おバカな婚約破棄のあれやこれや

真理亜

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パターン9

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「オリコー! 貴様との婚約は破棄じゃあ~!」

 今日は学園の卒業式の日。

 卒業パーティーに臨む生徒達の、浮かれた気分を台無しにするような大声を上げたのは、この国の第2王子アホヤネンである。その傍らには最近アホヤネンと噂になっている、バッカーナ男爵令嬢の姿があった。

「婚約破棄って...本当ですか!?」
 
 困惑しながらそう答えたのは、オリコー公爵令嬢である。

「当然だ! 貴様は俺様とバッカーナが仲良くしているのを見て、嫉妬に駆られてこのバッカーナを虐めたな! まず、バッカーナの教科書を全て破り捨てた! 次にバッカーナを噴水に突き落とした! 更にバッカーナを階段から突き落とした! 更に更に...」

「やったぁ~♪ 婚約破棄されたぁ♪ これでやっと私は自由だぁ~♪ ひゃっほい~♪」

「な、なんだとぉ!? それはどういう意味だ!?」

 いきり立つアホヤネンの言葉を遮ってオリコーが嬉しそうに叫ぶ。

「これからはアホな殿下の尻拭いをしたり、公務を押し付けられたりすることも無くなるんだぁ~♪ 嬉しいなぁ~♪」

「ぬなぁっ!? ふ、ふざけるなぁ! そ、そんなこと俺様はしてないぞぉ! 大体誰がアホだぁ!」

 アホヤネンがますます激昂する。だがオリコーは聞いちゃいない。

「これからは面倒臭い王子妃教育も無し、なぜか知らないがやらされていた王子教育も無し、口喧しい王妃様の相手をすることも無し、手が早い陛下のセクハラを躱す必要も無し、いやぁ♪ あのクソみたいな王族一家と関わらなくていいだなんて夢みたいだなぁ♪」

「ふわぁっ!?」

 またもやアホヤネンが奇声を発する。

「殿下! 私を解放してくれて本当にありがとうございました! それではご機嫌よう」

 オリコーは軽やかな足取りでその場を後にした。

 アホヤネンはその場に崩れ落ちた。

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