転生したらビッチ悪役令息だったので

とうや

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6 渡界人だった

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電卓がないから算盤作ってもらった。庭師の爺ちゃんにこうこう…と説明したら、ちょっと大振りだけど立派な算盤が出来上がった。お手伝いが捗るね!


「おかえり、ぼん


庭師の爺ちゃんは俺が俺じゃないのがわかってたみたいだ。不覚にも目から汁が出た。

俺の行動範囲は庭まで広がった。お日様気持ちいいです…。


作ってもらった算盤をチャカチャカ言わせながら計算する。山積みだった書類が見る間に減っていって、兄上とお茶をする時間ができた。

俺が算術ができるのは驚いた。しかもあの奇妙な道具はなんだと兄上に訊かれたから素直に「前世の世界で使ってた計算道具」と答えた。実際には電卓とか計算機アプリ使ってたんだけど説明するのめんどい。今日もお菓子が美味しい。

前世持ちっていうのは10年とか20年に1人くらいは出るらしく、『渡界人』って呼ばれてる。大体がステキな知識やユニークスキルを持ってるから、確認されたら即、国家で囲うもんらしい。


「そのことは……」

「うん?誰にも言ってないよ?も知らないと思うから、ばれてないんじゃないかな」


国家ぐるみで拘束されるとか怖すぎる。知らない人に囲まれたら俺、絶対吐く…!


兄上とエル兄がなんかヒソヒソお話ししてるが、こういうのは聞いちゃダメ。俺は俗世と関わらずにこのままここでニートとして一生を終える!(キリッ)


のんびり暮らしているうちに、使用人たちがどんどん変わっていった。たまに出没する俺を見て手を止める使用人じゃなくって、しっかりお仕事してくれる。しかも俺の事情に踏み込んで来ないから楽だ。






俺が屋敷に帰って1ヶ月近く経っていた。




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