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Ⅵ章
60話 来たる影への備え
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「──父上」
謁見の間を去るダリオットをジクターが呼び止めた。
「本当にあの男が我が国の管理者なのですか?」
「そうだと言っていたのだから、そうだろうな」
「父上」
そう言われて納得できるはずがない。あの不敬な魔法使いをダリオットが許したことだって、ジクターは不服だった。これでは魔塔に王家を舐められたままではないか。
「魔塔とは今一度協力関係をはっきり示すべきです。その方が民のためではありませんか?」
「ジクターよ。お主はまだ何も知らぬのだ。この三百年沈黙を保っていた魔塔が動いた。その事実だけで今は十分だ」
ダリオットは自分の知らないことを知っている。しかしそれを、相手が王太子であっても話すつもりはない。従者を引き連れて立ち去る父の背中を前に、ジクターは拳を握り締めた。
マヴァロへカカルクや騎士団を転送するまでの数日間、ロゼアリアは未だアルデバランと行動を共にすることが多かった。
「言った通り、ザジャは仕事が早いな」
管理者招集の手紙をひらひらと揺らすアルデバラン。騎士団長を交えた会議を終えたばかりで、この魔法使いは些か機嫌が悪かった。黒いローブを翻して歩くアルデバランをロゼアリアが小走りで追いかける。
会議の内容は黒翼騎士団をマヴァロへ送り届けるための具体的な手順の確認、それから。
「ラウニャドールが地下にいるかもしれないことを、あんな早々に打ち明けてよかったの?」
ザジャへ向かう飛行船の中で、アルデバランがロゼアリアに話したラウニャドールのことだった。
アルデバランが歩みを緩める。そのおかげでロゼアリアも小走りをやめた。
「魔法使い達に任せていた調査結果を見る限り、地下が侵蝕されてるのは明らかだ」
「けどさっきの言い方は良くなかったわ。それだけ聞いたら、伯父様達が焦るのは当然だもの」
先程の会議を振り返る。あの時のアルデバランの言い方はあまりにも粗末だった。グレナディーヌの地下がラウニャドールに侵蝕されている可能性があるから、騎士団の方で警備を強化しろ、としか言わないのだから。
ディートリヒをはじめとした騎士団長はその話の真偽や規模などを問い詰めたが、それに対してアルデバランは「知らない」としか返さず。
最終的にピリついた空気の中会議はお開きとなった。
「まだ俺自身が確認したわけじゃないのに、規模も何も分かるわけないだろ」
「それなら、全て確認してから話すべきじゃない」
「分かってる段階までの情報を早いうちに共有することの何が悪いんだ?」
アルデバランの言うことも分からなくはないのだが。
今日話した事情は、いよいよ来月に控えた星祭りの開催に影を射したようなものだ。場合によっては星祭りの中止も検討しなければならない。
「星祭りは毎年皆が楽しみにしてるお祭りなの。ラウニャドールの危険があるなら早めに対策は立てたいし、直前で中止、なんてことは一番避けなきゃいけないでしょ?」
そうは言っても、アルデバランに祭りを楽しむ心があるとは思っていない。案の定、アルデバランはよく分からないという表情で話を聞いていた。
どう説明するべきか。彼に伝わる言葉を探すロゼアリアを、少し離れたところから見つめる人物が一人。
「──ロゼ?」
視線を向けた先にあったのは、シルバーブロンドの髪と琥珀の瞳。かつての婚約者と、恋敵が並んで立っていた。何か言いたげな表情をしているアーレリウスの横でヘレナが露骨に顔を顰めてこちらを見ている。
アーレリウスがヘレナと婚約したことは、帰国早々に耳にしていた。それについて特に何も思わなかったし、今こうして目の前にしてもそれは変わらなかった。
「クロレンス公子様、ヘレナ様、お久しゅうございます」
「ロゼ」
「騎士団の職務がありますので、これで失礼いたします。行こ」
口を開いたアーレリウスを遮る様に、ロゼアリアは踵を返す。ロゼアリアに促されたアルデバランは、一組の男女を興味無さそうに一瞥してから先を歩く少女を追った。
「知り合いか?」
「貴族だもの。社交界で見かける人は一応は覚えてるだけ」
「ふーん」
アルデバランはそれ以上問い詰めてこなかった。根掘り葉掘り聞かれる鬱陶しさをよく分かっている彼だからこその優しさだと分かる。或いは、本当に他人の人間関係に興味が無いだけか。
ただなんとなく、アーレリウスが元婚約者だとアルデバランに知られたくなかった。
「それで、管理者で集まるのはいつ?」
「ん? ほら」
自分宛の手紙を簡単にロゼアリアに見せるアルデバラン。そんな簡単に見せていいのか、と思いつつもロゼアリアは手紙を受け取る。
「この日って、星祭りの日にちと被ってるじゃない」
「何か問題あるか?」
「もしこの時にラウニャドールが襲撃してきたら、アルデバランはいないってことでしょ?」
侵蝕の規模が分からない中、アルデバラン不在で星祭りを迎えるなど不安を覚えずにはいられなかった。
「俺がいなくとも灰色の地には行ってたんだろ? それに今回は、魔法使い達もいる。一日二日俺がいなくても十分じゃないか」
「私達も全力は尽くすけど、もし星祭りの開催中にラウニャドールが王都に出現したら大混乱は避けられない。魔塔の主である貴方がいてくれたら心強い」
ロゼアリアの言葉にアルデバランはどこか困った表情を見せる。それを見てロゼアリアも焦る。困らせたいわけではなかった。
「あ、ううん! 心強いってだけで、全部アルデバランに何とかしてほしいってわけじゃないから! 大丈夫、分かってる。各国の管理者を早く招集するためにザジャへ行ったんだもの。そっちを優先して」
「いや、ラウニャドールに関しては俺が責任を持つべきだ。管理者の会合もグレナディーヌの防衛も、天秤にかけるものじゃない」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど」
「地下の調査は俺も合流する。なるべく早く現状を解析するから待ってくれ」
「ありがとう」
無理はするな、とは言えなかった。結果的に無茶をさせているのは自分なのだから。三百年世界から身を引いていたアルデバランが、これだけ動いてくれているのだ。自分も騎士として精進しなくては。
「今日はもう戻る。ロゼも気をつけて帰れよ」
「うん」
言うなり、転移魔法でアルデバランが姿を消す。
(私も帰ろう。星祭りの警備について、お父様と話さなくちゃ)
アーレリウスに会ったことは父に話さない方が良いだろう。頬の傷を理由に婚約の解消を一方的に告げてきたアーレリウスに、カルディスは憤慨していたから。
騎士団の仕事があるのは都合が良かった。アーレリウスとヘレナの婚約、それから飛行船でロゼアリアが盗賊を撃退したこと。随分昔のことだと感じることまで、今の社交界の話題になっている。
そんな喧騒から離れられるのなら、喜んで騎士団の職務に勤しむ。
「既に決まったことだから仕方がないが、星祭りに黒翼騎士団の人員が減るのは痛手だな」
騎士団員をどこに配置させるか、カルディスが頭を悩ませている。ここは父の書斎。第六部隊隊長かつ後継者としてロゼアリアも人員配置を一緒に考えていた。
「王都の警備は増やさなければいけませんが、各領地にも騎士団は必要です。今のところ、ラウニャドールの地下侵蝕がどこまで広がっているのか分かりませんから」
「最悪、グレナディーヌ全土に広がっていることを想定して組まなければならないだろうね。それだけじゃなく、派遣された黒翼騎士団分の穴埋めもしなければ」
騎士団の約半分がマヴァロへ派遣される。その分を各騎士団が補う必要があった。
「灰色の地が消えたと思ったのに、まさかこんなことになっているとはね」
「団長、あの時カーネリア卿が手を抜いたわけでは」
「もちろん、責めているわけではないよ。ただ、想像よりずっと敵が手強かっただけだ」
自身の髪や血液を代償に土地を蘇らせたアルデバランが責められるのはいたたまれない。しかし、カルディスが愛娘の命の恩人を責めることはなかった。
「新しく情報が無いとこれ以上は決められないね。とりあえず、仮の配置にしておこう」
カルディスとの打ち合わせは一旦終了した。しばらくは忙しい日々が続きそうだ。
謁見の間を去るダリオットをジクターが呼び止めた。
「本当にあの男が我が国の管理者なのですか?」
「そうだと言っていたのだから、そうだろうな」
「父上」
そう言われて納得できるはずがない。あの不敬な魔法使いをダリオットが許したことだって、ジクターは不服だった。これでは魔塔に王家を舐められたままではないか。
「魔塔とは今一度協力関係をはっきり示すべきです。その方が民のためではありませんか?」
「ジクターよ。お主はまだ何も知らぬのだ。この三百年沈黙を保っていた魔塔が動いた。その事実だけで今は十分だ」
ダリオットは自分の知らないことを知っている。しかしそれを、相手が王太子であっても話すつもりはない。従者を引き連れて立ち去る父の背中を前に、ジクターは拳を握り締めた。
マヴァロへカカルクや騎士団を転送するまでの数日間、ロゼアリアは未だアルデバランと行動を共にすることが多かった。
「言った通り、ザジャは仕事が早いな」
管理者招集の手紙をひらひらと揺らすアルデバラン。騎士団長を交えた会議を終えたばかりで、この魔法使いは些か機嫌が悪かった。黒いローブを翻して歩くアルデバランをロゼアリアが小走りで追いかける。
会議の内容は黒翼騎士団をマヴァロへ送り届けるための具体的な手順の確認、それから。
「ラウニャドールが地下にいるかもしれないことを、あんな早々に打ち明けてよかったの?」
ザジャへ向かう飛行船の中で、アルデバランがロゼアリアに話したラウニャドールのことだった。
アルデバランが歩みを緩める。そのおかげでロゼアリアも小走りをやめた。
「魔法使い達に任せていた調査結果を見る限り、地下が侵蝕されてるのは明らかだ」
「けどさっきの言い方は良くなかったわ。それだけ聞いたら、伯父様達が焦るのは当然だもの」
先程の会議を振り返る。あの時のアルデバランの言い方はあまりにも粗末だった。グレナディーヌの地下がラウニャドールに侵蝕されている可能性があるから、騎士団の方で警備を強化しろ、としか言わないのだから。
ディートリヒをはじめとした騎士団長はその話の真偽や規模などを問い詰めたが、それに対してアルデバランは「知らない」としか返さず。
最終的にピリついた空気の中会議はお開きとなった。
「まだ俺自身が確認したわけじゃないのに、規模も何も分かるわけないだろ」
「それなら、全て確認してから話すべきじゃない」
「分かってる段階までの情報を早いうちに共有することの何が悪いんだ?」
アルデバランの言うことも分からなくはないのだが。
今日話した事情は、いよいよ来月に控えた星祭りの開催に影を射したようなものだ。場合によっては星祭りの中止も検討しなければならない。
「星祭りは毎年皆が楽しみにしてるお祭りなの。ラウニャドールの危険があるなら早めに対策は立てたいし、直前で中止、なんてことは一番避けなきゃいけないでしょ?」
そうは言っても、アルデバランに祭りを楽しむ心があるとは思っていない。案の定、アルデバランはよく分からないという表情で話を聞いていた。
どう説明するべきか。彼に伝わる言葉を探すロゼアリアを、少し離れたところから見つめる人物が一人。
「──ロゼ?」
視線を向けた先にあったのは、シルバーブロンドの髪と琥珀の瞳。かつての婚約者と、恋敵が並んで立っていた。何か言いたげな表情をしているアーレリウスの横でヘレナが露骨に顔を顰めてこちらを見ている。
アーレリウスがヘレナと婚約したことは、帰国早々に耳にしていた。それについて特に何も思わなかったし、今こうして目の前にしてもそれは変わらなかった。
「クロレンス公子様、ヘレナ様、お久しゅうございます」
「ロゼ」
「騎士団の職務がありますので、これで失礼いたします。行こ」
口を開いたアーレリウスを遮る様に、ロゼアリアは踵を返す。ロゼアリアに促されたアルデバランは、一組の男女を興味無さそうに一瞥してから先を歩く少女を追った。
「知り合いか?」
「貴族だもの。社交界で見かける人は一応は覚えてるだけ」
「ふーん」
アルデバランはそれ以上問い詰めてこなかった。根掘り葉掘り聞かれる鬱陶しさをよく分かっている彼だからこその優しさだと分かる。或いは、本当に他人の人間関係に興味が無いだけか。
ただなんとなく、アーレリウスが元婚約者だとアルデバランに知られたくなかった。
「それで、管理者で集まるのはいつ?」
「ん? ほら」
自分宛の手紙を簡単にロゼアリアに見せるアルデバラン。そんな簡単に見せていいのか、と思いつつもロゼアリアは手紙を受け取る。
「この日って、星祭りの日にちと被ってるじゃない」
「何か問題あるか?」
「もしこの時にラウニャドールが襲撃してきたら、アルデバランはいないってことでしょ?」
侵蝕の規模が分からない中、アルデバラン不在で星祭りを迎えるなど不安を覚えずにはいられなかった。
「俺がいなくとも灰色の地には行ってたんだろ? それに今回は、魔法使い達もいる。一日二日俺がいなくても十分じゃないか」
「私達も全力は尽くすけど、もし星祭りの開催中にラウニャドールが王都に出現したら大混乱は避けられない。魔塔の主である貴方がいてくれたら心強い」
ロゼアリアの言葉にアルデバランはどこか困った表情を見せる。それを見てロゼアリアも焦る。困らせたいわけではなかった。
「あ、ううん! 心強いってだけで、全部アルデバランに何とかしてほしいってわけじゃないから! 大丈夫、分かってる。各国の管理者を早く招集するためにザジャへ行ったんだもの。そっちを優先して」
「いや、ラウニャドールに関しては俺が責任を持つべきだ。管理者の会合もグレナディーヌの防衛も、天秤にかけるものじゃない」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど」
「地下の調査は俺も合流する。なるべく早く現状を解析するから待ってくれ」
「ありがとう」
無理はするな、とは言えなかった。結果的に無茶をさせているのは自分なのだから。三百年世界から身を引いていたアルデバランが、これだけ動いてくれているのだ。自分も騎士として精進しなくては。
「今日はもう戻る。ロゼも気をつけて帰れよ」
「うん」
言うなり、転移魔法でアルデバランが姿を消す。
(私も帰ろう。星祭りの警備について、お父様と話さなくちゃ)
アーレリウスに会ったことは父に話さない方が良いだろう。頬の傷を理由に婚約の解消を一方的に告げてきたアーレリウスに、カルディスは憤慨していたから。
騎士団の仕事があるのは都合が良かった。アーレリウスとヘレナの婚約、それから飛行船でロゼアリアが盗賊を撃退したこと。随分昔のことだと感じることまで、今の社交界の話題になっている。
そんな喧騒から離れられるのなら、喜んで騎士団の職務に勤しむ。
「既に決まったことだから仕方がないが、星祭りに黒翼騎士団の人員が減るのは痛手だな」
騎士団員をどこに配置させるか、カルディスが頭を悩ませている。ここは父の書斎。第六部隊隊長かつ後継者としてロゼアリアも人員配置を一緒に考えていた。
「王都の警備は増やさなければいけませんが、各領地にも騎士団は必要です。今のところ、ラウニャドールの地下侵蝕がどこまで広がっているのか分かりませんから」
「最悪、グレナディーヌ全土に広がっていることを想定して組まなければならないだろうね。それだけじゃなく、派遣された黒翼騎士団分の穴埋めもしなければ」
騎士団の約半分がマヴァロへ派遣される。その分を各騎士団が補う必要があった。
「灰色の地が消えたと思ったのに、まさかこんなことになっているとはね」
「団長、あの時カーネリア卿が手を抜いたわけでは」
「もちろん、責めているわけではないよ。ただ、想像よりずっと敵が手強かっただけだ」
自身の髪や血液を代償に土地を蘇らせたアルデバランが責められるのはいたたまれない。しかし、カルディスが愛娘の命の恩人を責めることはなかった。
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