悪役令嬢の末路

ラプラス

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探し人《夢》【14】

 その日は、ローディーに森を案内してもらって、野生の動物の話をしたり、蝶が羽化する瞬間を見たりして、とても満足していた。
 そういえば…。とハルトが住んでいるであろう山が目についた。
 今なら、聞けるだろうか。

 「ねぇ、私あなたに出会う前に…」

 『余計なことはするな。慎重になれ、一つの出来事が後に大きな嵐を呼ぶこともある。先が見えないだけに、行動は慎重に行うんだ』

 婆様…?
 どうしてか、婆様の声が聞こえた気がした。
 キョロキョロとあたりを見渡すが、婆様の姿は見当たらない。

 「?どうした」
 「ううん。なんでもない」

 そうだ。本来の仕事を思い出せ、アイシアナ。私はこの村の大火災について調べに来ているんだ。
 ローディーの近くにいるのは、情報が入りやすそうだから。
 だから、これ以上彼に踏み込みすぎるのは危険なのではないか?
 たとえ昔の自分に似ていたとしても、彼は既に過去の人。これは過ぎ去った過去だ。アイシアナ。

 頭の中が、ぐるぐるする。
 もう、何も考えたくない。

 「今日はもうここまでにしよっか。そろそろ日も落ちる。帰ろう」
 「そうだな」


 与えられた部屋のベッドに倒れこむと、また勝手に頭が働きだす。

 私何やってるんだろう。
 仕事を放って、何やってるの?
 これは過去だよ?まだ何も決まっていない未来じゃない。過去での行動の結果が未来に良くも悪くの現れてくるって、婆様に教えてもらったじゃないか。
 それなのに、大事なこと忘れて男と遊んでる?
 バカか…。

 もう、やだ。

 その日が来るまで、ここで大人しくしていよう。
 もうこれ以上彼に踏み込んでは危険だ。


 アイシアナは布団に潜って考えを巡らせた。


***************

 「今日も体調を崩しているのか?」
 「はい。お食事はかろうじてお部屋で済まされましたが、何か憂えることでもあったのでしょうか。いつも元気に坊ちゃまを外へ連れ出していた姿が、最近はその覇気が見られません。坊ちゃまっ。どうかお嬢様をお願いいたしますね」

 いつもより饒舌なメイドに背中をぐいぐい押され、ローディーはアイシアナの部屋の前にいた。

 コンコンコン

 ノックしても返事がない。

 「入るぞ」

 部屋に入ると、あるが目についた。

 蛹、か?

 「おい。突然どうしたんだ?この前までピンピンしていたじゃないか。あの時森で変なキノコでも食べたのか?おい。返事をしろ」

 ユサユサ揺さぶられ、蛹ーーもとい布団にくるまっているアイシアナは軽く酔いそうだった。併せて、布団という密閉された空間の中では、少し息苦しい。


 もう、あきらめて帰ってよー。
 蛹の中、アイシアナは必死に我慢していた。


感想 10

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