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「都合がいいから勘違いさせたままにする」
しおりを挟む異界?支配者?と一瞬だけ首を傾げた者はいたが、ヴィオレッタが常々から「わたくしたちの前世は異世界人で、生まれる前から恋人同士でしたのよ!」と公言しているので、ぜんっぜんノーダメージwww
ああ、あれ本気だったのかぁ…と遠い目をしていた貴族もいるけどねwww
ワンコどもは「それが?なに?」と表情も崩さない。
だいたいね?聖女は異世界からやってくるって相場が決まってるんだ。災厄も異世界から来たけどねwww
ふう、と俺は呆れたように溜息を吐いてみせた。
「陛下?発言してもよろしいですか?」
「許そう」
にーちゃんの許可が出たから俺はゆっくりと台座から下りる。
お付きの騎士たちに緊張が走った。
ええー、君たちのさっきから不敬だから下りろって言ってたじゃん?下りてあげたんだからお礼は?ん?
「エルトリア軍国家元帥レオンハルトと申します、お見知り置きを」
家名など出さず、最低限の礼を取る。どうせこいつ狩るし。
「決闘のお申し出はそちらの王子からですが、私の勘違いだったでしょうか?」
「不敬であるぞエルトリア王弟!」
剣の柄に手を掛けた状態で吠えちゃダメだよ英雄さんwww
「君に発言の許可は出ていない。黙りなさい」
《威圧》を込める。このくらいで呼吸困難とは片腹痛いね!
「貴方の息子である第五王子ガヴェイン殿下は、我が国で複数の貴族子女に乱暴を働いた挙句、妻の侍女であり聖女候補の令嬢に暴行を加え、我が国の聖女であり、王女であり、そして私の最愛の妻に強引に求婚した。私の目の前で」
「人の子の妻など、我々の前では瞬きの間に老いて死ぬだろう?同胞よ」
「その瞬きが愛おしいんだよ勘違い野郎」
笑いながら観察する。
そして、都合がいいから勘違いさせたままにする。
ああ、絶対これ報告したら、性格悪いって やしろさんに叱られるわ。
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