嫁いで来たその日に家から追い出されたので、報復するついでに領地改革しようと思います

真理亜

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 クズ夫にお仕置きをしてから二日経った。

 その間、エリスはクズ夫の部屋に仕掛けた盗聴用の魔道具で様子を伺っていた。まだ女性達が逃げ出したことにも気付いていないようだ。痒くてそれどころじゃないんだろう。監視は引き続き行う。

 それはそれとして、いい加減ホテル暮らしにも飽きて来た。ここらで領地を探検でもしてみようか。

「早速出発~♪」

 意気揚々とエリスは出掛けて行った。


 辺境伯という立場には、大まかに分けて二つの役割がある。一つ目は国境の警備を担う国の盾としての役割。隣国と戦争にでもなったら、真っ先に命懸けで戦う覚悟が求められる。二つ目が文字通り僻地を治めるという役割。隣国と国境を接する位置に無く、ただ王都から遠く離れている土地を管理するというだけの簡単なお仕事。

 この辺境伯領がどちらに該当するのか、後者なのは言わずもがな。だからあんなクズ夫が好き勝手出来てしまうのだろう。国としても遠く離れた僻地で何が起ころうとあまり関心が無いのかも知れない。だからと言って領民に対する横暴が許されることは断じて無い。
 
 エリスは実家に宛てた手紙でクズ夫に対する国の処罰を求める旨を訴えたが、いくら実家が動いてくれたとしても正直な所、国が本気で処罰してくれるのをあまり期待してなかった。もちろんそれでも何らかの処罰は下るだろうが、恐らくはかなり緩いモノになるんではなかろうか?

「だったら私が厳しい罰を与えても構わないよね~♪」

 その為にはこの領地のことをもっと良く知らないと。ここは四方を山に囲まれた盆地にあたる。なのでまず、エリスは山に向かった。


 しばらく山道を登っていると、温泉特有の硫黄の匂いが漂って来た。

「おぉ~♪ 温泉があるみたいだね~♪ 楽しみ~♪」

 またしばらく登ると、次第に傾斜は緩やかになった。そしてこれはカルデラだろうか? 窪地に辿り着いた。

「ここらでちょっと一休みしますかね」
 
 無限収納ストレージから冷たい水を取り出して休憩する。ちなみにこのストレージ、時間停止するので、冷たい物は冷たいまま、熱い物は熱いまま取り出せるからとても重宝している。

「昔の火山跡かぁ~ もう活動してないみたいだね~」

 改めて窪地を見渡してみる。結構広い火山跡だ。

「うん? あれは?」

 窪地の端、山道に近い所に小さな小屋が建っている。早速行ってみた。

「炭焼小屋かな? もう使われて無いみたいだけど」

 屋根に煙突もあるし、炭焼用の窯もある。かなり前に放棄されたのだろう。内も外もかなり傷んでいる。

「うん、ここいいね♪ ここに住もう♪」

 だがそんなことは気にせず、エリスは上機嫌でそう言った。

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