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しおりを挟むあの後。自分がいかに幼馴染を大事にしているかを懇々と説かれた私は諦め……
るわけねえだろこのクソ女にクソ男!?
男女の友情を信じないとか言わないよ?だって私にだってこれっぽっちも男を感じない男友達が居たりするし。でもね?これはないわー。
「じっちゃんたちに相談します」
「待ってくれシンディー!」
「ひどい!私を追い出すのね!?」
「追い出すも何もここは私の!うちのじっちゃんが買ってくれた!私たちの!新居!でっ、すっ、がっ!!??」
いかんいかん。興奮しちゃったわ。
「エミリエンヌと同居したって僕たちの新婚生活には問題はないはずだ!」
「大アリだよこの馬鹿旦那」
「これは僕たちの問題だ……おじいさまたちを巻き込まないでくれ!」
「あっ…ふーん?……そう?私たちの問題なのね?」
プツンと何かが切れた。主に堪忍袋とか、愛情の袋とか、情けの袋とか。それはもう、ざらざらと落ちた。消えてなくなった。
お見合いして半年、デートは5回くらい。それでも『よし、結婚してもいいか』ってくらいの愛情はあったと思う。それが恋になる前に結婚して、愛になる前に砕け散った。
「いいわ、ここに住んでも」
「シンディー!」
「ありがとう、シンディーさん!」
「ただし、一筆書いてくださる?モーリス、貴方がどういう意図で、この家にエミリエンヌさんをどのくらいの期間住まわせるのか」
「「………え?」」
「ごめんなさいね?私、今日会ったばかりの人を全面的に信じる馬鹿でもなければ、口約束を信じる愚か者でもないのよね?」
「シンディーさん……ひ…ひどいわ…!」
「シンディー!!君は…!僕が信じられないのか!?夫婦は信頼し合うものだろう!?」
「モーリス?私の貴方への愛と信頼度はマイナスになってるの。今この瞬間も、貴方が私を怒鳴りつける度に急降下中よ」
「………っ…」
「大丈夫、お金を払えとか、そう言うことじゃあないの。エミリエンヌさんも新婚の家にズルズル居候する気はないんでしょう?そうよね?それが普通だものね?だから期限を区切って、誰が許可したのか。責任は誰にあるのか。そうでしょう、モーリス?」
「あ…、ああ……」
私は鞄から神殿に提出せずともこの場で誓約が受理される『白紙の誓約書』と『専用インク』を取り出す。輸入品だから多少値は張るが確実だ。
「き…君はいつもそんなものを持ち歩いて……?」
「商人ならば常識です。「言った」「言ってない」の水かけ論争は時間の無駄ですからね。……あ、あと、私の幼馴染も今住む場所がなくって困ってるんです。しばらく置いていいですね?」
「………は?」
「呼びますね?」
ニッコリ笑う。嫌とは言わせねえぞボンクラ旦那。
目には目を。歯には歯を。クズにはクズをぶつけよう。
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