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5 公認ニートになった
しおりを挟むどうやら俺は長いこと呪われてたらしい。
10年間の記憶がごっそり無い。その10年で、両親は死んでるし、兄上は縦に伸びてキラキラしい美青年になってるし、氷の辺境伯様とかベタな名前で呼ばれてるらしいし、エル兄はなんかたくましくなってるし(ヒゲ剃ったらオッサンじゃなくなってた…)
兄上情報は俺の記憶に残ってる唯一のメイドのアンナが教えてくれた。アンナは美人で優しくて良い匂いがして、でも怒るとおっかない。かくれんぼでアンナのスカートの下に隠れてめっちゃ叱られた思い出を話したら、この歳になっても叱られた。
呪われてた俺、めっちゃやりかましたらしい。
使用人はアンナと家令と庭師の爺ちゃん以外全員変わってるし、なんか刺すような目が怖い。やめてただでさえ人見知りなんだから。怖いから!
学園も通ってたらしいけど、休学した。もう行かなくて良いって兄上が。そりゃそうだ。どのツラ下げて通えって言うんだよ。
エル兄が遠回しに教えてくれたんだが、俺はその……ビッチだったみたいだ。学園のイケメンを婚約者や恋人が居ようが食い散らかし、寮の個室はヤリ部屋。権力を笠に着てイジメとかもやってたらしい。なにそれ最悪。そんな俺が今更「めんごめんご~ボク呪われてたんだ~!」とか………言えるわけねえだろ!!
仕方ないから俺はこの部屋から出ないことにした。
ご飯はアンナが持ってくてくれるし、俺の部屋、風呂とトイレあるし、暇つぶしの本はエル兄が書斎から取ってきてくれる。書斎の本が面白くないとアンナに泣きつくと、街で大衆紙を買ってきてくれた。正直こっちが面白すぎる。所々切り取ってあるのはきっと俺関係のゴシップだろう。
もう正直どうでもいい。
だって兄上は「結婚も仕事もしないでここに居ていい」って言ってくれたし。いやっほう!公認ニートだぜ!一生ぶら下がる所存。
時々、なんでか王太子の婚約者の令嬢が『元気か?』って手紙くれる。『前世からの推し』ってなんだろう…。何回か手紙のやりとりしてたら、その子も転生者なのが発覚。文通が始まった。女の子なのにさっぱりしてて良い子だ。兄上のお嫁さん、こんな子だったら良いなあ。顔も覚えてない子だけど、絶対可愛い子だと思う。
文通してたら気分が上向いたから、とりあえず簡単な仕事のお手伝いもすることになった。屋敷から一歩も出ないけど。書類を期限で分けたり、領地の税収報告の数字が合ってるかのチェックとか簡単なお仕事だけど。電卓欲しい!筆算めんどい!
誰でもできるお仕事だけど、兄上がニコニコしてるからこれで良いと思う。
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