絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第128話 ダンジョン攻略25

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「ウォォォンッ!」

「グオォォォォッーーーーー!!!!!」

 リオと火竜はお互いに譲らない。スピードに物を言わせて超高速のバトルを繰り広げている。

 ラキは少し高度を取った。火竜が動きを止めたらいつでもトドメを刺すつもりだ。だが火竜は、動き回りながらブレスを吐き続けているので、蒸気が途絶える時が無い。

「リオ! なるべく火竜に肉薄しろ! ブレスを吐く余裕を与えるな!」

「ラキ! もうちょっと右に! リオちゃんはそのまま火竜を壁際まで追い詰めて!」

 ユウとアリィもそれぞれ的確に指示を飛ばし、協力して火竜を仕留めようと必死だ。すると次第に火竜の動きが鈍くなって来た。

「今だ! リオ! 火竜から離れろ!」

「ラキ! 今です! ブレスを!」

 リオが離れた絶妙のタイミングでラキのブレスが炸裂する。

「ウォォォッ!」

 直撃された火竜の体が砕け散る。

「「 やった~! 」」

 ユウとアリィがハイタッチを交わす。

「「 イエ~イッ! 」」

 ドラゴンとフェンリルが喜び合う。みんなで掴み取った勝利と言えるだろう。喜びも一入だ。

「どれどれ魔石を...おっ! ドロップアイテムの火竜の尻尾もあるな」

「リオ、お腹空いちゃった...」

 今は二人とも人の姿に戻っている。全裸の美少女二人が火竜の残骸を前に佇んでいる姿は、なにやら背徳的な雰囲気が漂っていた。

「はっ! ユウ! 後ろ向いて!」

 我に返ったアリィが叫ぶ。

「あぁ、はいはい...」

 ユウは素直に従った。

「お疲れ様」

 アリィがバスタオル片手に二人を迎える。

「お主らも良くやってくれた。みんなの勝利じゃな」

「お腹空いた...」

「フフフッ! リオちゃんもお疲れ様。おやつにしましょうか」

「やった~!」

 燃費の悪いリオのために少し休憩することにした。


◇◇◇


「しかしこれで後は、風竜さえ倒せば竜種をコンプリートだな」

 ユウがそんな呑気なことを言い出した。

「もういい。お腹いっぱいじゃ。こんな地の利が生かせない場所で、これ以上戦いたくないわい」

 ラキがウンザリしたような顔でそう言った。確かにダンジョン内部という制限された場所では、ラキの力が存分に発揮できないのだから無理もないだろう。

「そうだな。スマン。さっさと依頼を片付けて帰るとするか」

「でもユウ、あのグリフォンをどうやって倒します?」

「そうなんだよなぁ...どうしたもんかねぇ...」

 ユウは頭を抱えた。するとリオが耳を欹てた。

「ねぇ、なんか聞こえない?」

 全員が耳を澄ました。

「なんだこの音!? 羽音か!?」

 ユウが呟いた。

 
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