいとか言わないなよね?」
「もちろんじゃ。リオは命の恩人じゃからの。そんな恩知らずな真似はせんよ」
「良かったよ~♪」
リオの誤解が解けたことは素直に喜ばしいが、ユウは別のことを考えていた。火の無いところに煙は立たずというように、なにもないところから噂は立たない。
どうやらミルンの村から逃げ出す時、誰かに見られていたらしい。早朝だからまだ誰も居ないだろうと思ったのは甘かったようだ。今後は別の移動手段について考える必要があるかも知れない。
「ラキもベントの町に居たんだな?」
「あぁ、お主らを探しておったからな。運良く見付けたんで後を尾けた」
「全く気付かなかった...どこから尾けてたんだ?」
「お主らが妾の牙を換金したところからじゃ」
そう言われてユウはなんだか申し訳ない気持ちになる。
「その...あの時は済まなかった...」
「なにも謝ることはない。そもそもあれは妾の完全な自業自得じゃしな。それにほれ、牙ならとっくに生え変わっておる」
そう言ってラキは口を開いて牙を見せた。生え変わるなんて正直羨ましいとユウは思った。
「妾の牙が役に立ってくれたなら何よりじゃ」
「そう言って貰えると助かる」
「妾も同じことをしてるんでな。人間達は妾達の牙や爪、鱗や角などを欲しがるじゃろ? じゃからそのリュックには生え変わって抜けた角や剥がれた鱗、欠けた牙や爪などを入れておる。それらを換金して人間の町で過ごすことが出来るという訳じゃ」
「それはなんと言うか...逞しいな...ところで、拾った情報の中に獣人に関するモノは何かなかったか?」
リオの肩がピクンと跳ねる。
「獣人? いや特になかったと思うが、なんでそんなことを聞く?」
「実はな...」
ユウは事ここに至った経緯をラキに説明した。
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