絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第121話 ダンジョン攻略18

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 更に鍾乳洞の奥に進むと、地面が白い物に覆われている場所に辿り着いた。

「なんだこりゃ?」

 ユウが屈み込んで掬ってみる。それはサラサラとした粉状の物だった。匂いを嗅いでみても無臭だった。その時、アリィがその粉をペロッと舐めた。

「お、おいアリィ!?」

 ユウが慌てる。もし毒物だとしたら大変だ。だがアリィはそれを手で制して「ペッ!」と吐き出した。

「大丈夫です。飲んではいませんよ。これは塩ですね」

「塩だって!?」

「えぇ、岩塩でしょうね」

「鍾乳洞に岩塩か。まぁ有りがちではあるな」

 そう言ってラキも身を屈めた。

「ねぇ、これって食えるの?」

「リオ、止めとけ。きっと美味しくないから」

 リオはいついかなる時でも食欲が優先されちゃうようだ。


◇◇◇


 またしばらく奥に行くと、前方に何か大きな物が現れた。

「今度はなんだ!?」

 ゆっくりと近付いた全員が何物か確認した後に絶叫した。

「「「「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 」」」」

 それは巨大なナメクジだった。全長5mはあるだろうか。巨大ナメクジはウネウネと蠢きながら長い目を伸ばしている。

「いやいやいやいや、あの大きさは有り得ない有り得ない...」

「あれはさすがに妾も触りたくないぞ...」

「うぇぇぇっ...気持ち悪い...テカテカしてるぅ...」

「こっちに向かっては来ないみたいなんで、なんとかやり過ごせないでしょうか...」

 アリィの言う通り、巨大ナメクジはゆっくりと動いてはいるが、ユウ達の方に向かっている訳ではない。

「無理だろう...通路を塞いでいる...」

 そう言ってユウが頭を振った。巨大ナメクジはその巨体で通路全体を塞いでいて、脇を通り抜けるのも難しそうだ。

「じゃあ駆除するしかないですね」

 そう言ってアリィは踵を返した。

「お、おい、アリィ!?」

 ユウ達は慌てて後を追い掛ける。アリィは先程の岩塩に覆われている場所に戻って来た。そしてバケツを4つ取り出す。

「さぁ、みんな。このバケツに塩を入れましょう」

「なるほど! そういうことか!」

 ユウは得心が行ったとばかりに頷いた。

「「 えっ!? えっ!? 」」

 ラキとリオは困惑顔だ。

「ナメクジは塩が弱点なんですよ」

 バケツに塩を詰めながらアリィが説明する。

「そうなのか!?」

「知らなかった...」

 二人は半信半疑ながらアリィとユウに倣ってバケツに塩を詰め始めた。そして全員揃って塩を詰めたバケツを持って巨大ナメクジの前に立った。

「せ~の!」

 そしてユウの掛け声と共に塩を振り掛ける。巨大ナメクジは塩を嫌がってゆっくりと移動し始めた。少し小さくなっている。

「良し! 効いてるぞ!」

 その後、ユウ達はバケツリレーに切り替え、巨大ナメクジに塩を振り掛け続けた。その結果、ナメクジは半分以下の大きさになった。

 ユウ達はその脇を悠々と通り抜けて行った。
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