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セオドア殿下とお相手の令嬢の式には参加します
しおりを挟むセオドア殿下とお相手の令嬢の式には参加しますよ?そう言うとお姉様とケイレブはとても怖いお顔をなさいましたわ。うふふ、仲良しさんですわね。
「どーいうことなのよッ!?あいつバカぁ!?ああああもー!むっかつくううううう!!死ね!もげて死ね!!」
「クソ野郎が…!!」
まあ、お姉様とケイレブのお言葉が乱れておりますわ。
「なんでえ!?エマちゃん!なんで出席するとか言っちゃったのよう~!?」
「行く必要はない!」
「まあまあ、幼馴染の結婚式ではありませんか」
わたくしは笑う。辛い時ほど笑うの、と王妃様から教わりました。お母様の温かい腕を知らないわたくしにとって、母代わりだったお姉様と同じくらい王妃様をお慕いしております。
お姉様はプリプリ怒って、「この女性の尊厳を踏み躙った行為を世界的に知らしめてやる!」と一泊もせずに帰っておしまいになりました。お父様と家族3人水入らずの夕食を楽しみにしておりましたのに…。
「ケイレブ、せっかくだからお姉様の代わりに夕食を召し上がって?」
「え…!い、いやだが、俺はエマの部下で……」
「良いじゃないか」
あら、お父様が帰っていらっしゃったわ。お早いお帰りね。
「ディアナは帰ってしまったのだろう?だったらケイレブ、君がエマの幼馴染として食べてくれ。今日から君がうちに住み込むと知って料理長が張り切っていたのだよ」
まあ、料理長ったら。料理長のサイモンは、わたくしたちが子供の頃は新人で、わたくしたち3人が厨房を襲撃するとこっそりつまみ食い……いえ、味見をさせてくれていました。懐かしい思い出です。
「は。では……その、ご相伴に預かります」
うむ、とお父様は笑いました。
その日の夕食はとても楽しくて美味しかったです。
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