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17話 巨大鳥襲来
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アリアが居るはずの場所にエリスと歩きながら向かっている途中、巨大な鳴き声が響き渡った。
「グギャアアアア!!!」
空は暗くなり月が出ている。そんな中、月を背にし、片方5mを越える長さの純白の翼をもつ巨大な鳥の魔物が姿がそこにあった。
「ハクレイチョウ!?」
エリスがその名前を言ったとき俺は森での探索中に見つけた白霊鳥の卵の名が頭をよぎった。
あの卵を取り戻しに来た…のか?
俺の思考が終わる事をハクレイチョウが待ってくれるはずも無く、その鋭い爪を向けて襲い掛かってきた。
だが魔物結界もその役割をはたしハクレイチョウの突進攻撃を通すことはなく、ドーム状に囲っている結界に爪が触れた瞬間ピンク色の放電現象が発生し侵入を阻害した。
どうやら魔物用結界はちゃんと作動しているようだ。
だが、その際に発生した暴風は魔物結界が防ぐことなく容易に結界の中に吹き荒れる。
それでもノーム達の技術と知識で作った家は、一軒たりとも吹き飛ばされずに耐え凌いでいた。
流石に石を素材に使って強度を高めているだけはある。
今はハクレイチョウだ、俺の現状では遠距離攻撃手段が少なすぎる。シリアの【必中】を使って石や弓で攻撃したとしてもそもそものSTRに補正が掛からないシリアの攻撃がどこまで通用するか。
それにハクレイチョウの翼の風圧で跳ね返される可能性もある。
それにしても、卵を持ち帰ったその日にハクレイチョウが現れるなんてタイミングが良すぎる。
ハクレイチョウが卵を狙っているのは確定だろう。
「エリス、抱えるぞ? 急いでアリア達に合流する」
「わかった」
ピコン♪
_______________
AGL+1000
_______________
エリスを右腕で抱えてそのまま全速力でアリアとシリアの元へと走る。
20秒ほど走ると、アリアとシリアの姿が見えてきた。だがそれはハクレイチョウが翼をはためかせ風圧を起こするのは同時だった。
巨大な翼から発生した風圧によって出来た風はどんどん集まって行き球体になっていく、そして放たれた。
誰が目標かは夜の暗がりに加えて風という不可視の攻撃のせいで解らない。
だが今卵を持っているアリアのはずだ。さっきの爪による突進も方向はアリアに向かってだったような気がするし、心なしか視線もアリアを捕らえているような気がする。
これだけアリアを狙っているんだ、何の為にここへやってきたのか……あの卵しか思いつかない。
エリスを反対側に押し飛ばして、アリアに覆いかぶさるように全力で走りこんだ。
ハクレイチョウは恐らくだが風を操作する能力がある。
アリアを押し飛ばした場合、さっき風を球体にしたのと同じように風の軌道を変えられる可能性が生まれる。
そうなる前に俺が盾になれば無傷とは行かなくてもアリアが直撃を受けるよりは、ましになるずだ。
「うおおおおおーー!!!」
AGL+1000の効果でアリアの前に行き、シリアを突き飛ばす事は簡単にできた。
ピコン♪
_______________
VIT+1000
_______________
ヴォオオン!!
風は俺に直撃して砂埃を巻き上げた。
風が直撃する瞬間、アリアに覆いかぶさっる事は出来た、そのためか意識が朦朧とする。
VIT+1000で耐えきる事が出来ると思ったが、完全に無傷とは行かなかったようだ。
「ネイト!!」
「アリアッ!!」
今にも気絶しそうな中。悲痛な、泣きそうなエリスとシリアの声を聴き、ギリギリ気絶しないように踏みとどまる。
_______________
回復魔法
INT1000
_______________
意識が朦朧とする中、防御力VITに全くの補正がかかっていないアリアに回復魔法をかけ、回復させる。
「アリアァ”アア!!」
砂埃が徐々に晴れていき倒れた俺とアリアを見つけたのだろう。シリアが怒りに満ちた声色になっていた。
バン!
何かが破裂するような音に一歩遅れ、
「グギャアアアア」
襲って来た時とは違う、ハクレイチョウの高音の咆哮が轟いた。
パン! パン! パン!
破裂音が続く。
この時俺は思い出した。この音は何かが破裂する音ではなく、FPSでなじみ深い銃の『発砲音』だ。
音の方向に目を向けると、スナイパーライフルのスコープを覗かずに片手で持ち、銃弾をハクレイチョウにぶち込んでいるシリアがいた。
シリアの【必中】の効果で、絶対に外れない弾丸が音速を越えたスピードで、全長10mを軽く越えるハクレイチョウに撃ち込まれて行く。
羽、頭、腹、目に次々と命中していく。シリアの【必中】は狙った場所に必ず当てる能力だ、そのシリアがライフルなんて持ったら、
「ギョアアア!!!」
遂に声も出なくなったハクレイチョウは飛ぶこともできなくなり、地面に落とされた。
ハクレイチョウの声が聞こえなくなったころ、アリアが目を覚ます。
そしてそれとは逆に、俺の意識はもう途切れそうだ。
「アリア!!」
「ネイト……?」
シリアの喜ぶ声と、エリスの心配そうな声が最後の記憶になった。
「グギャアアアア!!!」
空は暗くなり月が出ている。そんな中、月を背にし、片方5mを越える長さの純白の翼をもつ巨大な鳥の魔物が姿がそこにあった。
「ハクレイチョウ!?」
エリスがその名前を言ったとき俺は森での探索中に見つけた白霊鳥の卵の名が頭をよぎった。
あの卵を取り戻しに来た…のか?
俺の思考が終わる事をハクレイチョウが待ってくれるはずも無く、その鋭い爪を向けて襲い掛かってきた。
だが魔物結界もその役割をはたしハクレイチョウの突進攻撃を通すことはなく、ドーム状に囲っている結界に爪が触れた瞬間ピンク色の放電現象が発生し侵入を阻害した。
どうやら魔物用結界はちゃんと作動しているようだ。
だが、その際に発生した暴風は魔物結界が防ぐことなく容易に結界の中に吹き荒れる。
それでもノーム達の技術と知識で作った家は、一軒たりとも吹き飛ばされずに耐え凌いでいた。
流石に石を素材に使って強度を高めているだけはある。
今はハクレイチョウだ、俺の現状では遠距離攻撃手段が少なすぎる。シリアの【必中】を使って石や弓で攻撃したとしてもそもそものSTRに補正が掛からないシリアの攻撃がどこまで通用するか。
それにハクレイチョウの翼の風圧で跳ね返される可能性もある。
それにしても、卵を持ち帰ったその日にハクレイチョウが現れるなんてタイミングが良すぎる。
ハクレイチョウが卵を狙っているのは確定だろう。
「エリス、抱えるぞ? 急いでアリア達に合流する」
「わかった」
ピコン♪
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AGL+1000
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エリスを右腕で抱えてそのまま全速力でアリアとシリアの元へと走る。
20秒ほど走ると、アリアとシリアの姿が見えてきた。だがそれはハクレイチョウが翼をはためかせ風圧を起こするのは同時だった。
巨大な翼から発生した風圧によって出来た風はどんどん集まって行き球体になっていく、そして放たれた。
誰が目標かは夜の暗がりに加えて風という不可視の攻撃のせいで解らない。
だが今卵を持っているアリアのはずだ。さっきの爪による突進も方向はアリアに向かってだったような気がするし、心なしか視線もアリアを捕らえているような気がする。
これだけアリアを狙っているんだ、何の為にここへやってきたのか……あの卵しか思いつかない。
エリスを反対側に押し飛ばして、アリアに覆いかぶさるように全力で走りこんだ。
ハクレイチョウは恐らくだが風を操作する能力がある。
アリアを押し飛ばした場合、さっき風を球体にしたのと同じように風の軌道を変えられる可能性が生まれる。
そうなる前に俺が盾になれば無傷とは行かなくてもアリアが直撃を受けるよりは、ましになるずだ。
「うおおおおおーー!!!」
AGL+1000の効果でアリアの前に行き、シリアを突き飛ばす事は簡単にできた。
ピコン♪
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VIT+1000
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ヴォオオン!!
風は俺に直撃して砂埃を巻き上げた。
風が直撃する瞬間、アリアに覆いかぶさっる事は出来た、そのためか意識が朦朧とする。
VIT+1000で耐えきる事が出来ると思ったが、完全に無傷とは行かなかったようだ。
「ネイト!!」
「アリアッ!!」
今にも気絶しそうな中。悲痛な、泣きそうなエリスとシリアの声を聴き、ギリギリ気絶しないように踏みとどまる。
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回復魔法
INT1000
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意識が朦朧とする中、防御力VITに全くの補正がかかっていないアリアに回復魔法をかけ、回復させる。
「アリアァ”アア!!」
砂埃が徐々に晴れていき倒れた俺とアリアを見つけたのだろう。シリアが怒りに満ちた声色になっていた。
バン!
何かが破裂するような音に一歩遅れ、
「グギャアアアア」
襲って来た時とは違う、ハクレイチョウの高音の咆哮が轟いた。
パン! パン! パン!
破裂音が続く。
この時俺は思い出した。この音は何かが破裂する音ではなく、FPSでなじみ深い銃の『発砲音』だ。
音の方向に目を向けると、スナイパーライフルのスコープを覗かずに片手で持ち、銃弾をハクレイチョウにぶち込んでいるシリアがいた。
シリアの【必中】の効果で、絶対に外れない弾丸が音速を越えたスピードで、全長10mを軽く越えるハクレイチョウに撃ち込まれて行く。
羽、頭、腹、目に次々と命中していく。シリアの【必中】は狙った場所に必ず当てる能力だ、そのシリアがライフルなんて持ったら、
「ギョアアア!!!」
遂に声も出なくなったハクレイチョウは飛ぶこともできなくなり、地面に落とされた。
ハクレイチョウの声が聞こえなくなったころ、アリアが目を覚ます。
そしてそれとは逆に、俺の意識はもう途切れそうだ。
「アリア!!」
「ネイト……?」
シリアの喜ぶ声と、エリスの心配そうな声が最後の記憶になった。
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