絶対記憶~彼は今日も知識欲を満たす

高戸

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13話

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魔族が発見されたことは生徒会と学校の一部の教師にしか伝えられず警備を厳重にするといった形で落ち着いた。
 クラスが4分の1も欠席してしまったが、2日目3日目と順調にクラスマッチが行われていった。

 そして今日はクラスマッチ4日目、最終日だ。

 今日の予定ではゾンビ以外の競技は8クラスずつ残っているのでこのトーナメントを全て1日で終わらせる。

 俺が今日最初に出場する競技はゾンビだ、現在の最高記録は制限時間残り6分でゾンビを全滅させた一桁シングルナンバーの1人が唯一のパーフェクトで最高記録だ、これは歴代でも2位の記録らしい。
 俺がこの記録を超えるには制限時間を6分以上残してゾンビを全滅させなければならない。


「アンデットポイント開始!!」

 ゾンビの数は500体以上、タイプは4種類で5ポイントの雑魚が200体10ポイントの遠距離魔法攻撃型が200体ボスみたいなデカイデブが20ポイントで99体最後にドラゴンゾンビが1体で320ポイント。点数の最大は1000ポイントだ。

 俺たちの人数は3人、敵は500体。これは範囲魔法で一気に決めるしかないわけだ、俺、マナ、リム、この三人で火力は俺でマナがドラゴンとボスが近づいて来たら知らせる役、リムは中距離で俺の支援だ。
 リムを含めた殆どの者の魔法は最初は威力も低く連射もできなかったが、魔法の無駄を少しづつ改善していき今ではこのクラスの殆どの者がこの学校の100位以内と同じ戦力を有している。

 俺が使う魔法は『爆炎球ばくえんきゅう』

 俺が開発した魔法で4歳の時に開発した『ボム』の強化版だ、俺の目視出来る範囲の物を爆発させ燃やし尽くす。どれ位を爆発させるかは調整できるが最大で半径30mが吹っ飛ぶ。
 今回は半径20mを爆発させてゾンビを一掃する。

ドッカーン!!!

 これで過半数のゾンビは粉々になった。勿論クレーター何かはできてはいない。爆発させる以外にも方法はあったのだが【魔法魔素化】で全ゾンビを消し去るとか雷を落とすとか水流で溺れさせるとか、だが【魔法魔素化】は射程が圧倒的に足りないしMPの消費が多い、雷はバタフライ効果が怖いしって事で爆発させた。

 爆発によって倒した敵の数は約200体、ボスとドラゴンは殆ど残っている。

「すごい…」

 マナがなんか言った気がしたが今はゾンビだ、残りは約300体、殆どが強いゾンビで5ポイントの雑魚は殆どが爆発した。

 次に使う魔法は、範囲が爆炎球程ではないが周りのゾンビと巻き込んで倒せる魔法を使わなければならないが、これの方が範囲魔法より簡単に倒せるだろう。

 『制限召喚』これは魔法適正・召喚、が必要だが【魔法適正の無意味化】のLレジェンドスキルを使う事で使用出来る。これは自分の持つ魔法適正(俺は炎水風土雷)、以外の魔法適正も使用できるようになるスキルだ。このスキルは毎秒MPを消費するため持続時間はけして長くないが魔法を発動するタイミングだけ発動させて魔法が終わったときに解除すればさほどMPは消費しない。

 『制限召喚』は指定した条件で物もしくは者をこの世界の何処かから召喚できる、異世界の召喚は魔法陣を描きさらに空間と召喚両方を使って行うトリプルの魔法になる。
 今回の条件は自分の命令を聞く事と最低ステータスが1500以上の魔物で数は30だ。
 ステータス1500は人間ならレベル50ほどの強さで村や集落に出現するとすぐに討伐体が組まれて討伐が最優先事項になる程度だ。

「『制限召喚』発動」
 呟いた直後、目の前に30匹の黒い狼の魔物が出現した。

 狼の魔物は相手が自分より強いか見分けることができて強い場合は逆らわないのだ、この狼は名前をダークウルフと言って魔界に生息する魔物だ。
 ゾンビの競技は召喚獣の使用か制限されて居ないので普通は入学直ぐに契約した召喚獣と戦うが召喚して戦うとは誰も考えなかったのだろう、召喚魔法の適性を持っている者なんて殆ど居ないし召喚成功率は50%以下だから制限しなくてもいいと判断したのだろう(会長が)。

 召喚したダークウルフの特性は『砲口』これは口から炎と風の魔法を発射することができて範囲もなかなかの者だ。
 大量のゾンビにはかなり有利だろう。

「ゾンビを手当たり次第に殺せ」

 自分で狼に命令したがゾンビを殺すってなんだ?
 まあいいか狼達も動いてくれているし。

 狼達のステータスは平均が1500前後だ、敵のデブ(ボス)の強さは平均1000だから狼でどうにかなる、後はドラゴンだ、コイツは【分析】を掛けたところ平均ステータスが2000で魔力が2500もある、ドラゴンのブレスは魔力の高さに影響されるため魔力2500のブレスは脅威だ。
 俺が倒さなければいけないだろう。

 アンデットは例外なく炎と光の属性に弱い、だが光魔法に攻撃魔法は余りなく付与や身体強化、治癒などが光魔法に分類される。

 今の俺に適性は関係ない光の属性も使えるが光魔法では攻撃は出来ない。

 だがしかし魔法には複合魔法といわれる物が存在する、単一属性がシングル魔法、2属性がダブル3属性がトリプルと続いて行く。

 これを使い炎の槍を生成さらに槍に光属性を付与する、これで炎と光の弱点てんこ盛りの槍が作られる。
 ポ〇モンなら4倍の攻撃だ。

 魔法で作り出した槍をドラゴンに照準を合わせ飛ばす、この時に風の魔法を使い槍の速度を加速させる。

 風の付与魔法で俺オリジナルの『加速』だこれを多重掛けすることで槍の速度はドラゴンの反応速度を超える。

 ドラゴンがうめき出したのは槍が刺さってから少し経った後だった。ドラゴンが自分に槍が刺さっていることに少しの間気が付くことができなかったのだろう。
 ドラゴンが崩れ落ち完全に動きを止めた。

「アンデットポイント終了です!」

 審判の声が聞こえた。この競技アンデットポイントって名前だったんだ、忘れてた。

 俺がドラゴンゾンビを倒している間に狼とリム、マナが他のゾンビを殲滅していた。
 狼はほぼ過半数を倒しリムは範囲魔法で徐々に削る。マナに関しては俺が最初に爆散させたゾンビに精霊を憑依して戦わせていた、死体を操って同種を倒させるって思ったよりマナって怖い性格してるのか?、

 俺たちの記録は残り時間12分を残して殲滅という事で現時点で1位に躍り出た。

 次はトレジャーハントだ。
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