我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「アンリエット! アンリエット! 起きて! ねぇ起きて!」

「フニャア...もう食べられないよ~...ムニャムニャ...」

「寝惚けてないでさっさと起きなさい!」

「ふぇ...あ、あれ!? ここは誰!? 私はどこ!?」

「もう! いい加減シャッキリしなさい! 大変なのよ! アランが行方不明になったの!」

「ぬわんですってぇ! どわっ! あ痛ててて!」

「フゥ...やっと目が覚めたみたいね...大丈夫? 怪我は無い?」

「だ、大丈夫...あれ!? ここは!?」

 私は客間の床に転がっていた。どうやらソファーから落ちたらしい。エリザベートの手を借りて体を起こす。

「あなた、ソファーで寝てたのよ。なんでここに寝てたの? なんで自分の部屋に戻らなかったの?」

 そう言われて昨夜の記憶が朧気に浮かんで来た。確か疲れてちょっとソファーに身を沈めたんだった。その後からの記憶が無い。どうやらそのまま寝落ちしちゃったようだ。いや、そんなことよりも!

「それは今どうだっていい! それよりアランが居なくなったってどういうこと!?」

「言葉通りの意味よ。今朝、ハンスが交代しようと見張りの持ち場に行ってみたら、アランの姿がどこにもなかったそうなの」

「そ、そんな...一体どこに行ったっていうの...」

「それが分からないから調べているのよ。ウチの隠密衆達も姿を見て無いって言ってるし。ねぇあなた、昨夜アランに会った?」

「うん、この部屋でちょっと話した...」

「その時、なにかおかしな様子はなかった?」

「ううん、特には...」

「そう。アンリエット、もう一度聞くわね。あなたはなんでここに寝てたの?」

「それは...ちょっと疲れたんでソファーに横たわったらそのまま寝ちゃったのよ。というか、なんでその点に拘るの!?」

「それはあらゆる可能性を考慮しているからよ」

「可能性!? どんな!?」

「あなたを眠らせてからアランが出て行ったとかね」

「まさか...アランがそんなことするはず無いし...」

「だからあらゆる可能性を考慮してるって言ったでしょ? 今のはアランが自分から出て行ったパターンを検証してみたってこと」

「それは有り得ないと言い切れるわ。なぜなら...」

 私は昨夜のアランとのやり取りを説明した。

「なるほど...それならアランが自分から姿を消したって可能性は無いわね。となると残るのは...」

「誰かに連れ去られた...」

「えぇ、そうなるわね...」

 その誰かというのは言うまでもない。

 私は無意識に唇を噛み締めていた。

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