23 / 31
23話
しおりを挟む
夢の中で女神に会っていた。
実はクラスアップしてから、月1くらいのペースでこの夢の空間に来ている、そこで情報を得て作戦を詰めて来た、此処からは実行の時だ。
「それで、君は勇者召喚されてくれるのかな?」
「そうだな、俺の立ち位置は、完全にこれに参加する以外の選択しを潰してる」
「嬉しいよ。勇者召喚は一週間後、それまでに学校とか魔王とかに、色々と別れとかを済ませて置いて」
「ああ、それでお前は俺の味方に付いてくれるのか?」
「それは約束しよう、君は神たる私に届くようなスペックを持っている。魔神、邪神、それを倒すために君に協力する。アイツは私でも操作出来ない存在だから、まあそれは君もだけどね」
「ありがとう」
「こちらこそ」
女神の満面の笑みと共に夢から目覚めた。
校長への休学申請はすんなりと通った、条件としてテストには出ろって事を言われたが、クライ先輩も同じように休学を認められたみたいだ。
「それで、アル君、本当にその通りにすればシエラを連れ戻せるんだな?」
「デートで名前呼びにまで進展したんですか?」
ニュアンス的には小ばかにしたように話した。
「それは、うむ…」
どうやらさらに緊張したらしい。
「解った、今の僕では君の話に乗るしか方法が無いからな、頼む」
「勿論、成功させます」
「すまない」
次はサラとシャラルだ、この2人には言わなければならないだろう。
「え、アル君学校辞めちゃうの!?」
「それは困るわ」
「いや、辞めないから。言っただろシエラ先輩を連れ戻しに行くんだよ」
「そっか、でもいつ戻ってくるの?」
「まあ、半年か1年か、それぐらいはかかると思う」
勇者召喚を行い勇者が魔王を討伐するまでをキャロは3年と見積もった、だが実際には魔王は討伐されない、ルミア以外の魔王ははっきり言って知らんが、それでも今魔王は3人いる、それを人間国は知らない、1人しかいないと思っている、これがこの見積もりで討伐できない理由だ。
魔王の討伐は実際には行わせないしな。
「そっか…」
「まあ1ヶ月に1回は帰って来るんだしさ」
「それはそうかもしれないけどさ」
「もう決めた事なんだ」
「まあ、そうよねアル君は一度決めたことを曲げるような性格じゃないもんね。うん、行ってらっしゃい」
今にも泣きだしそうでサラが我慢してるのは誰が見ても明らかだ、それでも笑いながら送り出してくれるんだから、ホント嫁に欲しい。
「わかったわ。行ってらっしゃい、それとこれを上げるわ」
シャラルは余り顔に出るタイプではないけど、くれた念話魔法道具を見る限りは寂しいってのはあるんだと思う、実験も手伝えないし。でもやっぱりいい奴だな。
これでこの学校を出れるな。空間魔法はイメージが無いといけないから空を飛んで行くか。
勇者召喚で強制転移させられるとは思うけど、それでもクライ先輩を送らないといけないし、敵国の視察がてら一足先に国に行くか。
重力魔法『フライ』。
これを使って空を飛ぶ、通常浮遊とは重力に逆らい風魔法の連射で飛ぶ、がそれでは効率が悪すぎるので、開発したのがオリジナルの適性・重力。これはゼランの霧の適性と同じように13番目以降の適性だ、使えるのは恐らくこの世界で俺だけだろう。
と、魔法の説明をしている間に目的地に到着した、クライ先輩は自分がどうやって空中を飛んでいるのか解らないようだった。
「付きましたよ、先輩」
「ああ、それにしてもアル君は凄いな、流石 一桁シングルナンバーだ」
「それほどでもないですよ、それよりまずは宿を探しましょう」
「ああ」
キャロは不法入国が出来ないように国民全体にカードを配布し管理している、まあ大体の国はこうなんだが。
そのせいで門から入れなかった、だが視認できるほど近づけば『ゲート』でさっさと裏路地に転移だ。
「おいお前、金おいてっちゃくれねーか?」
転移五分でチンピラに絡まれた、治安が最悪だってのは事実のようだ。
お金は一応持っている、俺の生まれた王都の国王に頼んだらキャロの発行している金貨を50枚ほど貰えた、日本円では金貨一枚で10万円ほどの勝ちが有る。
「お金ですか、金貨、1枚でどうですか?」
「いいのか?」
クライ先輩がビックリしているが、その疑問はもっともだ、けど
「そちらも生活がかかっているのでしょう?」
「ああ、この国で暮らすには、悪事を行わないとやって行けねんだ」
チンピラのおっさんは泣きながら膝を落とした。
やはりそうだ。他の国にもチンピラは居るが此処ほどエンカウントは高くない。
開始5分でエンカウントするほど多いと言う事は、それはこの国の経済状況の悪化が問題だろう。
どうせ勇者召喚のための研究費で税金を上げたりしたのだろう。
「すまねえ、兄ちゃんありがとよ」
「その代わり宿屋の場所を教えて下さい」
「勿論だ」
その後宿屋に着くまでに、4回からまれた。
大体の人は金貨一枚で引いてくれたが、無理矢理全財産を奪おうとした者達には少し手荒にさせて貰った。
ちなみに宿屋は一ヶ月で、金貨5枚だった、日本円で50万円、とんでも無くぼったくりだ。
だが、何処の宿屋でもこの値段なので此処にした。
「それではクライ先輩、作戦の確認です」
「ああ」
作戦は簡単に言うと駆け落ちである。
シエラ先輩がこの国に帰って来るのは召喚の前日、直ぐにさらうのは殆ど不可能で確実に事件になるだろう、何よりそれでは目的の一つが達成できない。
そのため、まずは俺が勇者召喚に混ざり王城に潜入、中から会長を外にだす。
外に出すときに会長が死んだことにする必要がある、死体は魔物に焼却されたとかなら、無くても問題無いだろう。
事件にはなるだろうがこの国の王族にとって会長は勇者召喚に成功すれば用無しだ。
それに会長は今まで召喚を拒み帰国を遅らせたりと家族から煙たがられている、死んだとしても犯人探しや生きてるかもしれないから探そう、なんて事はしないだろう。
この国に来て一週間が経った、今日が召喚の日だ。
実はクラスアップしてから、月1くらいのペースでこの夢の空間に来ている、そこで情報を得て作戦を詰めて来た、此処からは実行の時だ。
「それで、君は勇者召喚されてくれるのかな?」
「そうだな、俺の立ち位置は、完全にこれに参加する以外の選択しを潰してる」
「嬉しいよ。勇者召喚は一週間後、それまでに学校とか魔王とかに、色々と別れとかを済ませて置いて」
「ああ、それでお前は俺の味方に付いてくれるのか?」
「それは約束しよう、君は神たる私に届くようなスペックを持っている。魔神、邪神、それを倒すために君に協力する。アイツは私でも操作出来ない存在だから、まあそれは君もだけどね」
「ありがとう」
「こちらこそ」
女神の満面の笑みと共に夢から目覚めた。
校長への休学申請はすんなりと通った、条件としてテストには出ろって事を言われたが、クライ先輩も同じように休学を認められたみたいだ。
「それで、アル君、本当にその通りにすればシエラを連れ戻せるんだな?」
「デートで名前呼びにまで進展したんですか?」
ニュアンス的には小ばかにしたように話した。
「それは、うむ…」
どうやらさらに緊張したらしい。
「解った、今の僕では君の話に乗るしか方法が無いからな、頼む」
「勿論、成功させます」
「すまない」
次はサラとシャラルだ、この2人には言わなければならないだろう。
「え、アル君学校辞めちゃうの!?」
「それは困るわ」
「いや、辞めないから。言っただろシエラ先輩を連れ戻しに行くんだよ」
「そっか、でもいつ戻ってくるの?」
「まあ、半年か1年か、それぐらいはかかると思う」
勇者召喚を行い勇者が魔王を討伐するまでをキャロは3年と見積もった、だが実際には魔王は討伐されない、ルミア以外の魔王ははっきり言って知らんが、それでも今魔王は3人いる、それを人間国は知らない、1人しかいないと思っている、これがこの見積もりで討伐できない理由だ。
魔王の討伐は実際には行わせないしな。
「そっか…」
「まあ1ヶ月に1回は帰って来るんだしさ」
「それはそうかもしれないけどさ」
「もう決めた事なんだ」
「まあ、そうよねアル君は一度決めたことを曲げるような性格じゃないもんね。うん、行ってらっしゃい」
今にも泣きだしそうでサラが我慢してるのは誰が見ても明らかだ、それでも笑いながら送り出してくれるんだから、ホント嫁に欲しい。
「わかったわ。行ってらっしゃい、それとこれを上げるわ」
シャラルは余り顔に出るタイプではないけど、くれた念話魔法道具を見る限りは寂しいってのはあるんだと思う、実験も手伝えないし。でもやっぱりいい奴だな。
これでこの学校を出れるな。空間魔法はイメージが無いといけないから空を飛んで行くか。
勇者召喚で強制転移させられるとは思うけど、それでもクライ先輩を送らないといけないし、敵国の視察がてら一足先に国に行くか。
重力魔法『フライ』。
これを使って空を飛ぶ、通常浮遊とは重力に逆らい風魔法の連射で飛ぶ、がそれでは効率が悪すぎるので、開発したのがオリジナルの適性・重力。これはゼランの霧の適性と同じように13番目以降の適性だ、使えるのは恐らくこの世界で俺だけだろう。
と、魔法の説明をしている間に目的地に到着した、クライ先輩は自分がどうやって空中を飛んでいるのか解らないようだった。
「付きましたよ、先輩」
「ああ、それにしてもアル君は凄いな、流石 一桁シングルナンバーだ」
「それほどでもないですよ、それよりまずは宿を探しましょう」
「ああ」
キャロは不法入国が出来ないように国民全体にカードを配布し管理している、まあ大体の国はこうなんだが。
そのせいで門から入れなかった、だが視認できるほど近づけば『ゲート』でさっさと裏路地に転移だ。
「おいお前、金おいてっちゃくれねーか?」
転移五分でチンピラに絡まれた、治安が最悪だってのは事実のようだ。
お金は一応持っている、俺の生まれた王都の国王に頼んだらキャロの発行している金貨を50枚ほど貰えた、日本円では金貨一枚で10万円ほどの勝ちが有る。
「お金ですか、金貨、1枚でどうですか?」
「いいのか?」
クライ先輩がビックリしているが、その疑問はもっともだ、けど
「そちらも生活がかかっているのでしょう?」
「ああ、この国で暮らすには、悪事を行わないとやって行けねんだ」
チンピラのおっさんは泣きながら膝を落とした。
やはりそうだ。他の国にもチンピラは居るが此処ほどエンカウントは高くない。
開始5分でエンカウントするほど多いと言う事は、それはこの国の経済状況の悪化が問題だろう。
どうせ勇者召喚のための研究費で税金を上げたりしたのだろう。
「すまねえ、兄ちゃんありがとよ」
「その代わり宿屋の場所を教えて下さい」
「勿論だ」
その後宿屋に着くまでに、4回からまれた。
大体の人は金貨一枚で引いてくれたが、無理矢理全財産を奪おうとした者達には少し手荒にさせて貰った。
ちなみに宿屋は一ヶ月で、金貨5枚だった、日本円で50万円、とんでも無くぼったくりだ。
だが、何処の宿屋でもこの値段なので此処にした。
「それではクライ先輩、作戦の確認です」
「ああ」
作戦は簡単に言うと駆け落ちである。
シエラ先輩がこの国に帰って来るのは召喚の前日、直ぐにさらうのは殆ど不可能で確実に事件になるだろう、何よりそれでは目的の一つが達成できない。
そのため、まずは俺が勇者召喚に混ざり王城に潜入、中から会長を外にだす。
外に出すときに会長が死んだことにする必要がある、死体は魔物に焼却されたとかなら、無くても問題無いだろう。
事件にはなるだろうがこの国の王族にとって会長は勇者召喚に成功すれば用無しだ。
それに会長は今まで召喚を拒み帰国を遅らせたりと家族から煙たがられている、死んだとしても犯人探しや生きてるかもしれないから探そう、なんて事はしないだろう。
この国に来て一週間が経った、今日が召喚の日だ。
0
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる