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「この家のご令嬢にお会いしたい」
開口一番、ハロルド王子はそう言った。私はお出迎えした時に、なんとなくだがこの人にどっかで会ったことがあるような気がして、思わずしげしげと見詰めてしまった。
「ブヒッブヒッ! 王子様ぁ♪ 私がこの家の令嬢のイザベラですぅ~♪ ブヒッブヒッ!」
イザベラがなにやらゴテゴテと飾り付けた衣装で、ハロルド王子の前にドタドタとやって来た。まるで歩くクリスマスツリーみたいだと思った。
そんなイザベラを一瞥したハロルド王子は、
「あなたではない」
と冷たく言い放った。
「ブヒッ!?」
唖然とするイザベラには目もくれず、ハロルド王子は真っ直ぐ私の前までやって来た。そして懐からハンカチを取り出す。
「このハンカチをくれたのはあなたですね? アリス嬢」
その声と仕草はいつもフリーマーケットに来てくれる「王子様」にそっくりで...
「まさか...本当に王子様だったなんて...」
私が思わず呟いてしまったらハロルド王子が、
「あれ? もしかして気付かれてた?」
そう言うもんだから私は慌てて、
「い、いえ! ち、違うんです! い、いつも素敵な方なので私達の中で、勝手に王子様と呼んでいただけで...」
おもいっきり暴露しちゃったよ! 私の顔はきっと真っ赤になってると思う。
「アリス嬢、フリーマーケットで初めてあなたを見掛けてからずっと気になっていた。明らかに貴族のご令嬢なのになんでこんな所で服を売っているのかと。気紛れに買ってみて驚いた。とても丁寧に作られていて、素人の作った作品だとはとても思えない出来映えだった。だから僕は王家御用達に推挙していてね。時間は掛かったが先日無事認可が下りた。君には王宮に部屋が用意される。一緒に来てくれるね?」
そう言ってハロルド王子は私に手を差し出して来た。私は戸惑いながらもその手を取った。するとハロルド王子は私の手の甲ににキスをした。
「はうっ!?」
「それともう1つ、僕の恋人になってくれるかな?」
「キュ~...」
私にはそこからの記憶が無い。気付いたら王宮に居た。
シンデレラは王子様に見初められて幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
って、私はシンデレラなんかじゃないんだけど、本当にいいのかな...
おしまい
「ブヒッブヒッ! 王子様ぁ~! どこ~? ブヒッブヒッ!」
本当におしまい
開口一番、ハロルド王子はそう言った。私はお出迎えした時に、なんとなくだがこの人にどっかで会ったことがあるような気がして、思わずしげしげと見詰めてしまった。
「ブヒッブヒッ! 王子様ぁ♪ 私がこの家の令嬢のイザベラですぅ~♪ ブヒッブヒッ!」
イザベラがなにやらゴテゴテと飾り付けた衣装で、ハロルド王子の前にドタドタとやって来た。まるで歩くクリスマスツリーみたいだと思った。
そんなイザベラを一瞥したハロルド王子は、
「あなたではない」
と冷たく言い放った。
「ブヒッ!?」
唖然とするイザベラには目もくれず、ハロルド王子は真っ直ぐ私の前までやって来た。そして懐からハンカチを取り出す。
「このハンカチをくれたのはあなたですね? アリス嬢」
その声と仕草はいつもフリーマーケットに来てくれる「王子様」にそっくりで...
「まさか...本当に王子様だったなんて...」
私が思わず呟いてしまったらハロルド王子が、
「あれ? もしかして気付かれてた?」
そう言うもんだから私は慌てて、
「い、いえ! ち、違うんです! い、いつも素敵な方なので私達の中で、勝手に王子様と呼んでいただけで...」
おもいっきり暴露しちゃったよ! 私の顔はきっと真っ赤になってると思う。
「アリス嬢、フリーマーケットで初めてあなたを見掛けてからずっと気になっていた。明らかに貴族のご令嬢なのになんでこんな所で服を売っているのかと。気紛れに買ってみて驚いた。とても丁寧に作られていて、素人の作った作品だとはとても思えない出来映えだった。だから僕は王家御用達に推挙していてね。時間は掛かったが先日無事認可が下りた。君には王宮に部屋が用意される。一緒に来てくれるね?」
そう言ってハロルド王子は私に手を差し出して来た。私は戸惑いながらもその手を取った。するとハロルド王子は私の手の甲ににキスをした。
「はうっ!?」
「それともう1つ、僕の恋人になってくれるかな?」
「キュ~...」
私にはそこからの記憶が無い。気付いたら王宮に居た。
シンデレラは王子様に見初められて幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし。
って、私はシンデレラなんかじゃないんだけど、本当にいいのかな...
おしまい
「ブヒッブヒッ! 王子様ぁ~! どこ~? ブヒッブヒッ!」
本当におしまい
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