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14.今年もそろそろ終わる頃です。

14-4

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「姉さま、今日は一緒に起きてましょうね!  絶対よ?」

どうやら私と一緒に年を越したいらしい義妹は、ことある事にそう念を押してくる。

「分かってるって。起きてるから。」

むしろ茉白の方が寝ちゃうんじゃないの?
とはいえ、家族皆で年越し、とかだったら私は遠慮なく寝かせてもらうけど。私抜きでどうぞ。

私を「姉さま」と慕う茉白を可愛いとは思う。けどそれは茉白がまったくの他人であっても同じだろう。
妹として可愛いんじゃなくて、庇護の対象としての愛しさ。愛しいなら愛してるかと言われれば、違う。

困っていれば助けなきゃ、とは思う。危ない目に遭ってたら守らなきゃ、とは思う。でも妹としては愛せない。家族として見れない。私の家族は、今も昔もお母さんただ1人だけだった。

ごめんね、茉白。私は貴女のお姉ちゃんにはなれない。お姉ちゃんとして貴女を愛してあげられない。
だから、貴女が境界線の内側へ踏み込んで来ることがあればその時は、私は容赦なく貴女を拒絶するよ。
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