4 / 16
4
しおりを挟む
おいおい、勘弁してくれよ...マリク殿下の時と同じパターンで、私は騎士団長子息のキースとは顔を合わせたことも無ければ会話を交わしたことも無いんだっての!
なのになんでこうなるかなぁ...ハッ! もしかして、これが噂に聞くゲームの強制力ってヤツなのか!? 何もしてなくても勝手にストーリーが進むってことか!? だとしたらどうすれは...
「は、ハクションッ!」
いかん、まだ春先で肌寒い。このままでは風邪を引いてしまう。着替えないと。私は更衣室の自分のロッカーに急いだ。ジャージに着替えようとして...固まった。
「いやこれマジか...」
そこにあったのは、無残に切り刻まれた元ジャージだった。
「ここまでやるか? 普通じゃない...」
ご丁寧にタオルまで切り刻まれていたので、仕方なく私は水を滴らせながら保健室に向かった。水も滴るいい女ってか? ハハッ! 笑えねぇ...
「お、おい! どうしたんだお前?」
「へっ!?」
うわぁ...なんでこのタイミングでキースに会うかな...
「え、えっとその...あ、足を滑らせて噴水に落ちちゃいまして...」
「ハハッ! ドジなヤツだなぁ、お前! 良かったらこれ使うか? さっきまで鍛練してたから汗臭いけど」
そう言って自分の首に巻いてたタオルを貸してくれた。ええ人やのぅ~♪
「あ、ありがとうございます...後で洗って返しますので...」
「いいってことよ! 気にすんな!」
そして爽やかに去って行った。イケメンやぁ~♪ ちなみにタオルはちっとも汗臭くなかった。
◇◇◇
「いよう、リリアナ! また会ったな!」
「あ、キース様。ご機嫌よう...」
あれから私達は名前を呼びあえるくらい親しくなった。タオルを洗濯して返しに行った時に、お互い名乗り合ったのだ。それ以来、学内で会う度にこうして会話するようになった。
カミラの虐めは相変わらず続いていたが、彼女はエレノアと違って、取り巻きにやらせようとはしない。というか、取り巻きは居ないみたいだ。自分一人で仕掛けて来るだけなのでまだ対処しやすい。嫌味を言われたり、出会い頭に突き飛ばされたり、足を掛けられたり、などなど可愛いものばかりだ。
いやこれは私の感覚が麻痺してるだけかも...いかんいかん! 私にM属性は無いはずだ! と、とにかく、この程度なら耐えていればなんとかなりそう。
なんて思っていた自分を殴ってやりたい...
「へっへっへ、おとなしくしな」「たっぷり可愛がってやるぜぃ」「叫んでも誰も来ねぇぞ」
今、私は空き教室の一室に閉じ込められてて、目の前には制服を着崩した如何にも不良といった輩に囲まれて、まさに絶対絶命! おのれカミラ! ここまでやるか!?
なのになんでこうなるかなぁ...ハッ! もしかして、これが噂に聞くゲームの強制力ってヤツなのか!? 何もしてなくても勝手にストーリーが進むってことか!? だとしたらどうすれは...
「は、ハクションッ!」
いかん、まだ春先で肌寒い。このままでは風邪を引いてしまう。着替えないと。私は更衣室の自分のロッカーに急いだ。ジャージに着替えようとして...固まった。
「いやこれマジか...」
そこにあったのは、無残に切り刻まれた元ジャージだった。
「ここまでやるか? 普通じゃない...」
ご丁寧にタオルまで切り刻まれていたので、仕方なく私は水を滴らせながら保健室に向かった。水も滴るいい女ってか? ハハッ! 笑えねぇ...
「お、おい! どうしたんだお前?」
「へっ!?」
うわぁ...なんでこのタイミングでキースに会うかな...
「え、えっとその...あ、足を滑らせて噴水に落ちちゃいまして...」
「ハハッ! ドジなヤツだなぁ、お前! 良かったらこれ使うか? さっきまで鍛練してたから汗臭いけど」
そう言って自分の首に巻いてたタオルを貸してくれた。ええ人やのぅ~♪
「あ、ありがとうございます...後で洗って返しますので...」
「いいってことよ! 気にすんな!」
そして爽やかに去って行った。イケメンやぁ~♪ ちなみにタオルはちっとも汗臭くなかった。
◇◇◇
「いよう、リリアナ! また会ったな!」
「あ、キース様。ご機嫌よう...」
あれから私達は名前を呼びあえるくらい親しくなった。タオルを洗濯して返しに行った時に、お互い名乗り合ったのだ。それ以来、学内で会う度にこうして会話するようになった。
カミラの虐めは相変わらず続いていたが、彼女はエレノアと違って、取り巻きにやらせようとはしない。というか、取り巻きは居ないみたいだ。自分一人で仕掛けて来るだけなのでまだ対処しやすい。嫌味を言われたり、出会い頭に突き飛ばされたり、足を掛けられたり、などなど可愛いものばかりだ。
いやこれは私の感覚が麻痺してるだけかも...いかんいかん! 私にM属性は無いはずだ! と、とにかく、この程度なら耐えていればなんとかなりそう。
なんて思っていた自分を殴ってやりたい...
「へっへっへ、おとなしくしな」「たっぷり可愛がってやるぜぃ」「叫んでも誰も来ねぇぞ」
今、私は空き教室の一室に閉じ込められてて、目の前には制服を着崩した如何にも不良といった輩に囲まれて、まさに絶対絶命! おのれカミラ! ここまでやるか!?
60
あなたにおすすめの小説
「婚約破棄します」その一言で悪役令嬢の人生はバラ色に
有栖川灯里
恋愛
王太子との婚約破棄。それは悪役令嬢にとって、終わりではなく始まりだった。名を奪われ、社会から断罪された彼女が辿り着いたのは、辺境の小さな学び舎だった。そこには“名前を持たなかった子どもたち”が集い、自らの声と名を選び直していた。
かつて断罪された少女は、やがて王都の改革論争に巻き込まれ、制度の壁と信仰の矛盾に静かに切り込んでいく。語ることを許されなかった者たちの声が、国を揺らし始める時、悪役令嬢の“再生”と“逆襲”が静かに幕を開ける――。
悪役令嬢の名誉を挽回いたします!
みすずメイリン
恋愛
いじめと家庭崩壊に屈して自ら命を経ってしまったけれど、なんとノーブル・プリンセスという選択式の女性向けノベルゲームの中の悪役令嬢リリアンナとして、転生してしまった主人公。
同時に、ノーブル・プリンセスという女性向けノベルゲームの主人公のルイーゼに転生した女の子はまるで女王のようで……?
悪役令嬢リリアンナとして転生してしまった主人公は悪役令嬢を脱却できるのか?!
そして、転生してしまったリリアンナを自分の新たな人生として幸せを掴み取れるのだろうか?
全ルートで破滅予定の侯爵令嬢ですが、王子を好きになってもいいですか?
紅茶ガイデン
恋愛
「ライラ=コンスティ。貴様は許されざる大罪を犯した。聖女候補及び私の婚約者候補から除名され、重刑が下されるだろう」
……カッコイイ。
画面の中で冷ややかに断罪している第一王子、ルーク=ヴァレンタインに見惚れる石上佳奈。
彼女は乙女ゲーム『ガイディングガーディアン』のメインヒーローにリア恋している、ちょっと残念なアラサー会社員だ。
仕事の帰り道で不慮の事故に巻き込まれ、気が付けば乙女ゲームの悪役令嬢ライラとして生きていた。
十二歳のある朝、佳奈の記憶を取り戻したライラは自分の運命を思い出す。ヒロインが全てのどのエンディングを迎えても、必ずライラは悲惨な末路を辿るということを。
当然破滅の道の回避をしたいけれど、それにはルークの抱える秘密も関わってきてライラは頭を悩ませる。
十五歳を迎え、ゲームの舞台であるミリシア学園に通うことになったライラは、まずは自分の体制を整えることを目標にする。
そして二年目に転入してくるヒロインの登場におびえつつ、やがて起きるであろう全ての問題を解決するために、一つの決断を下すことになる。
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完結】転生悪役令嬢は婚約破棄を合図にヤンデレの嵐に見舞われる
syarin
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢として転生してしまい、色々足掻くも虚しく卒業パーティーで婚約破棄を宣言されてしまったマリアクリスティナ・シルバーレーク伯爵令嬢。
原作では修道院送りだが、足掻いたせいで色々拗れてしまって……。
初投稿です。
取り敢えず書いてみたものが思ったより長く、書き上がらないので、早く投稿してみたくて、短編ギャグを勢いで書いたハズなのに、何だか長く重くなってしまいました。
話は終わりまで執筆済みで、雑事の合間に改行など整えて投稿してます。
ギャグでも無くなったし、重いもの好きには物足りないかもしれませんが、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいです。
ざまぁを書きたかったんですが、何だか断罪した方より主人公の方がざまぁされてるかもしれません。
モブ令嬢アレハンドリナの謀略
青杜六九
恋愛
転生モブ令嬢アレハンドリナは、王子セレドニオの婚約者ビビアナと、彼女をひそかに思う侯爵令息ルカのじれじれな恋を観察するのが日課だった。いつまで経っても決定打にかける二人に業を煮やし、セレドニオが男色家だと噂を流すべく、幼馴染の美少年イルデフォンソをけしかけたのだが……。
令嬢らしからぬ主人公が、乙女ゲームの傍観者を気取っていたところ、なぜか巻き込まれていくお話です。主人公の独白が主です。「悪役令嬢ビビアナの恋」と同じキャラクターが出てきますが、読んでいなくても全く問題はありません。あらすじはアレですが、BL要素はありません。
アレハンドリナ編のヤンデレの病み具合は弱めです。
イルデフォンソ編は腹黒です。病んでます。
2018.3.26 一旦完結しました。
2019.8.15 その後の話を執筆中ですが、別タイトルとするため、こちらは完結処理しました。
婚約破棄された氷の令嬢 ~偽りの聖女を暴き、炎の公爵エクウスに溺愛される~
ふわふわ
恋愛
侯爵令嬢アイシス・ヴァレンティンは、王太子レグナムの婚約者として厳しい妃教育に耐えてきた。しかし、王宮パーティーで突然婚約破棄を宣告される。理由は、レグナムの幼馴染で「聖女」と称されるエマが「アイシスにいじめられた」という濡れ衣。実際はすべてエマの策略だった。
絶望の底で、アイシスは前世の記憶を思い出す――この世界は乙女ゲームで、自分は「悪役令嬢」として破滅する運命だった。覚醒した氷魔法の力と前世知識を武器に、辺境のフロスト領へ追放されたアイシスは、自立の道を選ぶ。そこで出会ったのは、冷徹で「炎の公爵」と恐れられるエクウス・ドラゴン。彼はアイシスの魔法に興味を持ち、政略結婚を提案するが、実は一目惚れで彼女を溺愛し始める。
アイシスは氷魔法で領地を繁栄させ、騎士ルークスと魔導師セナの忠誠を得ながら、逆ハーレム的な甘い日常を過ごす。一方、王都ではエマの偽聖女の力が暴かれ、レグナムは後悔の涙を流す。最終決戦で、アイシスとエクウスの「氷炎魔法」が王国軍を撃破。偽りの聖女は転落し、王国は変わる。
**氷の令嬢は、炎の公爵に溺愛され、運命を逆転させる**。
婚約破棄の屈辱から始まる、爽快ザマアと胸キュン溺愛の物語。
〘完〙なぜかモブの私がイケメン王子に強引に迫られてます 〜転生したら推しのヒロインが不在でした〜
hanakuro
恋愛
転生してみたら、そこは大好きな漫画の世界だった・・・
OLの梨奈は、事故により突然その生涯閉じる。
しかし次に気付くと、彼女は伯爵令嬢に転生していた。しかも、大好きだった漫画の中のたったのワンシーンに出てくる名もないモブ。
モブならお気楽に推しのヒロインを観察して過ごせると思っていたら、まさかのヒロインがいない!?
そして、推し不在に落胆する彼女に王子からまさかの強引なアプローチが・・
王子!その愛情はヒロインに向けてっ!
私、モブですから!
果たしてヒロインは、どこに行ったのか!?
そしてリーナは、王子の強引なアプローチから逃れることはできるのか!?
イケメン王子に翻弄される伯爵令嬢の恋模様が始まる。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる