嫁いだら旦那に「お前とは白い結婚だ」と言われました

真理亜

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「仕事というのは最前線で戦う兵士達を癒してあげるお仕事です」

 サリアはそんなアイラに構わず話を続けた。

「癒す?」

 その言葉に興味を持ったのか、アイラはちょっとだけ乗り気になった。

「えぇ、精神的にも肉体的にも」

「具体的には?」

「兵士達のために食事や洗濯をしてあげたり、疲れた体をマッサージしてあげたり話し相手になってあげたり、その他もろもろですね」

「働く場所は?」

「もちろん後方勤務ですよ。最前線で戦って疲れた兵士達が帰って来る憩いの場所ということになりますね」

「お給料は?」

「時給これだけお支払しますよ」

 そう言ってサリアはメモを渡した。

「こんなに貰えるの!? やる! やるわ! 私に任せて!」

 途端にアイラは食い付いた。

「ご満足頂けたようでなによりです」

 そんなアイラをサリアは満足気に見詰めた。

 実はサリアが意図的に暈した部分がある。

『その他もろもろ』

 の部分である。

 これには慰安婦的な意味合いも含まれる。というより、そっちがメインとも言える。家事やメンタルケアなどはあくまで付随した部分だったりする。

 そんなことを知らないアイラは浮かれているようだ。時給の高さが余程嬉しいのだろう。

 だが現地に行って現実を突き付けられても、男好きなアイラなら寧ろ逆に嬉々として励むかも知れない。

 サリアはささやかな復讐としてアイラにそんな仕事場を紹介したのだが、アイラにとって見れば天職と言えるかも知れなかった。


◇◇◇


 ~ 半年後 ~

「サリア、元旦那が戦死したそうだ」

 父親からそう報告を受けたサリアは眉一つ動かさず、

「あら、そうなの。半年か。結構持った方なんじゃない?」

 と全く興味が無いようにそう言った。

「まぁ、そうだな。あ、そうそう。補給部隊が敵の攻撃を食らって全滅したそうだ」

「あらまぁ、御愁傷様」

 サリアはまたしても興味無さ気だ。

「それと例の淫売だが、兵士達から聖母ならぬ性母と崇められすっかり馴染んでいるようだ」

「逞しいわね」

 サリアは苦笑するしかなかった。

「そんなことより聞いてよ、お父様! ステファニーがね、今日初めて私のことを『ママ』って呼んでくれたのよ!」

 殺伐とした話題を忘れるように、サリアは輝かんばかりの笑顔を浮かべてそう言ったのだった。


 ~ fin. ~
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