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第97話 合同クエスト

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 次の日、冒険者ギルドに顔を出すと、ギルド内がなにやら騒がしかった。

「騒がしいな。何事じゃ!?」

「さぁ...」

 ラキの問い掛けにユウも首を捻る。

「おっ! ちょうどいいのがおった。おい! お前達!」

「あっ!? こ、これはこれはどうも。ラキの姉御」

 ラキに呼ばれてヘコヘコやって来たのは、ついこの間ラキに「躾られた」内の一人である。ちなみに今日のラキは大人モードだ。

「騒がしいようじゃがなにがあった!?」

「へいっ! なんでも『合同クエスト』が発表されたらしいんで! みんなその話題で持ち切りでさぁ!」

「なにっ!?『合同クエスト』じゃと!? 一体全体どんな大物が現れた!?」

「へいっ! なんでも『ココノツマタノオロチ』だそうで!」

「ほうっ! それは大物じゃな!」

「へいっ! ラキの姉御とそのお仲間の皆さんも参加なさるんで!?」

「うむっ! 是非とも参加しようぞ! お前達はどうするんじゃ!?」

「へいっ! 俺達も兄貴と一緒に参加しやす!」

「そうかっ! せいぜい足を引っ張るでないぞ!」

「へいっ! では失礼しやす!」

 男が去った後、嵐のような展開に付いて行けなかったユウ達は、

「あ、あの、ラキさん!?」

「ん!? どうした!?」

「どうしたもこうしたも...怒涛の展開に付いて行けないんだが...まず『合同クエスト』ってなんだ!?」

「読んで字の如くじゃ。複数の冒険者が合同でパーティーを組まないと、とても倒せないような大物が現れた時に発表される。このクエストに参加するだけでかなり功績ポイントが貯まる。参加しない手はないじゃろ?」

「なるほど...それなら納得だが...『ココノツマタノオロチ』って...もしかして...」

 ユウとアリィは意味ありげに視線を交わす。

「それも読んで字の如くじゃ。九つの首を持った大蛇でな。体がデカい上に毒を辺りに撒き散らす厄介な相手じゃ。倒すには九つの首を同時に跳ねるしかなくての。コイツが現れたら必然的に『合同クエスト』になるんじゃよ」

「そ、そうなんだ...な、なぁその『ココノツマタノオロチ』っての、もしかしたら大酒呑みだったりしないか!?」

「ハァッ!? お主はなにを言っとるんじゃ!? そんなこと知らんし、そうだとしたらどうする気なんじゃ!?」

 ラキは呆れたような顔をした。 

「あぁいや、なんでもない...忘れてくれ...」

 それに対してユウはなんだかガッカリしたような顔をした。

「とにかく! 妾達も参加するってことでいいな!?」

 全員が頷いた。
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