側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや

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【とある伯爵令嬢視点】

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素敵だったわ…。

わたくしはあの方のお姿を思い出して、ホウ、と息を吐いた。

行きたくもなかった神殿の『結婚式』。けれど同じ学園の生徒として義理は通さなくてはと出席した『結婚式』。同級生の事ったら……思い出してもムカつくわ。本当に目出度い事だと思っているのかしら?出席した大人たちの冷たい視線に気付かない、浮ついた愚か者ども。あらいけない、馬鹿たちの顔をちゃんと覚えておいて、今後のお付き合いは避けなくちゃ。

『結婚式』は神殿では異例の招待制になった。だって王太子殿下の婚姻式に平民が押しかけて貴族が入れないとか悪夢でしょ。静々と並ぶ招待客。あとは国王陛下たちがご入場するだけ。そう思っていたのに。

正面ではない横の小さな扉が開いて、あの方が入ってこられたのだ!

なんと言ったら良いだろう。控えめに言って、女神が降り立ったのかと思った。

学園で王子の護衛をしていたシェパード卿にエスコートされて、公爵令嬢エマ様が!!あああああああ!いつもパーティーでお美しいと思って侍っていたが、今日は一段とお美しい!!!少し困ったように微笑んで会釈したエマ様。ゆっくりと歩く度に色の濃さが変わる不思議なドレス。真横をお通りになった時は思いっきり息を吸い込んだ。ああああああああ…しゅっっごおおおおおおいぃ……良い匂いいいいいいい……!!お肌綺麗いいいいいいいいいいい!!ドレスや髪に飾られた真珠は真円ではないようだけれど、そこが良い。まるで女神の涙だわ!確かあれは数ヶ月前に売り出された歪んだ真珠バロックパールね。今まで不完全な紛い物と不人気だったみたいだけど……流行る。これは絶対流行る。明日にはきっと売り切れる。式が終わったら侍女に買いに走ってもらわないと。

あら…?でも……

エマ様が纏っているドレスのお色………

わたくしはチラリと考えて、けれど大人たちの顔色が変わっていないことに気付く。そう。では

のだろう。

ああ、エマ様、お美しい!わたくし、お父様におねだりしてエマ様が出席されるパーティーは必ず連れて行っていただいている。お声をかけて頂こうと、エマ様の周囲を付き纏いストーカーよろしくウロウロチョロチョロしているのだけれど気付いてくださらない!っていうか周りの侍女と護衛たちの守りガード固すぎでしょ!!



下僕1人増やしたくないとか、どれだけ心狭いのよ!?










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令嬢はアーミテイジ伯爵令嬢。もう少ししたら正式に登場します。
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