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後日談
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「リリアナ、今日も君はなんと麗しい! まるで美の女神のようだ! さぁ、この薔薇の花をどうぞ!」
「うぅ.. 」
これは宰相子息...
「リリアナ、あなたと出会えたことは正しく神が与えたもうた奇跡でしょう! どうか、このロザリオを受け取って下さい!」
「あぅ.. 」
これは大司教子息...
「リリアナ、君のために王都で大人気のオペラのプレミアチケットを手に入れたんだ! 一緒に行こう!」
「はぅ...」
これは大富豪子息...
◇◇◇
最近の私の日常は毎日こんな感じだ...とにかく戸惑ってばかりいる。これまでは首チョンパされる運命に抗うために耐え難きを耐え、時には戦いながら必死に勝ち取った生き延びる権利なんだ。今こそ声を大にして言いたい。
それは決してハーレムエンドを迎えるためじゃないっ! と...
毎日こんな調子だとね、そりゃあもう他の女子生徒から白い目を向けられる訳よ...ほらまたあの女、良い男を独占して貢がせているとか、誰にでもすぐに腰を振るビッチだからチヤホヤされているんだとか、とにかくある事ない事色々と噂されちゃう訳よ...
だからこうなる事は必然だったのかも知れない...私は今、校舎裏で5、6人の女子生徒に囲まれている。
「あんた何様のつもり!?」「チヤホヤされて女王様気分!?」「ふざけんじゃないわよ!」
あぁ、まぁねぇ...そう思われても仕方ないか...私は彼女達の虐めを甘んじて受けるつもりでいた。さすがに殺されたりはしないだろう、この程度可愛いもんだ...とか、思っていたら...
「お前ら、なにしてる!? リリアナ! 無事か!?」
「お前達、そこを動くな! リリアナ! 怪我は無いかい!?」
キース様とマリク殿下が現れた。このお二人はなんでこうもタイミング良くやって来るんだろう? と思いながら、助けてくれたのは嬉しいけど、これでまたハーレムって言われるよなぁ...って頭を抱えた。
◇◇◇
そんなある日、私はまた別の女子生徒達に、今度は空き教室に連れ込まれた。同じような罵倒が始まる。そこへ...
「「「「「 リリアナ! 大丈夫か!? 」」」」」
5人が鉢合わせしてしまった...いや、助けに来てくれたのは感謝してるんだけど、ここで「リリアナは俺のもんだ!」みたいな一触即発の空気になられても...
私が途方に暮れていると、
「あなた達、いい加減にしなさい!」
カトリーナ王女が一喝してくれた。そして私の手を引いて連れ出してくれた。
「全く! ホント男ってのはどうしようもない生き物よね!」
クソ王子に引っ掛かりそうだっただけに、その言葉には実感がこもってるね。
「ねぇ、リリアナ~♪ 男なんか放っておいて、私と良い事しない~♪」
か、カトリーナ王女!? 妙に熱っぽい目を向けて来るけど...
じよ、冗談なんだよね!?
「うぅ.. 」
これは宰相子息...
「リリアナ、あなたと出会えたことは正しく神が与えたもうた奇跡でしょう! どうか、このロザリオを受け取って下さい!」
「あぅ.. 」
これは大司教子息...
「リリアナ、君のために王都で大人気のオペラのプレミアチケットを手に入れたんだ! 一緒に行こう!」
「はぅ...」
これは大富豪子息...
◇◇◇
最近の私の日常は毎日こんな感じだ...とにかく戸惑ってばかりいる。これまでは首チョンパされる運命に抗うために耐え難きを耐え、時には戦いながら必死に勝ち取った生き延びる権利なんだ。今こそ声を大にして言いたい。
それは決してハーレムエンドを迎えるためじゃないっ! と...
毎日こんな調子だとね、そりゃあもう他の女子生徒から白い目を向けられる訳よ...ほらまたあの女、良い男を独占して貢がせているとか、誰にでもすぐに腰を振るビッチだからチヤホヤされているんだとか、とにかくある事ない事色々と噂されちゃう訳よ...
だからこうなる事は必然だったのかも知れない...私は今、校舎裏で5、6人の女子生徒に囲まれている。
「あんた何様のつもり!?」「チヤホヤされて女王様気分!?」「ふざけんじゃないわよ!」
あぁ、まぁねぇ...そう思われても仕方ないか...私は彼女達の虐めを甘んじて受けるつもりでいた。さすがに殺されたりはしないだろう、この程度可愛いもんだ...とか、思っていたら...
「お前ら、なにしてる!? リリアナ! 無事か!?」
「お前達、そこを動くな! リリアナ! 怪我は無いかい!?」
キース様とマリク殿下が現れた。このお二人はなんでこうもタイミング良くやって来るんだろう? と思いながら、助けてくれたのは嬉しいけど、これでまたハーレムって言われるよなぁ...って頭を抱えた。
◇◇◇
そんなある日、私はまた別の女子生徒達に、今度は空き教室に連れ込まれた。同じような罵倒が始まる。そこへ...
「「「「「 リリアナ! 大丈夫か!? 」」」」」
5人が鉢合わせしてしまった...いや、助けに来てくれたのは感謝してるんだけど、ここで「リリアナは俺のもんだ!」みたいな一触即発の空気になられても...
私が途方に暮れていると、
「あなた達、いい加減にしなさい!」
カトリーナ王女が一喝してくれた。そして私の手を引いて連れ出してくれた。
「全く! ホント男ってのはどうしようもない生き物よね!」
クソ王子に引っ掛かりそうだっただけに、その言葉には実感がこもってるね。
「ねぇ、リリアナ~♪ 男なんか放っておいて、私と良い事しない~♪」
か、カトリーナ王女!? 妙に熱っぽい目を向けて来るけど...
じよ、冗談なんだよね!?
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