我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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 どれくらい時間が経った頃だろうか? 手術室からお医者様が出て来たと同時に、手術中の札が外された。どうやら手術が終わったらしい。私は緊張しながらお医者様に駆け寄った。

「先生! アランは!? アランはどうなりました!?」

「...最善は尽くしましたが...意識が戻りません...」

 お医者は沈痛な面持ちでそう告げた。

「えっ!? そ、それって!?」

「...最悪、植物状態になってしまうかも知れません...」

「そ、そんな!?」

 私は膝から崩れ落ちた。

「おっと! 大丈夫ですか!? しっかりしてください!」

 すかさずお医者様が支えてくれた。

「...す、すいません...だ、大丈夫です...」

「...良かった...取り敢えず...患者さんを病室に移します...」

「...は、はい...」

「...このまま明日まで意識が戻らないようでしたら...残念ですが...」

 お医者様は皆まで言わなかった。

「...植物状態になってしまうということですね...」

 私は呆然としながらそう呟いていた。

「...はい...今夜が峠ということになります...」


◇◇◇


 病室に移されたアランは頭を包帯でグルグル巻きにされていた。痛々しい姿ではあるが、寝顔は穏やかなので苦しんでいる様子がないのはせめてもの救いだった。

「...アラン...お願いだから目を開けて...」

 私はアランの手を握り締めながら祈った。

「...あ、あの...お、お嬢様...」

 兄に頼んだ着替えを持って来てくれたメイドのシェイラが、躊躇いがちに声を掛けて来た。

「...あぁ、シェイラ...ここはもういいわ...カイルとセバスチャンの所に行ってあげて?...」

「...わ、分かりました...」

 シェイラが部屋を出たのと同時に、お医者様が回診に来てくれた。

「お加減は如何ですか?」

「...まだ目を覚ましません...」

「そうですか...」

「...あ、そうだ...先生、いつぞやは大変お世話になりました...」

 私はスカーレットとの一件で治療してくれたことへのお礼を言った。面と向かってちゃんとお礼を言ってなかったことを思い出したからだ。

「あぁ、いえいえ。医師として当然のことをしたまでですからお気遣いなく。お元気になられて良かったです」

「...本当にありがとうございました...」

「では他の患者さんもおりますので私はこれで。また診に参ります。あなたもその...あまり根を詰め過ぎませんように..」

「...お気遣い感謝申し上げます...」
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