ゲーム補正は私がする! ~転生令嬢のハッピーエンド大作戦~

ラプラス

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7最後の恋文

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 「お姉さま!元気になったのね!」

 元々与えられていた部屋に戻ると、同室のリリアナが飛び込んできた。

 「いたたた…」
 「あ、ごめんなさいお姉さま!つい嬉しくて…」
 「わかってるわ。心配かけてごめんね。このとおり、元気になったから大丈夫よ」
 「お姉さま~好きっ!」
 「はいはい」

 ある意味朝帰り(?)してきた私にとって、リリアナの言葉は心苦しい。


 「あのね、あのね、お姉さま!」
 「ん?なあに?」
 「私気になる人ができたの!」
 「まぁっ。リリアナ、やるじゃない」
 「あ、あのね。それで、そのぅ…お姉さまの協力」
 「わかった!お姉ちゃんが協力してあげる」
 「ほ、ほんと?」
 「ええ!任せて頂戴」

 べしっと胸に手を当てて言い切り、仕上げににっかりと笑顔を浮かべる。

 「お姉さまぁ~」

 再び抱き着いてくるリリアナに、一人かわいいなぁ~とほっこりしていると、ドアがノックされ、返事をすると伯母さまが複数人のメイドを連れてやってきた。

 「お、伯母さま?」
 「あらあら。フィアナ、リリアナも、どうしたのかしら。朝食の時間よ?一向に来る気配がないから来てしまったわ」

 さ、さいですか…。

 「まだ着替えも済ませてないと思ってメイドさんにも来てもらたったのよ。午後はお茶会を開くみたいだし、おめかししないとね」

 なぜだ、笑っているはずの伯母さまがこわい。
 これが早く婚約者の一人でもひっかけて来いという暗黙のメッセージなのか…。

 「はい。伯母さま」
 「はい。お母さま」


 そうして、渋々?着替えて朝食をとって、過ごしのんびりしていると午後のお茶会の時間になりました。

 「フィアナ様、お久しぶりですわね」

 そう声をかけてきたのは、記憶を失う前に友達だったというカトレナ・ボワンズ。

 「本当にお久しぶりですわね。お元気でしたか?」
 「ええ。でも、今日が一番元気な気がしますわ。フィアナ様に久しぶり会えたのですもの」
 「まぁっ」

 カトレナ様とあははうふふしていると、後ろから声がかかる。

 表向きお茶会だとしてもこれはいわるゆ集団見合い。
 そちらの方もちゃんとしなければーーと返事とともに振り返ると、そこには朝の男、ならぬこの国の皇太子がいた。

 「あら、皇太子殿下!」

 案の定、またと無い超超優良物件に食いつくカトレナ様。
 その点私はと言うと、内心口をパクパクさせている。いや、泡も吹いているかもしれない。
 とにかくすごい緊張に動転も重なり、現在混乱中だ。

 「フィア。君に用がある」
 「???」

 もう何が何やら訳がわからない。
 私に一体何の用があるんだ!


 東屋まで手を引かれ、向き直ると、殿下はポケットから何やらごそごそとしている。


 「君に、ずっと渡そうと思っていた手紙があるんだ」

 そう言われ、出された一通の手紙を受け取る。

 「私に?」

 宛先には几帳面な字で私の名前が書かれており、差出人はーー。

 「レオンハルト・E・グレイシア?これは、殿下から?」

 「俺であって、俺ではない者が書いた」

 よくわからない返答をもらい、内心?マークがたくさん浮かんでいるものの、手紙を開封する。



 『


           愛してる


                        』


 ただその一言だけしか記されていない手紙。
 思わず、その文字を指でなぞる。




 「もう。私に愛を囁きに来てくれる方はおられないのですね」

 
 ぽつり、呟く。
 さっきの、彼の言葉の意味を少しだけ、本当に少しだけ、わかった気がする。
 これが彼からの最後の手紙。

 たった4文字の愛の言葉。
 けれども、その言葉はストレートに、熱烈に、私に愛を伝えてくる。

 けれど、どうして…?

 どうして、こんなに寂しくて悲しいのだろう。


 ふと、笑うあの人が見えた気がした。


 彼の言うとおりだ。この手紙を書いた、私のレオンさまはもう居ない。これは彼ではない彼からの最後の恋文ーー。


 「殿下、手紙を届けてくださりありがとうございました」


 「失礼したしますわ」



 それから、どうやって部屋に戻ってきたのかは覚えてない。
 けれど、私は手紙を読み返しては、ボロボロと泣き崩れていた。記憶が戻ったわけではないのに、私の胸は痛みを訴え続ける。

 「……どうして。こんなに痛いの」


 記憶は、もう私の中には無いのに。


 叶うのならば、彼と過ごした記憶をもう一度…。


 もう一度、思い出したい。



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