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どんな世界にも救いはある
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ストロベリーブロンドのゆるふわ髪に、キラキラ輝くはちみつ色の瞳。そう!
剣と魔法のワンダーランドに転生した、チートでおちゃめな魔女っ子お嬢様(笑)
それが私、男爵令嬢のエリス・ワンダー。きゃはっ。
チート魔法で無双して、みんなが手こずる魔物もバッタバッタと薙ぎ倒し!
知識チートで数多の便利アイテムを開発し、ガッポガッポの大儲け!
その名を知らぬ者など、この世にいない程の地位と名声を――
って、そんなもんいるかっ!!
ちょーだるいし。
だるければ、だるいほど、だーるだるだる、ダルメシアン(わんこは可愛い)。
まあ、とにかく。そんな疲れそうな生活は断固拒否る。
そこらの厨二病さんにでも、熨斗をつけて秒でお渡ししたい。マジで。
男爵家の養女という複雑な立場で周りの注目がエグイ上に、価値観の合わない人々に囲まれた生活。一人で趣味に没頭する時間も与えらえず、超絶ストレス!
ペットでも飼って癒されたい…… されど、毛のある生き物は衣服に毛がつくし、獣の臭いも移って不衛生だと却下された。くすんっ。
このままじゃ、胃潰瘍にでもなっちゃいそう。
せめて美味しい食事で心を満たされたいと、色んなメニューにチャレンジしてみたけど、味付け以前に肉は硬いし、魚は臭いし、野菜はあくが強い。これが標準?
どうして品種改良しないの!?
もう、こうなったら不健康でもいいっ!
ぽっちゃり体型だって、どーんとこいっ! 後悔したって構わないっ!
揚げ菓子、焼き菓子、練り菓子、水菓子……は果物か。ゼリーっぽいのやアメ。
街のお店で目に付いたお菓子を手当たり次第に買い漁ってやったぜぃ。イェーイ。
コツコツ貯めたヘソクリが秒で消えたが、悔いはない!
では、早速。いっただっきまーす!!!
ぱくり、もぐもぐ……
もぐも…… ぐも……???
ぐはっ! ま、まっずい、だと!?
あっ、たまたまハズレだったのかも!
そ、そうだよね。お店の手作りなんだから、そりゃあ、当たりハズレもあるよね。やだなぁ、ちょっと焦っちゃったよ。砂糖、卵、乳製品不使用にしたって、普通はここまで酷い味にはならないもんね。あー、ビックリした。
きっと、こっちのお菓子なら…… ぱくり、もぐも、ぐふっ―― まずっ!?
えっ、え、あれ、もしかして…… 間違えてペットフードを買っちゃった?
もう私ったら、おっちょこちょいなんだから~。てへぺろ。
――って、そんな訳あるかいっ!
でも、好奇心に負けて味見したペット用のおやつ。あれより更にパッサパサで粉感の残る薄味って、素材の味そのまま過ぎん? みんな凄い料理下手だとか?
あははははは。もしかして罰ゲームかドッキリ? それとも何かの嫌がらせ?
この焼き菓子なんて、行列してたお店だから期待して買ったのに、どういう事?
家に着くまで待ちきれず、広場のベンチで食べ始めちゃったくらい楽しみにしてたのに、泣いていい? いや、この年で外で泣くのは、さすがに恥ずかしい。
うん、何だい? ちびっ子たちよ、いつの間に集まったんだい。おやおや、そんな羨ましそうな顔でこちらを見て、本当にコレが欲しいのかい? そうか、そうか。それなら皆で分け合うとよい。なに、案ずることはない。見返りを請求するような事せぬ、安心して食すがよい。その代わり、苦情は受け付けぬぞ!
ふははははぁーっ。どうだ、キラキラした目もスーンと色を失いそうな不味―― えっ、おいしい? 気を遣って無理をすることは…… ほ、本当においしいって?
へ、へぇー、そうか。それは良かった。いやいや、礼など不要ですよ。本当に、お気になさらず。むしろ、食料を無駄にせずに済んだし、こちらこそ、ありがとう。
はぁ~…… 悪の親玉の気分を味わいつつ、鬱憤を晴らそうとしてゴメンよ。
ちびっ子たちに、それだけ純粋に喜んでもらえたら、悔いはないよ。うん。
二十円のチョコでさえ、めちゃうまだった世界の記憶が、懐かしくも恨めしい。
あの美味しささえ知らなければ、きっとこの子たちみたいに満足できたのに……。
お菓子が不味い理由は調味料が高級嗜好品だからだって、すぐに判明したけど……理解不能。だって、あっちでは調味料なんて百円均一でも売ってた物じゃん!?
魔法があるんだから、それくらいは文明発展してて然るべきじゃないの?
誰でも買えたのに…… あ、そうだよ! ここはファンタジー世界なんだから。
買えぬなら、作ってしまえ、ホトトギス(?)
あれ、元ネタって何だっけ? 泣かせて、いや、待つ、飛ばすんだっけ??
まぁ、いいか~っ! 独りで楽しく、レッツ・クッキング~。
①材料を用意する。②適当な容器に入れる。③完成品を想像して魔力を注入。
あら不思議、あっと言う間にでっきあがり~! ヒューヒュー、パフパフ~!
…………いや、うん。できちゃったね。
軽い気持ちで冗談半分にやってみただけなのに。しかも、レシピなんて覚えてないから、材料だって適当だったのに……。何で完成したのか原理が微塵も分からぬ。はははははっ。もう、自分で自分の才能にびっくり~。本当、ナニコレ?
定番の塩コショウをはじめ、砂糖にしょう油、ソースにケチャップ、マヨネーズ。味噌にカレー粉まで出来ちゃうんだから、自家製で何でもござれ~…… って!
だ・か・ら~、チートは封印しなくちゃダメじゃん。しっかりしろ自分!
オリジナル調味料コレクションボックスの完成! 小瓶に詰めて木箱に並べれば、彩がキレイでうっとり~…… なんて、はしゃいでる場合じゃないでしょう!?
いつ誰が部屋に入って来るか分からないのに、もし見つかったら――
あ、やばっ…… 待って待って、今のなし! すとっぷ、ストーップ!!
って、やっぱりダメかぁ…… あーぁ、脳内スライドショーが始まっちゃった。
私が人生の岐路にいると自動で発動する『未来視』の魔法は、第三者視点で未来を実写映像で見せてくれるんだけど…… あまり見たくはない。
まぁ、脳内映像だから目を瞑っても見えるし、見る以外の選択肢はないんだけど。
えーっと、監視役のメイドにチクられ、あくどい顔の男爵たちに囲まれる私―― あらら、隠匿は失敗か。それで、神殿で能力を徹底的に調べ…… って、人体実験レベルだし、悪意ない? 従属魔法を首に刻まれ、連行されたのは仰々しい魔方陣が描かれた地下って、どう考えても監禁用の独房だよね。リスト通りに大量生産に明け暮れる日々。リストは増え続けて徹夜でも終わらない量ですし、鬼ですか? うわぁ、目の下のクマがヤバイし、やつれ方が半端ないな……あっ、ぶっ倒れた。
暗くなってフェードアウトって事は、これで終わりかぁ。
うん、これはもう…… アレだよね。ブラック企業を軽く超えて、もはやダーク。
ひぃ~~~っ、怖すぎるぅぅぅ!
未来視が今までに発動したのは数回だけど、視えたのは私の悲惨な末路ばかり。
しかも、チートがバレたら100%間違いなく碌な目に遭わない。
そこは幸せあふれる明るい未来を教えてくださいよ! 未来視さん!!
そんなこんなだから、私の凡人のフリは年中無休。
悪目立ちする能力チートより、とことん強運に恵まれるチートの方がよかったな。
あるか知らんけど。
もうこうなったら、何でもいいから癒されたい…… イジイジ……。
そう切実に願いながら腐りかけていた私を、神様は見捨てはしなかった。
ありがとうございます! バンザーイ!
小雨の降る街の片隅で、私は運命的に出会った。出会えたのですよ。
ずっと、ずーっと望んでいた、私の心のオアシスとなるモノに!
ダンボールの山の中で、雨に濡れた少し硬そうなダークグレイに黒の混じる毛。
寂し気に光る金の瞳がこちらを向き、目が合った瞬間、その瞳に捕らわれた。
これが世に言う、一目惚れっ!?
それからの私は自分でも驚くほどの行動力だった。
強引に彼を家に連れ帰り、有無を言わさぬ勢いで彼を家に置く了承を得た。
その日から、私の生活に『ダニエル』という心の癒しが加わった。
一緒に庭を散歩したり、街にお出掛けしたり。何もしなくても、ただのんびり部屋で一緒に過ごせるだけでも、嬉しくて、楽しくて、気分が上がってご満悦ですよ。
ダニエルを見ているだけでストレスは緩和され、世界は優しい輝きに満ちていく。ずっと欠けていた心の充足感。ただそばに居てくれるだけで、ちょー幸せっ!
はぁ~、可愛いぃぃぃーーーっ! 好きっ!!
剣と魔法のワンダーランドに転生した、チートでおちゃめな魔女っ子お嬢様(笑)
それが私、男爵令嬢のエリス・ワンダー。きゃはっ。
チート魔法で無双して、みんなが手こずる魔物もバッタバッタと薙ぎ倒し!
知識チートで数多の便利アイテムを開発し、ガッポガッポの大儲け!
その名を知らぬ者など、この世にいない程の地位と名声を――
って、そんなもんいるかっ!!
ちょーだるいし。
だるければ、だるいほど、だーるだるだる、ダルメシアン(わんこは可愛い)。
まあ、とにかく。そんな疲れそうな生活は断固拒否る。
そこらの厨二病さんにでも、熨斗をつけて秒でお渡ししたい。マジで。
男爵家の養女という複雑な立場で周りの注目がエグイ上に、価値観の合わない人々に囲まれた生活。一人で趣味に没頭する時間も与えらえず、超絶ストレス!
ペットでも飼って癒されたい…… されど、毛のある生き物は衣服に毛がつくし、獣の臭いも移って不衛生だと却下された。くすんっ。
このままじゃ、胃潰瘍にでもなっちゃいそう。
せめて美味しい食事で心を満たされたいと、色んなメニューにチャレンジしてみたけど、味付け以前に肉は硬いし、魚は臭いし、野菜はあくが強い。これが標準?
どうして品種改良しないの!?
もう、こうなったら不健康でもいいっ!
ぽっちゃり体型だって、どーんとこいっ! 後悔したって構わないっ!
揚げ菓子、焼き菓子、練り菓子、水菓子……は果物か。ゼリーっぽいのやアメ。
街のお店で目に付いたお菓子を手当たり次第に買い漁ってやったぜぃ。イェーイ。
コツコツ貯めたヘソクリが秒で消えたが、悔いはない!
では、早速。いっただっきまーす!!!
ぱくり、もぐもぐ……
もぐも…… ぐも……???
ぐはっ! ま、まっずい、だと!?
あっ、たまたまハズレだったのかも!
そ、そうだよね。お店の手作りなんだから、そりゃあ、当たりハズレもあるよね。やだなぁ、ちょっと焦っちゃったよ。砂糖、卵、乳製品不使用にしたって、普通はここまで酷い味にはならないもんね。あー、ビックリした。
きっと、こっちのお菓子なら…… ぱくり、もぐも、ぐふっ―― まずっ!?
えっ、え、あれ、もしかして…… 間違えてペットフードを買っちゃった?
もう私ったら、おっちょこちょいなんだから~。てへぺろ。
――って、そんな訳あるかいっ!
でも、好奇心に負けて味見したペット用のおやつ。あれより更にパッサパサで粉感の残る薄味って、素材の味そのまま過ぎん? みんな凄い料理下手だとか?
あははははは。もしかして罰ゲームかドッキリ? それとも何かの嫌がらせ?
この焼き菓子なんて、行列してたお店だから期待して買ったのに、どういう事?
家に着くまで待ちきれず、広場のベンチで食べ始めちゃったくらい楽しみにしてたのに、泣いていい? いや、この年で外で泣くのは、さすがに恥ずかしい。
うん、何だい? ちびっ子たちよ、いつの間に集まったんだい。おやおや、そんな羨ましそうな顔でこちらを見て、本当にコレが欲しいのかい? そうか、そうか。それなら皆で分け合うとよい。なに、案ずることはない。見返りを請求するような事せぬ、安心して食すがよい。その代わり、苦情は受け付けぬぞ!
ふははははぁーっ。どうだ、キラキラした目もスーンと色を失いそうな不味―― えっ、おいしい? 気を遣って無理をすることは…… ほ、本当においしいって?
へ、へぇー、そうか。それは良かった。いやいや、礼など不要ですよ。本当に、お気になさらず。むしろ、食料を無駄にせずに済んだし、こちらこそ、ありがとう。
はぁ~…… 悪の親玉の気分を味わいつつ、鬱憤を晴らそうとしてゴメンよ。
ちびっ子たちに、それだけ純粋に喜んでもらえたら、悔いはないよ。うん。
二十円のチョコでさえ、めちゃうまだった世界の記憶が、懐かしくも恨めしい。
あの美味しささえ知らなければ、きっとこの子たちみたいに満足できたのに……。
お菓子が不味い理由は調味料が高級嗜好品だからだって、すぐに判明したけど……理解不能。だって、あっちでは調味料なんて百円均一でも売ってた物じゃん!?
魔法があるんだから、それくらいは文明発展してて然るべきじゃないの?
誰でも買えたのに…… あ、そうだよ! ここはファンタジー世界なんだから。
買えぬなら、作ってしまえ、ホトトギス(?)
あれ、元ネタって何だっけ? 泣かせて、いや、待つ、飛ばすんだっけ??
まぁ、いいか~っ! 独りで楽しく、レッツ・クッキング~。
①材料を用意する。②適当な容器に入れる。③完成品を想像して魔力を注入。
あら不思議、あっと言う間にでっきあがり~! ヒューヒュー、パフパフ~!
…………いや、うん。できちゃったね。
軽い気持ちで冗談半分にやってみただけなのに。しかも、レシピなんて覚えてないから、材料だって適当だったのに……。何で完成したのか原理が微塵も分からぬ。はははははっ。もう、自分で自分の才能にびっくり~。本当、ナニコレ?
定番の塩コショウをはじめ、砂糖にしょう油、ソースにケチャップ、マヨネーズ。味噌にカレー粉まで出来ちゃうんだから、自家製で何でもござれ~…… って!
だ・か・ら~、チートは封印しなくちゃダメじゃん。しっかりしろ自分!
オリジナル調味料コレクションボックスの完成! 小瓶に詰めて木箱に並べれば、彩がキレイでうっとり~…… なんて、はしゃいでる場合じゃないでしょう!?
いつ誰が部屋に入って来るか分からないのに、もし見つかったら――
あ、やばっ…… 待って待って、今のなし! すとっぷ、ストーップ!!
って、やっぱりダメかぁ…… あーぁ、脳内スライドショーが始まっちゃった。
私が人生の岐路にいると自動で発動する『未来視』の魔法は、第三者視点で未来を実写映像で見せてくれるんだけど…… あまり見たくはない。
まぁ、脳内映像だから目を瞑っても見えるし、見る以外の選択肢はないんだけど。
えーっと、監視役のメイドにチクられ、あくどい顔の男爵たちに囲まれる私―― あらら、隠匿は失敗か。それで、神殿で能力を徹底的に調べ…… って、人体実験レベルだし、悪意ない? 従属魔法を首に刻まれ、連行されたのは仰々しい魔方陣が描かれた地下って、どう考えても監禁用の独房だよね。リスト通りに大量生産に明け暮れる日々。リストは増え続けて徹夜でも終わらない量ですし、鬼ですか? うわぁ、目の下のクマがヤバイし、やつれ方が半端ないな……あっ、ぶっ倒れた。
暗くなってフェードアウトって事は、これで終わりかぁ。
うん、これはもう…… アレだよね。ブラック企業を軽く超えて、もはやダーク。
ひぃ~~~っ、怖すぎるぅぅぅ!
未来視が今までに発動したのは数回だけど、視えたのは私の悲惨な末路ばかり。
しかも、チートがバレたら100%間違いなく碌な目に遭わない。
そこは幸せあふれる明るい未来を教えてくださいよ! 未来視さん!!
そんなこんなだから、私の凡人のフリは年中無休。
悪目立ちする能力チートより、とことん強運に恵まれるチートの方がよかったな。
あるか知らんけど。
もうこうなったら、何でもいいから癒されたい…… イジイジ……。
そう切実に願いながら腐りかけていた私を、神様は見捨てはしなかった。
ありがとうございます! バンザーイ!
小雨の降る街の片隅で、私は運命的に出会った。出会えたのですよ。
ずっと、ずーっと望んでいた、私の心のオアシスとなるモノに!
ダンボールの山の中で、雨に濡れた少し硬そうなダークグレイに黒の混じる毛。
寂し気に光る金の瞳がこちらを向き、目が合った瞬間、その瞳に捕らわれた。
これが世に言う、一目惚れっ!?
それからの私は自分でも驚くほどの行動力だった。
強引に彼を家に連れ帰り、有無を言わさぬ勢いで彼を家に置く了承を得た。
その日から、私の生活に『ダニエル』という心の癒しが加わった。
一緒に庭を散歩したり、街にお出掛けしたり。何もしなくても、ただのんびり部屋で一緒に過ごせるだけでも、嬉しくて、楽しくて、気分が上がってご満悦ですよ。
ダニエルを見ているだけでストレスは緩和され、世界は優しい輝きに満ちていく。ずっと欠けていた心の充足感。ただそばに居てくれるだけで、ちょー幸せっ!
はぁ~、可愛いぃぃぃーーーっ! 好きっ!!
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