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第88話 キマイラ
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翌日、冒険者ギルドにて良さげな依頼を見付けた。
「フム、これなんかいいんじゃないか?」
そう言ってラキが依頼書を指差す。
「キマイラ!? どんな魔物だったっけ!?」
「えっと確か...ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持っていて、肉体は強靭で、口からは火炎を吐いて、その火炎によってしばしば山を燃え上がらせていた...でしたね」
ユウの問い掛けにアリィがスラスラと答える。
「おぉっ! 凄いじゃないか、アリィ!」
「えへへ♪ 昨日、魔物辞典を読んだ甲斐がありましたね」
ユウに誉められて得意満面のアリィであった。
「場所は...フム、ちと遠いな。王都から馬車で約5時間ほど掛かる荒れ地に生息しとるらしいの。どうする?」
「そうだな...今後のことも考えて、馬車での移動にも慣れておこうかと思うんだが、みんなはどう思う?」
「「 異議な~し! 」」
今まで移動と言えばリオやラキ頼みだったが、人目に付かない夜にしか使えないのが難点だった。馬車なら昼間から堂々と移動できる。こうして初めての馬車による長距離移動の旅がスタートした。
◇◇◇
「「 おえぇぇぇっ! 」」
スタートしてから約1時間後、リオとアリィの二人が車酔いでグロッキー状態になった。
「仕方ない...少し休もう。ラキ、道端に寄せて止めてくれ」
「だらしないヤツらじゃの...」
ユウとラキが呆れ顔でため息を吐いた。ちなみに御者はラキがやっている。
「まぁ、結構揺れたから...」
ユウがフォローするが、
「そうか? 街道を走ってるんじゃから、揺れん方じゃぞ? 寧ろこんなもん揺れる内に入らんわい」
ラキはにべもない。
「「 うぅ...気持ち悪い... 」」
二人は真っ青な顔になっている。
「まだ目的地まで半分も来とらんぞ? 困ったもんじゃな...」
「酔い止めの薬でもあればいいんだが...」
「あのさ...提案があるんだけど...」
すると青息吐息状態のリオが手を上げた。
「どうした?」「なんじゃ?」
「リオ達を置いて行ってよ...夜になったら追い付くからさ...」
つまり夜になったらリオがフェンリルの姿になれるから、アリィを乗せて行くと言いたいのだろう。
「「 いや、それじゃ意味が無いだろう 」」
ユウとラキの声が見事にハモッた。確かにその通りで、馬車に慣れるための旅なのにリオフェンリルに乗って行っては本末転倒だろう。その案はすぐに却下された。
「「 うぅ... 」」
こうして馬車の旅は続いた。ただし1時間おきに休憩を挟んで。
現地に到着した頃には日が暮れ、辺りはすっかり暗くなっていたのだった。
「フム、これなんかいいんじゃないか?」
そう言ってラキが依頼書を指差す。
「キマイラ!? どんな魔物だったっけ!?」
「えっと確か...ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持っていて、肉体は強靭で、口からは火炎を吐いて、その火炎によってしばしば山を燃え上がらせていた...でしたね」
ユウの問い掛けにアリィがスラスラと答える。
「おぉっ! 凄いじゃないか、アリィ!」
「えへへ♪ 昨日、魔物辞典を読んだ甲斐がありましたね」
ユウに誉められて得意満面のアリィであった。
「場所は...フム、ちと遠いな。王都から馬車で約5時間ほど掛かる荒れ地に生息しとるらしいの。どうする?」
「そうだな...今後のことも考えて、馬車での移動にも慣れておこうかと思うんだが、みんなはどう思う?」
「「 異議な~し! 」」
今まで移動と言えばリオやラキ頼みだったが、人目に付かない夜にしか使えないのが難点だった。馬車なら昼間から堂々と移動できる。こうして初めての馬車による長距離移動の旅がスタートした。
◇◇◇
「「 おえぇぇぇっ! 」」
スタートしてから約1時間後、リオとアリィの二人が車酔いでグロッキー状態になった。
「仕方ない...少し休もう。ラキ、道端に寄せて止めてくれ」
「だらしないヤツらじゃの...」
ユウとラキが呆れ顔でため息を吐いた。ちなみに御者はラキがやっている。
「まぁ、結構揺れたから...」
ユウがフォローするが、
「そうか? 街道を走ってるんじゃから、揺れん方じゃぞ? 寧ろこんなもん揺れる内に入らんわい」
ラキはにべもない。
「「 うぅ...気持ち悪い... 」」
二人は真っ青な顔になっている。
「まだ目的地まで半分も来とらんぞ? 困ったもんじゃな...」
「酔い止めの薬でもあればいいんだが...」
「あのさ...提案があるんだけど...」
すると青息吐息状態のリオが手を上げた。
「どうした?」「なんじゃ?」
「リオ達を置いて行ってよ...夜になったら追い付くからさ...」
つまり夜になったらリオがフェンリルの姿になれるから、アリィを乗せて行くと言いたいのだろう。
「「 いや、それじゃ意味が無いだろう 」」
ユウとラキの声が見事にハモッた。確かにその通りで、馬車に慣れるための旅なのにリオフェンリルに乗って行っては本末転倒だろう。その案はすぐに却下された。
「「 うぅ... 」」
こうして馬車の旅は続いた。ただし1時間おきに休憩を挟んで。
現地に到着した頃には日が暮れ、辺りはすっかり暗くなっていたのだった。
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