ステ振りの王様

高戸

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2話 王都アレイン

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 冒険者ギルドの場所を地図で確認してそこに向かう。

 冒険者ギルドには武装した集団が多く居た。
 絡まれるかとも思ったがすんなりと受付まで来る事が出来た。まあ好き好んで自分の職場で問題起こす人なんてそうそう居ないって事なのだろう。

 個人的には絡まれてもよかったんだがな。テンプレ的に。

「今日はどういったご用件でしょうか?」

「ギルドに登録をしたいのですが」

「登録ですね、名前と職業を伺ってもいいですか?」

「名前はネイトで職業は【鑑定師】」

「【鑑定師】ですか?」

 受付の人が首をかしげている、何かまずっただろうか。

「あ、すいません、【鑑定師】は星4つですし戦闘系じゃないので冒険者にはならないのが普通ですので」

 なるほど、確かに人の職業を見れる【鑑定師】が居なければ自分の職業も解らないだろうしそれ以外にもアイテム鑑定やらは需要が高いだろうからな、それで冒険者になるのは珍しいだろう。そもそも【鑑定師】は戦えないしな。

「いえ、すいません規則では【鑑定師】の方でも登録は可能ですので問題は有りません、それではこのバッチをお渡しいします、紛失されるとと再発行に金貨1枚かかりますのでなくさないようにお願いします」

 金貨1枚ってどれくらいの価値なんだろうか、やはり実際に金を使わなければ解らないな、あとギルドの登録に料金がかからなくて良かった。

「ところで、冒険者にランクとかって無いんですか?」

「はい、この国では職業ランク式を採用しています、職業のランクがDならばDランクCならばCランクです、これは自己申告になりますので、実際にFランクの人が低い報酬の依頼しか受けられないかと言われれば、それは違います」

 なるほど、虚偽の報告が出来る訳か、それに鑑定師を雇って無いって事は関係無いって公表しているような物だしな。それとも【鑑定師】のSランクが居ないのか?

「それと他の国へ行く場合は退会をお勧めします」

「それはなぜ?」

「……」

 やば、なんかそんなことも解らいの?みたいな目を向けられた常識なのか。

「えっと、ギルドとは国が運営している施設です、ですので他の国の冒険者ギルドとこの国の冒険者ギルドではルールが違います」

 ルールが違うだけなら問題なさそうだけど、両方とも入ればいいんじゃ無いのか?

「それに、この国のギルドと他の国のギルドに入るのは不可能です。【王】が製作したギルドに入ると自動的にその国の国民として登録されます。ですのでこのギルドから退会しなければ他の国の住人つまりギルドメンバーにはなれないのです」

 【王】の能力ってのは、ギルドまで管理できるのか。

 やっぱり国を作るべきだよな。
 建国、それがポイントを稼ぐのに一番手っ取り早い、それにポイントが無いと何かと不便だと思うしランクも上げないとならない。

「解りました、では他の国に行く時には退会するようにします」

「はい」

「あ、あと兎を売りたいんですけどどこで買い取ってもらえますか?」

「それでしたら、このギルドの2階に買い取り用の窓口が有ります、階段はあそこです」

 そう言って受付嬢は俺の右側を指さした。確かに階段が有ったので2階で兎を売る事にしよう。

「ありがとうございました」

「いえ、仕事ですので」

 なんか仕事人って感じの人だったな、まあいいやそれより兎だな。

 結局兎は銀貨2枚と銅貨40枚で売る事が出来た。どれぐらいの価値だろうか。

 お金の単位や生活水準も解らないので、取り敢えず宿をとる。
 宿の位置は町中に有る地図を見る事で直ぐに分かった。

「いらっしゃい、宿泊かい?」

「はい」

「じゃあ一泊で銀貨1枚と銅貨20枚だよ」

 銀貨1枚と銅貨20枚をだしておかみさんに渡した。

「これでいいですか?」

「あいよ、部屋は二階の3号室ね、カギはこれだよ、夕食は食べても食べなくてもいいけど値段は一緒だから食べるんなら後で降りてきな」

「はい」

 宿屋の亭主がカギを投げ渡してくれたので、それをキャッチして部屋に向かった。

 この日は部屋の中で俺の職業について考えてた。
 固有職業【変換師】、これと【王】の相性はかなりいいのではないだろうか、ポイントをお金や俺のステータスをマイナスにする事で増やせるかの実験をしないとな。

 でもその前に、

「ステータス」

 何も起こらない。薄々思っていたが、やはりこの世界にステータスという概念は存在しないのでは無いだろうか。

 では次に俺の上昇させていたステータスを元に戻し更に減らす。

________
AGL-1
________

 成功のようだ。
________
501
________
 確認したところカードのポイントも増えていた。

 ステータスの1p=王のポイント1pのようだ。500pは初期値だろう。

 次はお金だ銅貨1枚が1pになるならチート以外の何物でもない。

 意識した瞬間手に持っている銅貨が淡い光と共に消えた。
________
501.001
________

 いや、0.001ってどんだけだよ、誤差ってレベルじゃ無いぞ、殆ど無いのと同じだ。

 次は銀貨だな、銀貨の価値は銅貨の100倍だった小数点第一位が1に成れば硬貨としての価値で判別されていると言う事になる。

________
501.101
________

 やはり硬貨としての価値で差別されているようだ。

 次は逆にポイントを消費してお金に換えてみる。

 さっき消費した銀貨と銅貨を手元に戻すように0.101pをお金に変える。
 成功したようだ。手のひらに銀貨と銅貨が1枚づつ乗っている。



 今日はここまでにするか。
 明日は地図に有った奴隷館にでも行ってみるか、この世界の常識を教えてくれる人間も必要だろうし。

 この日は夕飯を食べてすぐに寝た、夕飯はパンが主食でスープとサラダ。飲み物にワインが付いていた。

 パンはかなり硬かったスープは牛乳ベースのスープでまあまあ美味しかった、サラダに関しては素材そのまんまだったのでドレッシングになれた日本人の味覚には会わなかった。

 ワインはおかみさんに行って普通の水に変えて貰った、高校生だし、もしかしたらこの世界では大人なのかもしれないが。

食事が終わった後は直ぐに部屋に戻り眠りについた。
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