奪ってみてよ、先輩。

七夕 真昼

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11.何もしたくない日だってあります。

11-1

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私を見下ろす先輩の目は、なんだかいつもより余裕が無さそうに見えた。

「あの……?」

どうしたんだろう?
やっぱり何も言わないで、先輩は私にキスを落とす。

「んぅ……っ、ふぁ、あ」

あれ? なんか、

「はぁ、んっ、」

なんか、今日の激し……

「んん、ぁ」

深いキスが、何度も何度も落とされる。上手く息ができなくて苦しいのに、激しくて。
絡む舌が熱くて、どっちのものか分からなくなりそうで、溶けちゃうんじゃないかって思った。

涙で滲む視界を上に上げれば、劣情に濡れた瞳に捕まる。

「……ぁ」
服の下に入ってきた手が、私の肌の上を滑る。さっきのキスのせいで頭がぼんやりして、上手く考えられない。
だからなのか、甘い刺激がいつもより鮮明な気がして。

弱い部分を撫でられる度に、身体がビクッと跳ねる。
だめだ、今日、なんかおかしい……。

「あぅ……あっ、あぁ」

私の上を這う舌が熱い。だめ、また溶けそうになる。

「ひゃんっ!?」

太ももの内側を指先で押すようにしながらなぞられる。そのまま指が上がってきて、それと同時に私の中で何か熱いものも込み上げてきて。

「せんぱい、だめぇ……っ」

痺れるような快感にくらくらする。

ちゅうっという音と共に、胸元に昼間と同じような小さな痛みが走る。

身体の中から溢れた熱が、先輩の指と絡んでいやらしい水音に変わる。

絶え間なく与えられる快楽に、私の身体が大きく震えた。
「足開いて」

乱れた呼吸を整える間も無く。言われるがまま、少し両足の位置をずらすとその間に身体を割り込ませてくる。
先輩の身体が、その重さが私にのしかかる。同時に、先輩の熱が私の中に押し入ってきて。

「あああっ!?」

思わず上がった腰の下に先輩の腕が入り、引き寄せられる。そのせいで容赦なく一番深いところまで熱を当てられて。

はじめは、あんなに痛かったのに。

「せんぱい、あずきせんぱい……」
「んな声で呼ぶな。止まんなくなる」



擦れる感覚も、規則的に当たる感覚も、



全部、全部、



今は気持ちがいい。
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