絶対記憶~彼は今日も知識欲を満たす

高戸

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12話

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 2日目の朝、事件は起こった。

 生徒会で特別会議が開かれた事で大体の事情は把握できた。
 棄権するクラスが続出したのだ、全体の4分の一のクラスが病気などが原因で棄権したみたいだ。幸いその中に俺の知り合いのクラスは入って無かったが…気分の良い物ではない。

「皆さんどう思いますか?今はまだクラスマッチを行える人数は残っています、ですが」

「このまま3日目4日目と棄権クラスが出ないとは限らないって事だね」

「クラ君の言う通りです、以降も病人や怪我人が出るようなら中止しかないですね」

「これは単に事故なんですか?それとも誰かが故意に行った事なんですか?」
 サラが少し怯えながら全員に聞いてみたが、誰もが明らかに暗い顔になった。

 これが事故って可能性は低いだろうな、サラには聞かせたくないけどこれは誰かの故意…だろうな。

「サラ、これは誰かの故意だよ」
 クライ先輩、言いにくい事でも言ってくれる当たり本当に恩に着ます。

「そっか…」

「何かいい方法は無い物かなしらね」

 全員が黙り込んでしまう、確かにこのままじゃまずい気がする、サラに危害が及ばないとも限らないわけだし。
 うん、【魔法完全解析】で棄権した生徒を見ることが出来れば何か解るか?

「取り敢えずこうしていてもいい案は出ないと思うし、先にこれを配っておくわ」

 これは倒れた生徒の名簿か?

「これは倒れた生徒の名簿よ、横にクラスと順位も書いておいたから」

「会長が書いたんじゃ無いでしょ?」

「クラ君のいじわる~」

「全く、これは書記のクリアさんが書いてくれた物なんだ」

「凄いですね、こんな短時間で」

 まだ棄権クラスが出てから2時間も経ってないのにホント凄い。

「こ、これは私のスキルで書いたものですから」

「スキルですか、」

「はい、【書記】というスキルです。

 また天職だなおい。【メイド】に近いスキルなのかな?。


 狙われてるのは強すぎず弱過ぎずって順位の人ばっかりだ。

「あのー今更なんですけど、ポーションや回復魔法じゃ治らないんですか?」

 確かにサラの疑問も尤もだな、だがポーションで回復する程度ならこんな会議にはならないだろう。

「それが両方ダメみたいなの、原因不明だわ」

 ポーションと回復魔法が効かないってスキルの効果時間中って事じゃ無いのか、1日の間毒を投与し続けるとか…
 今は病気よりも早く犯人を見つた方が得策だな。

『【魔力察知】と【分析】を同時発動して此処から半径50km県内で該当する人物を特定します』

 50kmも行けるのか、自分の事だけど知らんかった。

『該当する人物を1名発見しました。名前はアランです』

 誰だ?コイツは。

「会長、アランって人知ってますか?」

「ええ、知っています…けど」

 会長がクライ先輩の方に一瞬だけ目線を送ったように見えた。

「アール君、アランがどうかしたのか?」

 ここは早く事件を解決した方が良いし、隠す意味も無い。

「恐らくですがこの事件の首謀者です」

「何だと、本気で言っているのか!?」

 クライ先輩が尋常じゃ無く怒ってる、でもなんで、

「アル君、アラン君はクラ君の親友なのよ」

 なるほど、だがそんな人がどうして、いや出来ると言うだけで犯人とは限らないか。

「取り敢えずどこに居るか聞いてもいいですか」

「僕が案内しよう、だがもしも犯人では無かったらアランに謝って貰うからな?」

「はい、約束します」




 その後俺、会長、クライ先輩、サラの四人でアラン先輩がいると言う寮までやって来た。

 コンコン

「アラン居るか、クライだ入ってもいいかな?」

 クライ先輩のノックの後すぐに中から声が聞こえた。

「どうぞ」

「失礼します」

「えっと会長?それにその2人は?」

「すまないアラン、彼が君に用が有るみたいなんだ」

「そうなのかい、えっとどんな用事かい?」

 【分析】発動。

名前 クラシュ・バン (アラン)

レベル 115(41)
HP 4250+5000
MP 4820+5000
攻撃 4633+5000(1390)
防御 4560+5000(1420)
敏捷 4210+5000(1410)
魔力 5010+5000(1420)

適性 火 土 闇+水風雷

スキル 【催眠】【偽装】【隠密】【視線誘導】【瞬歩】+【魔獣化】

加護 【----の加護】

 なるほどスキル【偽装】かこれでアラン先輩に成りすましているのか。
 それよりなんだあのステータス下手すれば此処に居る俺以外を全員殺せるぞ、スキルを見ると戦闘系じゃなさそうだが加護がぶっ壊れ性能だしこの加護【分析】で読めないってどういう事だよ!?

 60%だ

『かしこまりました【自能力の制限】を40%まで効力を落とします、加えてスキル、異能力、加護の制限をすべて解除します』

 だがどうする、このまま此処で戦闘が始まると皆を巻き込む。

「あの、そろそろどういったご用件なのか説明してもらっても構わないでしょうか?」

「えっと、」

 どうする、サラは絶対に巻き込めないコイツの能力なら此処に居る俺以外の全員を殺すことが出来る、だが絶対にそれはさせる訳にはいかない。
 どうする。
 どうする。






「はぁーー、もういい考えるのは止めよう」

 面倒だコイツを排除すればいいんだ簡単だ。全員守る?簡単だやってやるさ。

「どうかされたのですが?」

「いやなに、あんたの正体は解った」

「は?」

「クラッシュ・バン、さっさと逃げる事をお勧めする」

「なぜ、キサマどうしてその名前を!?」

「どうします?逃げます、戦います?」

 これで逃げる事を選択してくれると有りがたいのだが。

「アハハハ、いいだろう人間ワレの正体を暴いたことを褒めて此処での戦いは止めて置いてヤロウ」

 クラッシュの身体にどんどん毛と角が生えていく肌の色も黒がかった灰色に変わっていく。
 この特徴は完全に魔族のそれだ。

「一体なんだ!?」

「アル君、これは」

「彼は魔族だったって事だよ」

「安心しろ人間、私が成り代わっていた少年は生きてこの学校の中にいる、フハハハハハ」

 そのまま尋常じゃない速度でその魔族は逃げていった。


 その後直ぐにこの寮のトイレに閉じ込められていた本物のアラン先輩が見つかった。
 トイレってあいつはサル顔の泥棒か!?

 クライ先輩は俺に謝りまくってお礼言いまくっての連続だったけどそれはいい。

 問題は4分の1の生徒の病状が治らない事、この後俺が倒れた生徒を見てみたが催眠状態になっていたこれがポーションも回復魔法も使えない理由みたいだ。
 調べてみた結果このスキルは1週間で自動的に切れるようだ。

 この事を会長に伝えると魔族という懸念材料は残るがクラスマッチを続けるという結論になった。
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