空間魔法って実は凄いんです

真理亜

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預託

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「げ、現地調達!? こ、この白馬をですか!?」

 職員の男の人は目を丸くしている。そりゃそうだよね。まず有り得ないような話してんだから。無理もないわな。

「ま、まぁその...詳しい話は置いておくとして...あのですね...この馬をこちらで預かって貰うなんてことは可能でしょうか?」

「あ、ウチは馬の預託もやってますんで可能っちゃ可能なんですが...」

 男の人はユニコーンに近付いて繁々とその姿を眺めた挙げ句、

「そもそもですが...これって本当に馬なんですか?」

 決定的な一言を口にした。うん、疑う気持ちは良く分かる。角が生えた馬なんて見たことないだろうしね。牛じゃねぇんだから。

「え、えぇまぁ...ちょっと変わってはいますが、馬なのは間違いないですよ?」

 ウソは吐いてない。ただ全てを明かしてないだけで。

「本当ですかぁ? 魔物の類いなんてことは?」

 男の人の目が疑いの眼差しになった。

「ほ、本当ですって...ほ、ほら、こんなに大人しいでしょ?」

 私はユニコーンの首元をポンポンと叩いて見せた。実際、この子本当に大人しいんだよね。手綱付けても嫌がらないし。だからこれもウソじゃない。

「魔物だったらこんな風に懐いたり、人の言うこと聞いたりしないでしょ?」

「まぁ、確かに...」

 男の人は渋々といった体だったが、なんとか納得してくれたようだ。

「如何でしょうか? 預かって貰えますか?」

「そうですねぇ...」

 男の人はまだ渋ってる。なので、

「なんなら預託料を二倍払ってもいいです。預かって貰えないでしょうか?」

 私は切り札を切ることにした。

「フゥ...分かりましたよ...お引き受け致しましょう...」

「あ、ありがとうございますぅ~♪」

 やったね♪

「ただし! なにかあったらすぐに引き取って貰いますからね! 緊急連絡先をちゃんと教えといてくださいよ!」

「畏まり~♪」

 預かってくれるんならなんだっていいや。


◇◇◇


「いやぁ、やってみるもんですね~♪」

 契約を無事交わし終えて、レンタル業者の事務所を出た私は、清々しい気分で背伸びをしながらそう言った。

「ちょっと騙したようで心苦しいがな」

 ラウムさんは苦笑している。

「大丈夫でしょう。普段は大人しい馬なんだから」

 ステラさんは楽観的だ。

「ルキノは残念がるかも知れませんが」

 アスカさんも苦笑している。ルキノちゃん、草むしり面倒がってたもんね。

「...」

 そんな中、セリカさんだけは浮かない顔をしていた。私は敢えて見ないようにして、レンタル業者の馬房内に繋がれたユニコーンの方に向かった。

「ここで大人しく良い子にしてるんだよ? たまには会いに来るからね?」

 ユニコーンは聞いているのかいないのか、こちらを見ることもなくずっと飼い葉を食んでいた。

 
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