絶対記憶~彼は今日も知識欲を満たす

高戸

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4話

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 ライト先輩に忠告された後寮に戻って少し一桁シングルナンバーの事を考えていたが恐らく考えても分からないので直ぐに寝ることにした。


 入学して2週間ほど経ったが、今日はステータスの測定をするらしい。

 いまだに一桁シングルナンバーには絡まれたりしていない。

 ステータスはこの世界の人間なら誰でも持っていて念じれば自分のステータスを見ることが出来る。

 だが口頭ではステータスを誤魔化せるため専用の水晶を使って測定した物を記録する。

 本来ならばテストの次の日に行われるらしいが水晶がクラス分無かったので日替わりでクラスを回しているらしい。

 測定は水晶に手をかざすだけで出来るらしいので1人ずつ教壇に近づいて行う。

 順番は順位の高い者からなので俺が最初だ。

 教壇に近づき手をかざす。

Lv.40

魔力 1500
腕力 1330
脚力 1480
耐久 1450

適正 炎 風

スキル【魔力察知】【無詠唱】

俺のステータスはこんなところだな。

「アール君は全ステータスが千を超えているのですか凄いですねこの学校の1位が最高ステータス八千を超えたらしいですからこれからも頑張るように」

 先生が俺のステータスが標準だと分かりやすく説明してくれた。

 けど八千は化け物だな。

 ちなみに11位はサラなので次はサラの番だ

Lv.52

魔力 3551
腕力 2276
脚力 2349
耐久 2350

適正 火 風 土 光 

スキル 【魔力察知】【無詠唱】

加護 【賢者の加護】【覇王の加護】【魔王の加護】【神の手前の加護】

「え!?サラさん凄いですねその歳で加護が4つも付いている。この学校にも加護が付いている人は何人かいますが最高が6つですからかなり凄いですよ!それに無詠唱は教師でも校長と教頭しか持っていませんからね…ステータスもかなり異常です。」

 先生がサラのステータスを見て驚いている、この加護の数でそこまで驚く事じゃ無いだろうに。

 少しオーバーな先生だな。

 まぁ【魔王の加護】が付いてるから退学なんて言うような学校ではないから『サラのステータスは本物』を出したが少し目立ちそうだな。

 まあそれでもサラに危害を加える奴は俺が全力を出すだけだし問題はあまりないだろう。

 先生がクラス50人分のステータスをメモしている内に午前中の授業が終わったので俺とサラは最近見つけた人のいない場所で2人でお弁当を食べるために移動していた。

「はぁ、はぁ、い、一緒にお昼いかがですか?」

 そこに全力疾走して来た彼女は確か生徒会長のシエラだったか?この学校、世界では珍しい黒色の髪の毛だったのでよく覚えている。

「えっと生徒会長さんですよね、私とアル君になぜお誘いを?」

「えっとですね、それも一緒に話すのでとりあえず生徒会室に行きませんか?」

 サラが俺に行くかと問いかけるようにこちらに顔を向ける。頷いてから

「分かりました、俺はいいですよ」

 サラ1人で行かせるわけにもいかないしこの生徒会長が何を考えて話しかけて来たのか気になるからな。


 生徒会室には男子2人に女子3人の合計5人の生徒が居たこの学校は15才からの7年通うことが出来るため5人とも20代のようだ。生徒会長は7年生しか成れないはずなのでシエラ先輩は22才だろう。

 大きめの机に椅子が12個程置かれている部屋だ。

 かなり片付いているからイメージした生徒会室とは少し違うがこの学校の生徒会室は此処らしい。




 少しして全員が弁当を食べ終わったので気に成っていることを聞くことにした。

「シエラ先輩、そろそろ俺達を連れて来た理由を教えて貰えますか?」

「はい、お2人には生徒会に入っていただきたいのです」

「理由を聞いても?」

「えっと生徒会には新入生2人を加入させなければいけないのですが、まだその二枠を埋める生徒が決まっていませんので新入生の中で最高順位のお2人なら簡単には退学しないだろうと思いお誘いしました」

 なるほど、新入生で最高順位だから俺たちが呼ばれたのか。

 その後シエラ先輩が生徒会の仕事などの説明を受けた。

 生徒会はクラスマッチや文化祭の開催などを主な活動として研究室の費用の分配などをしているらしい。

 研究室は部活のようなものだがスポーツをするわけではなく、色々な魔法を系統別に研究しているみたいだ。

「サラどうしたい?」

「うーんアル君が入るなら私も入るよ」

 サラは紅色の髪を耳にかけながら言った、この仕草は良好的な時の仕草だ、入ってもいいと考えているみたいだな。

「分かりました、生徒会に入らせてもらいます」

「もっとよく考えた方が身のためだぞ」
 生徒会の男の人の声だった。

「えっと、なぜ?」

「僕の名前はクライだよろしく、会長はスキルに【メンタリスト】なんて物を持ってる変人だから気を付けた方が良いということだ」

「ちょっとクラ君変なこと言わないでよ」

「事実でしょうが、あとクラ君って呼ばないでください僕の名前はクライです」

 【メンタリスト】か、まあ実際どんなスキルか解らないし名前からして操るというより考えを誘導できる位の能力っぽいしな。

 それに俺は精神干渉の魔法やスキルは効かない。

「クライ先輩ありがとうございます、でも男に二言は無いってことで入らせて貰いますよ」

「そうか、それならばこれからよろしく頼む」

「はい、よろしくお願いします」

 ってことで生徒会に入った。生徒会メンバーは俺とサラを抜いて7人ほどいるらしい。

 でも今いるのは会長のシエラ先輩に副会長のクライ先輩、それに加えて女性の1人が2人目の副会長で後の三人は書記らしい。

 生徒会の最後に1人は研究室代表でたまにしか生徒会室には居ないらしい。

 俺たちは新入生代表で2人とも書記になるので書記は全員で5人になるが生徒が5000人いる学校なのだからこれ位の人数になるのはしょうがないだろう。

 俺たちの仕事は当面雑用や書類の整理になるだろうから放課後と昼休みは生徒会室に一度は顔を出せと言われた処で、午後の授業がもうすぐ始まることに気が付いたクライ先輩から解散の声がかかった。




 俺とサラは午後の授業を終えて生徒会室に顔を出しにきた。

「会長、アール君が来ましたよ」

「お、じゃあ全員揃ったし今年の研究室費用会議を始めます!!」

 そこには昼見た机とは違う四角形のドーナツみたいな形をした机に20人ほどが着席していた。

 クライ先輩が俺とサラを手招きしていたので生徒会メンバー6人が座っていた近くでクリフ先輩の隣が二席空いていたのでそこに俺とサラが座った。

 研究室費用の分配の方法は人数、実績、それに加えて去年の研究室対抗魔法競技大会の順位にもよるらしい。

 実績は簡単に言うと新しい魔法の開発やスキルの発生条件の解明などがあるが一桁シングルナンバーが在籍している研究室は更に多くの費用が分配されるらしい。

 会議はどんどん熱のこもった言い合いに発展していきいつ殴り合いが始まるかってほどに白熱した言い合いだった。

 まあ殴り合いなんて初めても費用が減る可能性が上がるだけなので誰もやらないけど。

 今回俺とサラは見学だけだったが書記の人達はかなり忙しくメモしていたので俺はやりたくないなと願うばかりだ。

 結局会議は2時間ほど続いて幕を閉じた、この会議は年に一回しか行わないらしいので一安心だ。

「それじゃあ~みんな~今日は解散ね、明日はクラスマッチの話し合いするから予定入れないように」

「「「は~い」」」

 声がだるそうだな、あの会議の後じゃしょうがないな。

 この世界の学校の入学は1月だから4月のクラスマッチまであと3ヶ月ほどだ、まだ時間ありそうだけどもう決めるのか?。

 まあ早くから計画を練った方が何かと都合が良いのだろう。

 次の日の話し合いは生徒会メンバー7人が全員揃っていた7人目の人は昨日の会議にも居たが誰も教えてくれなかったので気づかなかっただけみたいだ。

 そして会議が始まった…
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