側妃、で御座いますか？承知いたしました、ただし条件があります。

仕方ありません、誤魔化されてさしあげますわ

アリサの突撃プロポーズは大成功。鬼哭丸もアリサに一目惚れだったようです。アーミテイジ伯爵夫妻は、男性不信気味になってしまった娘が…！と婚約を飛び越えて結婚を許可。即日籍を入れて神殿で結婚式、披露宴代わりの小さなパーティー。これが3日間の間に起こったことです。

鬼哭丸はアリサの元に最低、半年に一度は帰る約束をして旅立っていきました。あらあら、まあ。結婚前はわたくしに手紙という名の報告書だけで2～3年に1度くらいしか帰還しなかったくせに、妬けてしまいますわね。

実はアリサ、元婚約者の方に復縁を迫られていたそうで、「未だに誰とも婚約もしないなんて僕のことが忘れられないんだろう」と付き纏いストーキングされていたとか。神殿の結婚式で「迎えにきたよ！さあ逃げよう！」と花嫁強奪を目論み、鬼哭丸にポーイと遠くに投げ飛ばされていました。アリサはうっとりしていましたが、あれって骨折どころじゃあすみませんね？わたくしの可愛いアリサに迷惑をかけた天罰でございますわ！


わたくしの妊娠後に、セオドア様が一度だけ『お渡り』致しました。わたくし、思い切ってセオドア様に謝罪を要求いたしました。だってケイレブばかりずるいですわ！


「ごめんごめん、だってあの時はまだ『王家の影』を掌握してなかったからね」


……ということは、今は掌握済み、と…。まあそれはそうですね。だってセオドア様だけではなく、ケイレブも隠し通路を通って移動しているのですもの。


「……ごめん、が軽すぎますわセディー」

「ごめん、エマ…」


ぎゅっと抱きしめられて、涙が溢れました。ああ、セディーが帰ってきた。

その後セオドア様はわたくしの手に触れたり頬に接吻くちずけたりと大忙し。仕方ありません、誤魔化されてさしあげますわ。


「元気な私たちの子供を産んでね、エマ」


わたくしのお腹を撫でながらセオドア様が言います。


「……シャーロットが愛人たちと頻繁に会っている。気をつけて」





あらあら、まあ……シャーロット様？王族に嫁いだ女性の浮気は死罪ですわよ？