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私は待ち合い室で一人、アランの無事を祈っていた。手術室のドアには『手術中、医療従事者以外立ち入り禁止』の札が立っている。
「アンリエット、どう? アランは無事?」
そこへエリザベートが駆け付けてくれた。
「まだ手術中...」
「そう...あら? カイルとセバスチャンは?」
「あの二人もあちこち怪我だらけだったから治療を受けて貰ってるわ...」
「それじゃあなた今一人?」
「見ての通りだけど?」
「心配だわ...ネオ? 居る?」
「はい、お嬢様。こちらに」
エリザベートが呼び掛けると、どこからともなく公爵家お抱え隠密三人衆の一人ネオが姿を現した。
「あなた、アンリエットに付いていなさい」
「畏まりました」
「エリザベート、本当にいいの?」
「えぇ、私にはリックが付いてるから大丈夫よ」
リックも隠密衆の一人だ。
「ありがとう...」
「どういたしまして」
「エリザベート、あなたは帰って? ここは妊婦さんには向かない場所だわ」
待ち合い室の椅子は固いからね。長い間座ってるのは胎教に良くない。
「それもそうね...悪いけどそうさせて貰うわ...アンリエット、気を確かに持ってね? アランはきっと大丈夫だから。ね?」
「うん...ありがとう...」
◇◇◇
エリザベートが帰ったのと入れ違うようにして、今度は兄のロバートが駆け付けてくれた。
「聞いたよ、アンリエット...大変だったんだな...」
「あぁ、兄さん! ちょうど良いところに来てくれたわ!」
「うん!? どういうことだ!?」
「実はね今...」
私はカイルとセバスチャンの現状を伝えた。
「...という訳でね、アランの分も含めた三人分の着替えを持って来て欲しいのよ。兄さん、悪いんだけどウチのメイドに伝えて来てくれないかしら?」
「お安いご用だ。任せておけ」
「ありがとう...」
「それはいいんだが...アンリエット...お前一人で大丈夫か?」
「えぇ、私は大丈夫よ...いいから行って?」
姿は見えないけど近くにネオも居てくれるしね。もっとも、兄が言いたかったのはそうことじゃないんだろうけど。要するに兄なりの気遣いではあるんだろうな。
ただ申し訳ないけど、兄がここに居ても正直なんの役にも立たないし、かえって私の方が気を遣っちゃうかも知れないからね。だからお使いを頼んだんだ。
「分かった...くれぐれも無理するんじゃないぞ?」
「えぇ、分かってるわ...」
私は手術室の方に目を向けた。さっきから看護師が何人も出たり入ったりしているが、手術中の札はまだそのままだった。
「アンリエット、どう? アランは無事?」
そこへエリザベートが駆け付けてくれた。
「まだ手術中...」
「そう...あら? カイルとセバスチャンは?」
「あの二人もあちこち怪我だらけだったから治療を受けて貰ってるわ...」
「それじゃあなた今一人?」
「見ての通りだけど?」
「心配だわ...ネオ? 居る?」
「はい、お嬢様。こちらに」
エリザベートが呼び掛けると、どこからともなく公爵家お抱え隠密三人衆の一人ネオが姿を現した。
「あなた、アンリエットに付いていなさい」
「畏まりました」
「エリザベート、本当にいいの?」
「えぇ、私にはリックが付いてるから大丈夫よ」
リックも隠密衆の一人だ。
「ありがとう...」
「どういたしまして」
「エリザベート、あなたは帰って? ここは妊婦さんには向かない場所だわ」
待ち合い室の椅子は固いからね。長い間座ってるのは胎教に良くない。
「それもそうね...悪いけどそうさせて貰うわ...アンリエット、気を確かに持ってね? アランはきっと大丈夫だから。ね?」
「うん...ありがとう...」
◇◇◇
エリザベートが帰ったのと入れ違うようにして、今度は兄のロバートが駆け付けてくれた。
「聞いたよ、アンリエット...大変だったんだな...」
「あぁ、兄さん! ちょうど良いところに来てくれたわ!」
「うん!? どういうことだ!?」
「実はね今...」
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「...という訳でね、アランの分も含めた三人分の着替えを持って来て欲しいのよ。兄さん、悪いんだけどウチのメイドに伝えて来てくれないかしら?」
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ただ申し訳ないけど、兄がここに居ても正直なんの役にも立たないし、かえって私の方が気を遣っちゃうかも知れないからね。だからお使いを頼んだんだ。
「分かった...くれぐれも無理するんじゃないぞ?」
「えぇ、分かってるわ...」
私は手術室の方に目を向けた。さっきから看護師が何人も出たり入ったりしているが、手術中の札はまだそのままだった。
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