王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います

真理亜

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★登場人物紹介及び粗筋と簡単なストーリー振り返り(読み飛ばして頂いて問題ありません)



 今更ですが登場人物の紹介をしていきたいと思います。



 タイトルにも記しました通り、読み飛ばして頂いて問題ありません。こんなに長く続くとは思わなかったので、作者の備忘録も兼ねておりますw



 本当はこういうのって章分けとかして章の先頭か終わりに追加するものなんでしょうが、今からじゃ面倒なんでこのスタイルのまま続けますw





◇◇◇





 主要登場人物その1



 ☆ライラ・フォーセット



 肩書きは男爵令嬢。本作のメインヒロイン的立ち位置。18歳。



 本作の主人公である。物語は主に彼女の目線で展開される。王妃候補の合宿に呼ばれて来たものの、本人には王妃になる気なんて更々なく、あくまでも傍観者であるという立場を強調する。

 実はベストセラー作家であり『ジェーン・ドウ』というペンネームで本を出している。彼女の本の印税で貧しかった実家の男爵家を立て直したという実績がある。

 王妃合宿には小説のネタ探しに来たと公言して憚らず、人間観察を得意としている。もちろん、王妃になんて全く興味がない。

 だが同じ候補者の一人であるレイチェルの犯行を見抜いたことにより、一躍脚光を浴びることになってしまう。

 本人にとっては迷惑この上ないことなのだが、ミハエル王太子に気に入られてしまい、なにかとちょっかいを掛けられることになる。

 なお本人は覚えていなかったが、デビュタントの日にミハエルと出会っていた。本人にしてみれば黒歴史と呼んで良い程に恥ずかしい記憶だったから、出来れば一生封印したかったのだろう。

 その後、レイチェルの起こした事件で命を救った候補者の一人ソニアに懐かれてしまい、彼女がどうにかしてライラとミハエルをくっ付けようと画策する度に、赤面してアワアワする姿が描かれている。

 ソニアのお節介の甲斐あってか、ライラの心も少しずつミハエルの方に傾きつつあるようだ。

 更にこれまた候補者の一人であるミシェルからもミハエルとの仲を応援されてしまっていて、ライラとしては困惑頻りといった感じである。

 現在はやはり候補者の一人であるドロシーから実家を人質に取られて脅されているという状況に立たされている。



 

 主要登場人物その2



 ☆ミハエル・セントール



 肩書きはセントール王国の王太子。未来の国王。本作のメインヒーロー的立ち位置。18歳。



 王妃候補を集めて合宿を開き、その中から未来の王妃を選抜するという昔からあるスタイルに疑問を抱いており、自分の代で撤廃しようと画策している。

 そのためにライラを合宿に呼んだ。実は初対面の時、ライラの容姿に一目惚れしており、ベストセラー作家であるという才覚含め、なんとかライラと結ばれたいと思っている。

 ライラがレイチェル事件で見せた卓越した推理力と並外れた観察力を高く評価しており、ますますライラにぞっこんになった。

 事あるごとにライラに対し甘い言葉を囁き、その度に赤面してしまう初なライラが愛おしくて堪らない。





 主要登場人物その3



 ☆ドロシー・ラングレー



 肩書きは公爵令嬢。18歳。



 候補者合宿に呼ばれた令嬢の中では最上位に位置する。実は当初、呼ばれる予定ではなかったのだが、ある理由でミハエルが候補者の中に捩じ込んだ。

 それは彼女の実家が隣国と密輸しているのではないかと疑われているからだ。合宿に呼んだ理由は、なにかボロを出すのではないかと期待してのことだった。

 中々ボロを出さなかった彼女だったが、合宿も後半に入り次第に焦って来たのか、ミハエルに気に入られている様子のライラが鬱陶しくなった。

 自分こそが王妃に相応しいと思っている彼女は、ついに痺れを切らしてライラの実家を人質に取り、脅迫するという強行手段に出たのだった。





 主要登場人物その4



 ☆レイチェル・フィンラート



 肩書きは辺境伯令嬢。17歳。



 候補者合宿に呼ばれた令嬢の中ではドロシーに次ぐ高位者。そのため、一番のライバルはドロシーであると思っていた。

 高位者同士ということもあり、合宿中は常にドロシーと行動を共にしていた。ドロシーが主催するお茶会で騒ぎを起こせばドロシーの株が下がると思い、潜り込ませた部下を使って毒殺未遂事件を引き起こす。

 だがライラにあっさりと犯人であることを見抜かれてしまい、ライラの仕掛けた罠に嵌まってお縄となった。

 レイチェルの生家であるフィンラート辺境伯家は責任を取らされて取り潰しになり、レイチェル自身も一生外に出られないことで有名な、北の僻地にある、厳しい戒律があることでも有名な修道院に送られたらしい。





 主要登場人物その5



 ☆ミシェル・ソリアーノ



 肩書きは侯爵令嬢。16歳。



 ライラの小説の大ファンであり『ジェーン・ドウ』の正体がライラであることを知ってからと言うもの、合宿中は常にライラと行動を共にしていた。

 ライラとミハエルのことをお似合いのカップルだと思っており、応援すると言って憚らない。

 これから王妃になるだろうライラには、自分の主催するお茶会を手本にして欲しいと願ってるということをライラに伝えた。

 そして見事にライラが王妃となった暁には、ライラが次に書く小説の主人公に自分をモデリングして欲しいとライラに懇願した。





 主要登場人物その6



 ☆ファリス・シェリダン



 肩書きは伯爵令嬢。16歳。



 初登場時は間延びした口調のキャラ付けだったが、次第にキャラがぶれて来て今では普通の口調で喋っている。

 歳が近いこともあり、ソニアと仲が良い。合宿中は常に行動を共にしている。ソニアに唆される形でライラとミハエルの仲を取り持とうとするが、本人はどう思っているのかという本音の部分はまだ明確に描写されてはいない。

 もしかしたら王妃になることをまだ諦めていないのかも知れない。





 主要登場人物その7



 ☆ソニア・オーランド



 肩書きは子爵令嬢。15歳。



 侯爵者の中では最年少。当初はその特性を生かして妹キャラを演じていたが、ファリスと同じように途中からキャラ付けを放棄した。

 レイチェル事件でライラに命を救われたことで、恩返しの一環としてライラとミハエルをなんとかくっ付けようと色々画策する。

 後にライラから苦言を呈されたことで今はちょっと大人しくしてるが、一筋縄では行かない彼女のことだからまたなにか企んでいるかも知れない。

 またミシェルと同じように、ライラが次に書く小説に自分をモデリングして欲しいと望んでいる。





 ~ 粗筋 ~



 ここセントール王国には一風変わった習慣がある。



 それは王太子の婚約者、ひいては未来の王妃となるべく女性を決める際、何人かの選ばれし令嬢達を一同に集めて合宿のようなものを行い、合宿中の振る舞いや人間関係に対する対応などを見極めて判断を下すというものである。



 要は選考試験のようなものだが、かといってこれといった課題を出されるという訳では無い。あくまでも令嬢達の普段の行動を観察し、記録し、判定を下すというシステムになっている。



 そんな選ばれた令嬢達が集まる中、一人だけ場違いな令嬢が居た。彼女は他の候補者達の観察に徹しているのだ。どうしてそんなことをしているのかと尋ねられたその令嬢は、



「お構い無く。私は王妃の座なんか微塵も興味有りませんので。ここには野次馬として来ました」



 と言い放ったのだった。





 ~ ストーリー振り返り ~



 ☆プロローグ



 ここセントール王国には一風変わった習慣がある。



 それは王太子の婚約者、ひいては未来の王妃となるべく女性を決める際、何人かの選ばれし令嬢達を一同に集めて合宿のようなものを行い、合宿中の振る舞いや人間関係に対する対応などを見極めて判断を下すというものである。



 要は選考試験のようなものだが、かといってこれといった課題を出されるという訳では無い。あくまでも令嬢達の普段の行動を観察し、記録し、判定を下すというシステムになっている。



 つまりは合宿に呼ばれた令嬢達は、四六時中監視の目がある中での生活を強いられることになる訳だ。ちなみに合宿期間は三ヶ月という長丁場だ。



 国中の貴族令嬢の内、15~18歳の妙齢の令嬢全てが対象となる。そんなモルモットみたいな扱いはイヤだと、自分から辞退する令嬢達も中には居るが、書類による一次審査、そして家柄や派閥の力関係などを考慮した二次審査を見事パスした6人の令嬢達が今、王宮の一室に集められている。



 何れ劣らぬ美女揃いだ。王妃になる気満々の野心に溢れた目をしている。そんな中、一人だけ明らかに浮いている令嬢が居た。



 燻んだ金髪の長い髪を無造作に一つに纏め、分厚い牛乳ビン底の眼鏡を掛け、手にはなにやらメモ帳みたいな紙とペンを握り締めている。



 どう見ても場違いなその格好に、他の5人の候補者達から怪訝な目を向けられているが、その令嬢は全く意に介す様子は無く、辺りを見回しては仕切りにメモを取ったり、なにかブツブツ呟いたりしている。



 やがてドアが開き、王宮関係の人達が入室して来た。その中には件の王太子ミハエルの姿もある。ミハエルは全員を見渡して、



「みんな、良く集まってくれた。これから三ヶ月という長い期間、一緒に過ごすことになる訳だ。一つよろしく頼む。まずはお互い自己紹介と行こうじゃないか」



 そう言って端の方に立っている令嬢に目を向けた。



「では私から。ラングレー公爵家のドロシーと言いますわ。歳は18。皆さん、よろしくお願いしますわね。もっとも、選ばれるのは私に決まってますから、皆さんは全て当て馬ということになりますわね。ご苦労様。せいぜい頑張って下さいましね。オーッホホホホッ!」



 ドロシーの挨拶で場の空気は一気にピリピリした雰囲気になったが、



「...ドロシー嬢は典型的な高飛車お嬢様...と...恐らくこの中じゃ一番高位に当たる令嬢だから自分が選ばれて当然と思い込んでいる...と...メモメモ...」



 例の場違い令嬢だけはそんなこと全く気にせずただ只管メモを取っていた。



「コホン、次は私ですわね。フィンラート辺境伯家のレイチェルと申しますわ。歳は17です。私は皆さんと仲良し小好しを演じるためにここに来た訳じゃありませんの。だからあんまり馴れ馴れしくしないで下さいませ。私にとって皆さんは敵、ライバルですので。ご理解頂けたかしら?」



 続いて挨拶したレイチェルの発言により、場の空気は更に重苦しいものとなったが、



「...レイチェル嬢は好戦的...と...さすがは日夜隣国の脅威に晒されている辺境伯家の娘...他の娘達とは覚悟が違う...と...メモメモ...」



 場違い令嬢だけはそんなことお構い無しにただ只管メモを取っていた。



「次は私ですね。ソリアーノ侯爵家のミシェルですわ。16歳になります。よろしくお願い致します。私は皆さんと仲良くなりたいですわ。だってせっかく縁あってこうして集まったんですもの。是非ともお友達になりたいものですわね」



 ミシェルの挨拶は、前の二人の挨拶が排他的、好戦的だったのに比べ、とてもフレンドリーなものだったので、場の空気が一気に弛緩したのだが、



「...ミシェル嬢の発言は一聞するとフレンドリーに聞こえるが、目の奥が全く笑っていないのであれはきっと本心から言ってる訳じゃ無さそう...と...メモメモ...」



 場違い令嬢のブツブツとした呟きはミシェルに聞こえていたので、思わずミシェルは場違い令嬢のことをキッと睨み付けた。当の場違い令嬢はそんなことに全く気付いていなかったが。



「え~ 次は私ですね~ シェリダン伯爵家のファリスと申します~ 歳は16になります~ どうぞよしなに~ 私は~ 争い事とか苦手なんで~ ユルッと行かせて貰いますね~」



 なんとも間延びしたファリスの挨拶に、場の空気は穏やかなものになって行ったが、



「...ファリス嬢のは本当に天然なのか、それとも狙ってやってんのか、意図はまだ不明...と...狙ってやってんだとしたら、案外強かな面も持ち合わせているのかも...と...メモメモ...」



 場違い令嬢の呟きが気のせいか段々と大きくなって来たので、当然ながらその発言が聞こえたファリスは、なんとも言えないビミョーな表情を浮かべていた。



「最後は私ですね! オーランド子爵家のソニアって言います! この中では一番年下の15歳です! お姉様方、よろしくお願いしますね! ソニアのことは妹だと思ってくれると嬉しいな♪ キャハ♪」



「...ソニア嬢! あざとい! あざと過ぎるだろそれは! 誰に対して妹アピールしてんだよ! 他はみんなライバルなんだぞ! 敵なんだぞ! 空気嫁よ! みんなポカンとしてるじゃねぇかよ! メモメモ!」



『お前うるせえ!』



 場違い令嬢はついにキレた候補者達全員から突っ込まれた。



 「大体さっきからなんなのよ! あなた! その冴えない格好といい、とてもじゃないけど王太子殿下に相応しいとは思えないわ! 一体何者なのよ!」



 婚約者候補の中でも一番高位である公爵令嬢のドロシーが、みんなを代表する形で場違い令嬢に詰問した。



「私ですか? あぁ、ちょうどいい。自己紹介、私の番でしたね。お初にお目に掛かります。フォーセット男爵家のライラと申します。歳は18。正直、なんで私みたいなしがない男爵令嬢が候補に選ばれたのか分かりませんが、私は王太子殿下の婚約者、ひいては王妃になる気なんて更々ありませんので、そこんとこよろしくお願いします」



 そうあっけらかんと言い切ったライラに、しばし他の婚約者候補達は呆気に取られていたが、一番早く我に返ったレイチェルが次に詰問する。



「だったらなんでここに来たのよ! 辞退すれば良かったじゃないの!」



「ここには人間観察しにやって来ました」



「人間観察ですって!?」



「えぇ、小説の良いネタになるかなって思って」



「小説!?」



「はい、私ペンネームで小説書いてるんですよ。良かったらこれお読み下さい。皆さんの分もありますので」



 そう言ってライラはカバンから本を5冊取り出した。思わず受け取ったミシェルが作者名を見てビックリする。



「えぇっ!? あなたがあの有名なベストセラー作家『ジェーン・ドウ』だったの!?」



「はい、そうです」



「ふ~ん、『ジェーン・ドウ』ってそんなに有名なんですか~?」



 ファリスが相も変わらずの間延びした口調で問い掛ける。



「あなた知らないの!? 正体不明の大人気作家なのよ!? 出す本出す本全てベストセラーで、その内の何作かは舞台化までされたわ! 冒険活劇を書かせたたら右に出る者は居ないと言われる程の凄い人なのよ!」



「いやぁ、そんな誉められると照れちゃうな~」 



 ライラは頬をポリポリ掻きながら恥ずかしそうに含羞んだ。



「サイン! サイン書いてちょうだいな!」



「あ、わ、私も!」



「私もよ!」



「じゃあ私も~」



 ミシェルが本にライラのサインを強請ったことで、即席のサイン会が始まってしまった。



「あぁ、危ないから押さないで! ちゃんと全員にサインしますから慌てないで下さい!」



 そんな中、ソニア一人だけがつまら無さそうな表情で、



「冒険活劇ぃ!? ソニア、そんなの興味無~い! やっぱり女の子は恋に恋する恋愛物を読まなくちゃ!」



「あぁ、確かに女の人にはあんまりウケませんね。だから私は新しいジャンルを開拓するためにここに来たんですよ。あなた方を良く観察し、取材し、愛憎蠢く宮廷物語絵巻物に仕上げようと思ってます。だから私のことは野次馬だと思って気にしないで下さいな」



 サインする手を止めないまま、ライラはそう言い切ったのだった。



「な、なによそれ~! 人を勝手に小説のモデルにしないでよね!」



 ソニアは一人だけプリプリと怒っているが、他の候補者達は満更でもないような表情を浮かべていた。



「フム、どうやら自己紹介は一通り終わったようだな。みんな、それぞれの人となりが分かって良かったと思う」



 するとそれまで黙って見守っていたミハエルが口を開く。



「ときにライラ嬢、君は本当に僕の婚約者の座に興味無いのかい?」



「えぇ、微塵も。なんで私みたいなのが選ばれたのか不思議でなりません」



 ライラは本当に分からないといった表情を浮かべた。



「選ばれたのにはちゃんとした理由がある」



「どんな?」



「それは追々明らかになるだろう」



「ハァ...そうなんですか...」



 なんともハッキリしないミハエルの言い方に、ライラは曖昧に頷くしかなかった。



「さて、君達はこれから後宮に移動し、みんなして共同生活を送ることになる訳だが、生活するに当たり幾つかルールが有るんだ。今からそのルールを事前にみんなに伝えておこうと思う」



 ミハエルは改めて全員に向き直って話を進める。



「まず第一に、外部との接触を一切禁ずる。これには不満もあるだろうが、選考レースを公平に行うためだ。どうか理解して欲しい」



「ちょっとお待ち下さい。家族とも会えないんですの? それではなにかあった時に困ってしまいますわ」



 候補者達を代表する形でドロシーがそう言った。



「緊急の場合に限り面会を許可しよう。ただし、緊急かどうかの判断は我々が下す」 



「緊急と判断されなかった場合は面会も出来ないってことですの?」



「そういうことだ。もしこの時点で不満が有るという者は今すぐ辞退して貰って構わない」



 ミハエルは全員を見渡したが、誰一人席を立つ者は居なかった。



「結構、それじゃ第二に移る。後宮では普通の日常生活を送って貰う訳だが、ライラ嬢のセリフじゃないが、後宮での君達の一挙手一投足は全て監視されていると思ってくれ。普段の立ち居振舞いが選考結果に影響を与えるということを踏まえた上で行動してくれ」



 ミハエルはそこで一旦言葉を切ってもう一度全員を見渡した。誰も口を開く者は居なかった。ミハエルは一つ頷いた後、



「次に第三だが、先に連絡した通り、合宿中特に課題などを君達に課すつもりはない。ただし一つだけ。三ヶ月の間に一度は自分主催のお茶会開くこと。これをノルマとする。ちなみにこのお茶会には僕も出席する予定になっている。ルールは以上だ。なにか質問は?」



 「あ、あの~...」



 するとここでライラが遠慮がちに手を挙げた。



「なんだ?」



「それって私もお茶会を主催しなきゃならないんでしょうか?」



「当然だ。例外は認めん」



「あの~...でもですねぇ...私これまでお茶会に参加したこともあんまり無ければ、ましてや主催なんかしたことも無いんですけど...」



「なに!? 本当か!? そんなこと有り得るのか!? 君だって貴族令嬢の端くれだろう?」



 ミハエルは驚きと呆れの入り混じったような表情を浮かべた。



「確かにそうなんですけどね...お恥ずかしながら私の家って男爵家とは名ばかりの貧乏貴族でして...貴族の綺羅びやかな世界とは無縁に慎ましく生きて来たんですよね...私は子供の頃から領地で畑仕事を手伝ったり、牧場で牛や馬の世話なんかもしてました...幸いなことに私には文才があったんで、その時の体験を生かして小説を書いたりしてみたところ、なんとこれが大当り! 今じゃ私の本の印税で我が家の財政を立て直すことに成功した程なんですよ!」



「そ、そうなのか...」



 ライラの勢いにミハエルはちょっと引いた。



「なので貴族令嬢としての嗜みのようなものが体に染み付いていません。いきなりお茶会を開けと言われてもなにをどうしたらいいのやらサッパリなんですが...」



「なるほど。良く分かった。ならライラ嬢、君のお茶会の順番は最後に回してやろう。他の候補者達のお茶会に参加して良く学ぶといい」



「え~...どうしてもお茶会開かなきゃダメなんですか~?」



 ライラは口を尖らせて不貞腐れた。



「ダメだ」



 だがミハエルは鰾膠も無い。



「面倒だなぁ...」



「文句言うな」



「だってそもそも私、野次馬としてここに来てる身なんですよ? 時間と労力の無駄じゃありません?」



「無駄ではない。野次馬だと思っているのは君だけで、我々は候補者の一員だと思っているんだからな。それに君にとっても貴族令嬢としての嗜みを覚える良い機会じゃないか? 君だっていつかは嫁に行くんだ。その時に恥ずかしい思いをしたくないだろう? 婚期を逃したくないだろう?」



「そんなの必要ありませんよ。私は誰とも結婚する気ありませんし」



 ライラはキッパリと言い切った。



「なんだって!? 一生独身で居るつもりなのか!?」



 ミハエルは目を見張った。



「えぇ、私は貴族令嬢としてではなく、職業婦人として生きて行くつもりですので。これからも小説をどんどん書き続けて行きますよ」



 ライラは胸を張ってそう宣言した。



「そうか...」



 ライラの堂々とした宣言にミハエルは頭を振り、可哀想なものを見るような目をライラに向けた。



「あ、あの~...」



 その時、今度はファリスが遠慮がちに手を挙げた。



「なんだ?」



「先程、普通の日常生活を送るようにっておっしゃってましたけど~ 今のこの状況が既に普通じゃない訳じゃないですか~? これから三ヶ月もの間、私達はなにをどうやって過ごせばいいんでしょう~?」



「あぁ、そう思うのも無理はない。安心してくれ。君達の時間を無為に過ごさせないための、幾つかのカリキュラムを用意している。まず一つ目、貴族令嬢としての嗜みとして習い事をしている者も居るだろう。そういった者達のためにバイオリンやピアノなど演奏関係の講師を用意してある。全て一流どころを揃えたから期待して欲しい。また、絵画や刺繍などを嗜む者も居るだろう。そちらの講師も充実させている。芸術面では不満は出ないはずだ。そして二つ目、これは希望者のみとするが、王家や王国の歴史を学ぶ機会も設けている。希望者のみと言ったが、これから王族の仲間入りを果たす君達は知っておいた方が良いだろう。それと一人を除いて君達には必要無いと思うが、王族としてのマナーを学ぶ機会も設けている」



 ミハエルはそこで一旦言葉を切り、ライラをジッと見詰めた。



「え~と...なんでそこで私を見るんでしょうか...」



「王族のマナーと言っても、一般貴族のそれと大差は無い。だから一人を除いて必要無いと言ったんだ。だがライラ嬢、君だけは必須としよう」



「え~...」



 ライラは唇を尖らせた。



「え~ じゃない。異論は認めん」



 だがミハエルは鰾膠も無い。



「権力横暴! 独裁国家! 諸行無常! 焼肉定食!」



「なんだそりゃ...四文字熟語を並べりゃいいってもんじゃないぞ...」



 ミハエルは呆れ顔でそう言った。そして改めて全員を見渡して、



「他になにか質問はあるか?」



「あの、お茶会を開く順番って決まっているんですか?」



 次にレイチェルが手を挙げた。



「最後の一人を除いて決まってない。これから決める。決まったらすぐ君達に知らせる。こちらとしては、お茶会を開く順番による不公平は無いように努めるから、安心して待っていて欲しい」



「なるほど...分かりました」



「他になにかあるか?」



 全員が沈黙したのを見てミハエルは一つ頷いた後、



「ではこれより三ヶ月間、よろしく頼む。難しいとは思うが、せいぜい仲良くやって行こう」



 そう言って場を締めた。



  ミハエルによる説明が終わり、これから三ヶ月間過ごすことになる後宮へと移動した候補者達は、早くも三つのグループに分かれようとしていた。



 まず一つ目は一番の高位貴族であるドロシーと次席のレイチェルという所謂高飛車コンビ。誰も近寄り難いオーラを放っている。



 二つ目がライラとミシェルという謂わば作家とそのファン代表みたいな組み合わせ。早速ミシェルがライラを質問攻めにしていたりする。



 そして三つ目がファリスとソニアというこの中では一二の年下コンビ。この二人は年が近いこともあり、最初から意気投合したようだ。



 そんなこんなで、いよいよ王太子ミハエルの婚約者選び、ひいては未来の王妃を選ぶべく選考合宿がスタートした。





◇◇◇





「ヒーハー...ヒーハー...」



「ほら! また背筋が曲がってますよ! ライラさん、何度言ったら分かるんですか! あくまでもエレガントに! 貴族令嬢としての誇りを胸に!」



「は、はひ~...」



「だから紅茶は音を立てて飲まない! あなたは野生児ですか!?」



「ふ、ふぃ~...」



「ほらまた! カップを置く時にカチャカチャと音を立てない! あなたは子供ですか!?」



「ほ、ほひぃ~...」



 合宿初日からライラは王族の、つまりは貴族のマナー講座を強制的に受けさせられて、既に青息吐息状態となっていた。



 そして王家や王国の歴史を学ぶ講座には、全員が受講を希望した。やはり選考する上での評価に繋がると皆思ったのだろう。そしてここでも、



「起きなさい、ライラさん! やる気が無いなら出て行って貰って結構ですよ!」



「は、はいぃ...す、すみましぇん...」



 ライラはマナー講座での疲れが祟ったのか、居眠りをこいて講師に怒られていた。ちなみになぜかライラだけはこの講座も必須となっていた。



 だがしかし、今回怒られたのはライラだけではなかった。



「ファリスさん、ソニアさん、私語を慎みなさい! ここはカフェテリアじゃないんですよ!」



『は、はい! も、申し訳ございません...』



 年下コンビもキッチリ怒られていた。



 そんな様子を高飛車コンビは冷ややかな目で見やっていた。





◇◇◇





「ふぁ~...つ、疲れた...初日からこれじゃ身が持たない...」



 今は長い一日が終わって夕食の席。ライラは食堂のテーブルに突っ伏して疲労困憊のご様子だ。



「ライラさん、お疲れ様です。でもそんな格好してちゃダメですよ? ここでの一挙手一投足が選考の対象になるんですから」



 そんなライラをミシェルが優しく嗜める。



「そんなんどーでもいいですって...私は王妃になりたいなんて更々思ってないんですから...」



 ライラは完全にやさぐれモードだった



 全員が夕食を終え、食後のお茶を楽しんでいた時だった。



「やぁ諸君、初日の感想はどうかな?」



 ミハエルがやって来てそう尋ねた。



「とても有意義な一日でしたわ」



 全員を代表してドロシーがそう答えた。ライラだけは不満たらたらといった感じではあったが、他のみんなは充実したような表情を浮かべている。



「それは良かった。なにか不満があったら遠慮なく言ってくれ」



「あの、すいません」



 そこでレイチェルが手を挙げた。



「なんだ?」



「使用人はどうなるんでしょう? 私が連れて来た侍女や執事は帰されてしまいましたので、身支度一つ整えるのも一苦労なんですが...」



 すると多かれ少なかれ全員がそう思っていたのか、うんうんと頷いている者も居る。だがライラだけは我関せずといった感じで平然としていた。



「なるほど。それは気付かなくて申し訳なかった。男と違って女はなにかと大変だったな。良かろう。希望者には王宮付きの侍女を用意することにしよう」



 ミハエルの言葉を受け、ライラを除いた全員が手を挙げて希望の意思表示をした。



「ライラ嬢、君は希望しないのかい?」



「えぇ、結構です。自分のことは自分でするようにと育てられて来ましたから。温室育ちのお嬢様とは訳が違いますよ」



 そのライラの発言に、場の空気が一瞬にしてピリピリしたものになったが、



「それに王宮付きの侍女ってことは、監視者でもあるってことなんでしょう? これ以上監視の目を増やしたくなんてありませんよ。ただでさえこんな監禁生活でストレスが溜まってるってのに、自分の部屋にまで監視の目があったらりしたら、気が休まる暇もないじゃありませんか。それこそ息が詰まっちゃう」



 そうライラが続けたことで、ピリ付いていたた空気は一気に霧散した。そしてライラを除いた全員が気不味げに顔を見合わせた。



「こいつは手厳しいな。せめて軟禁と言ってくれないか?」



 ミハエルが苦笑しながらそう言った。



「大して変わらないじゃありませんか」



 ライラは鰾膠も無い。



「あの...私、侍女は不要ですわ...」



「あ、私も...」



「私もですわ...」



「私も~」



「あ、私は侍女を付けて下さい!」



 すると今度はソニアを除いた全員が侍女を断った。



「分かった。ソニア嬢のみ侍女を手配しよう。他にはなにかあるかな?」



「私、帰りたいんですけど...」



 ライラが気怠げにそう言った。



「それはダメだ。許可できない」



 ミハエルも鰾膠も無い。



「ハァ...」



 ライラはわざとらしく大きなため息を一つ吐いた。


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