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第71話 救出作戦5
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小屋入り込んだユウ達は、鉄格子に取り付いている獣人の子供達に向かって叫んだ。
「助けに来たぞ! すぐにここから出してやるから、鉄格子から離れてろ!」
ユウは子供達が離れたのを確認してから、ユグドラシルの枝を振りかざす。
「セイヤッ!」
一撃で鉄格子がバラバラになる。
「アリィ! 頼む!」
「はい! みんな! このローブを着てフードを被って! リオちゃんも!」
すかさずアリィが全員にローブを配る。リオも獣人モードになっている。
「全員着たな! 良し! 逃げるぞ!」
外に出ると暴れているラキが目に入る。
「「「「「「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 」」」」」
子供達が全員怯える。
「大丈夫! あのドラゴンは味方だ!」
そう言ってラキに向かい手を振る。気付いたラキが小さく手を振り返す。そして屋敷の門に向かってブレスを放った。門が粉々に砕かれ、門番達が蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「良し! 行くぞ!」
ユウ達は屋敷を離れるべく走り出した。
◇◇◇
ラキはユウ達が逃げ出したのを確認した後、本格的に領主邸の破壊を進めた。本来の目的は、領主ガイエルの執務室から書類を持ち出したことを隠すために、その部屋だけを徹底的に破壊するつもりだった。
そうしておけば、書類が紛失したことに気付くのに時間が掛かるだろうと思ったからだ。だがここに来て気が変わった。
この金に飽かして作られた悪趣味な屋敷を、完全に破壊しないと気が済まなくなったのだ。未だ気を失っているガイエル含め、屋敷の使用人を殺さないよう一応注意を払いながら、ラキは破壊の限りを尽くした。
ブレスを乱れ撃ちして壁を壊し、尻尾を振り回して柱を倒し、前足の爪で部屋中の物を引き裂いた。リュックを落とさないよう注意しながら。
やがて領主邸をほとんど全壊させたラキは、気が済んだのか意気揚々と飛び去って行った。後に残されたのは、ガレキ跡と化した領主邸の成れの果てだった。
◇◇◇
その頃、ユウ達は街門に辿り着いていた。ドラゴンが顕現したことにより、街中は騒然としていいた。パニックを起こし逃げ出そうとする者、呆然と立ち尽くす者、ドラゴンの向かって只管祈りを捧げる者、人それぞれである。
「おい! 通してくれ! この子達の親に町から避難させるよう依頼された冒険者だ! 早くしろ!」
ユウは冒険者カードを掲げながら門番に叫ぶ。
「わ、分かった! 通って良し!」
勢いに押されて門番が門を開ける。門から出たユウは子供達を見渡して、
「みんな! 安全な場所まで走れるか?」
全員が頷いたのを見て、ラキとの合流地点である野営地まで急いだ。
「助けに来たぞ! すぐにここから出してやるから、鉄格子から離れてろ!」
ユウは子供達が離れたのを確認してから、ユグドラシルの枝を振りかざす。
「セイヤッ!」
一撃で鉄格子がバラバラになる。
「アリィ! 頼む!」
「はい! みんな! このローブを着てフードを被って! リオちゃんも!」
すかさずアリィが全員にローブを配る。リオも獣人モードになっている。
「全員着たな! 良し! 逃げるぞ!」
外に出ると暴れているラキが目に入る。
「「「「「「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 」」」」」
子供達が全員怯える。
「大丈夫! あのドラゴンは味方だ!」
そう言ってラキに向かい手を振る。気付いたラキが小さく手を振り返す。そして屋敷の門に向かってブレスを放った。門が粉々に砕かれ、門番達が蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「良し! 行くぞ!」
ユウ達は屋敷を離れるべく走り出した。
◇◇◇
ラキはユウ達が逃げ出したのを確認した後、本格的に領主邸の破壊を進めた。本来の目的は、領主ガイエルの執務室から書類を持ち出したことを隠すために、その部屋だけを徹底的に破壊するつもりだった。
そうしておけば、書類が紛失したことに気付くのに時間が掛かるだろうと思ったからだ。だがここに来て気が変わった。
この金に飽かして作られた悪趣味な屋敷を、完全に破壊しないと気が済まなくなったのだ。未だ気を失っているガイエル含め、屋敷の使用人を殺さないよう一応注意を払いながら、ラキは破壊の限りを尽くした。
ブレスを乱れ撃ちして壁を壊し、尻尾を振り回して柱を倒し、前足の爪で部屋中の物を引き裂いた。リュックを落とさないよう注意しながら。
やがて領主邸をほとんど全壊させたラキは、気が済んだのか意気揚々と飛び去って行った。後に残されたのは、ガレキ跡と化した領主邸の成れの果てだった。
◇◇◇
その頃、ユウ達は街門に辿り着いていた。ドラゴンが顕現したことにより、街中は騒然としていいた。パニックを起こし逃げ出そうとする者、呆然と立ち尽くす者、ドラゴンの向かって只管祈りを捧げる者、人それぞれである。
「おい! 通してくれ! この子達の親に町から避難させるよう依頼された冒険者だ! 早くしろ!」
ユウは冒険者カードを掲げながら門番に叫ぶ。
「わ、分かった! 通って良し!」
勢いに押されて門番が門を開ける。門から出たユウは子供達を見渡して、
「みんな! 安全な場所まで走れるか?」
全員が頷いたのを見て、ラキとの合流地点である野営地まで急いだ。
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