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ひとでなしと待機命令
しおりを挟むでは俺もそろそろ戦の準備を……とセルヴァンスの命令待ちをしたら、なんと俺は紫苑と共に留守番を申しつかった。
……留守番!?
「待ってくれセルヴァンス。その……俺は、戦では役に立 」
「お舐めでないよ。相手はこのエルドラドの横っ面を張ったんだよ?面子の問題だよ」
話も聞いてもらえなかった…。
「戦にキングとクイーンが出張っていってどうするのさ?アンタは紫苑様と子作りでもして待ってなよ。ボク、紫苑様似のお子に『お兄ちゃ~ん』とか呼ばれたいなあ…紫苑様のお子は絶対ボクが育てるんだ剣の稽古も魔法の使い方も手取り足取り恋の手解きも筆下ろしだってボクがぜぇんぶやってさしあげてそれからそれから……(ウフッ…ウフ……グフフフフ…)」
…………聞いて…もらえ……なかっ…た。
「ハル、大丈夫だって。セルはああ見えてめっちゃ意地悪だからすぐに勝って帰って来るよ?それに、エルドラドの守りが薄くなっても困るじゃない?」
えっ?貶してないか、紫苑!?
紫苑曰く、エルドラドが戦争を吹っかけられるのは珍しくなく、紫苑目当てだったり、エルドラドという領土そのものが狙いだったり、時には宗教的な理由で『魔王を倒す!』と勇者一行がやってきたり……。セルヴァンスはその度に少数精鋭で圧勝してきたらしい。
留守を仰せつかるのであれば全力で……
「ハル?あんまり頑張らなくていいよ?」
何故だ!?
「言ったでしょ?戦争はいつものことなの。だから見世も通常営業だよ?物資も滞ったりしないし」
なんと…。
魔王たちにとっては戦争とはその程度のイベントなのだ。
「だからね?セルが言ったように子作りして待ってよ?僕、そっちは超がんばっちゃう…」
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