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「一緒にあのゴミを殺そう?」
しおりを挟む件の被害女生徒リリアナ・ブランシェスカに会いに行ったら自殺真っ最中だった。
やべえ。マジでやべえ。
握り締めてたガラスの破片を取り上げて喉の傷を塞ぐ。結構深い。
こんな細腕で窓ガラス割って、こんな細腕で、しかもご令嬢がこんなに思い切りよく自分の首を搔き切るとかもうね…。あのクソはどこまで女性の尊厳を踏みにじったんだ!?
「……しにたい…」
消え入るような声で呟くのが聞こえた。
俺とヴィオレッタを部屋に案内してくれた侍女が、血塗れのリリアナ嬢に縋り付いて泣きわめく。
侍女さんまだ死んでないから!
「要らないなら俺にくれ」
俺の言葉に、リリアナ嬢は薄く目を開けた。
「君が死ぬことはない。死ぬべきは奴だ。そうだろう?」
「………………だ、れ…?」
「通りすがりのイケメン死神だよ?」
「……………………」
リリアナ嬢は薄く笑った。
「一緒にあのゴミを殺そう?」
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