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第98話 ココノツマタノオロチ
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『ココノツマタノオロチ』が現れたのは、王都から馬車で約1日掛かる場所にある沼地らしい。
『合同クエスト』に参加する者は、現地集合現地解散とのことなので、
「妾達は夜になったら移動するか」
「そうだな。馬車はしばらく遠慮したい」
ラキとユウの言葉を聞いたリオとアリィは、
「「 よ、良かった~... 」」
と、胸を撫で下ろした。
「それまでどうする?」
「俺は『ココノツマタノオロチ』についてもっと良く知りたい」
「そう言われても...妾は戦ったことがないからの。さっき話した情報以上のことは知らん」
「あっ! それでしたら魔物辞典に載っているかも知れません」
「そうか! 魔物図鑑にも載ってるかも知れんな!」
という訳で、いったん家を出せる場所まで移動することにした。
◇◇◇
「図鑑には載ってないな...」
「辞典にも目新しいことは何も載ってませんね...」
ユウとアリィの異世界組がガッカリしている。
「なぁユウよ、さっき言ってた酒呑みかどうかってのはどういう意味だったんじゃ?」
ラキが興味深そうに聞いて来た。ユウはアリィと顔を見合わせた後、
「俺達の住んでいた国に似たような怪物が出てくる昔話があるんだよ。そいつは『ヤマタノオロチ』って言って、8つの首と8本の尾を持った巨大な怪物なんだけどな」
「ほう、首が1本少ないんじゃな。それで?」
「そいつは大酒呑みって設定でな。しかも乱暴もので手に負えない。付近の人里に生贄として毎年若い娘を一人、それと同時に大量の酒を捧げろと要求するんだ。応えないと大暴れするぞって脅してな。人々は泣く泣く従っていたんだがある年、生贄に選ばれた娘に一目惚れした旅人の男が、なんとか助けたいと思って一計を案じるんだ。毎年捧げる酒よりも強い酒、つまりアルコール度数の高い酒を8つの酒樽に分けて注ぐ。やって来た怪物は8つ首とも同時に呑み始め、見事8つとも同時に酔い潰れた。そこを1本ずつ首を落として行って怪物を退治した。男は娘と結ばれてめでたしめでたし」
ユウはいったん言葉を切って、
「こんな感じかな? うろ覚えの部分があるから、細部は違ってるかも知んないけど、概ね合っていると思う」
アリィも頷いているので大体の認識は合っているのだろう。
「なるほどのぉ~! いやぁ、実に興味深い話じゃった!」
「先に言ったように昔話だぞ? お伽噺みたいなもんだからな?」
「それでもじゃよ! 所変わっても似たような怪物が出る話があるなんて! 何か繋がりのようなものを感じんか? こういうのってなんかワクワクするのぉ~!」
「はぁ...そういうもんかね...」
やたらとテンションの高いラキに若干引き気味のユウであった。
ちなみにリオはその横で舟を漕いでいたとさ。
『合同クエスト』に参加する者は、現地集合現地解散とのことなので、
「妾達は夜になったら移動するか」
「そうだな。馬車はしばらく遠慮したい」
ラキとユウの言葉を聞いたリオとアリィは、
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と、胸を撫で下ろした。
「それまでどうする?」
「俺は『ココノツマタノオロチ』についてもっと良く知りたい」
「そう言われても...妾は戦ったことがないからの。さっき話した情報以上のことは知らん」
「あっ! それでしたら魔物辞典に載っているかも知れません」
「そうか! 魔物図鑑にも載ってるかも知れんな!」
という訳で、いったん家を出せる場所まで移動することにした。
◇◇◇
「図鑑には載ってないな...」
「辞典にも目新しいことは何も載ってませんね...」
ユウとアリィの異世界組がガッカリしている。
「なぁユウよ、さっき言ってた酒呑みかどうかってのはどういう意味だったんじゃ?」
ラキが興味深そうに聞いて来た。ユウはアリィと顔を見合わせた後、
「俺達の住んでいた国に似たような怪物が出てくる昔話があるんだよ。そいつは『ヤマタノオロチ』って言って、8つの首と8本の尾を持った巨大な怪物なんだけどな」
「ほう、首が1本少ないんじゃな。それで?」
「そいつは大酒呑みって設定でな。しかも乱暴もので手に負えない。付近の人里に生贄として毎年若い娘を一人、それと同時に大量の酒を捧げろと要求するんだ。応えないと大暴れするぞって脅してな。人々は泣く泣く従っていたんだがある年、生贄に選ばれた娘に一目惚れした旅人の男が、なんとか助けたいと思って一計を案じるんだ。毎年捧げる酒よりも強い酒、つまりアルコール度数の高い酒を8つの酒樽に分けて注ぐ。やって来た怪物は8つ首とも同時に呑み始め、見事8つとも同時に酔い潰れた。そこを1本ずつ首を落として行って怪物を退治した。男は娘と結ばれてめでたしめでたし」
ユウはいったん言葉を切って、
「こんな感じかな? うろ覚えの部分があるから、細部は違ってるかも知んないけど、概ね合っていると思う」
アリィも頷いているので大体の認識は合っているのだろう。
「なるほどのぉ~! いやぁ、実に興味深い話じゃった!」
「先に言ったように昔話だぞ? お伽噺みたいなもんだからな?」
「それでもじゃよ! 所変わっても似たような怪物が出る話があるなんて! 何か繋がりのようなものを感じんか? こういうのってなんかワクワクするのぉ~!」
「はぁ...そういうもんかね...」
やたらとテンションの高いラキに若干引き気味のユウであった。
ちなみにリオはその横で舟を漕いでいたとさ。
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