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宝石瞳の元気な双子です
しおりを挟むシャーロット様の『はじめての接待』は失敗してしまったようです。異性とお話しするのは得意そうだったので、意外にいけるのでは?と思ったのですが。失敗しても良いように接待のお相手はわたくしの親戚の従兄弟叔父様にしたのですが……。まあ彼女が忍耐強い幼児用の教師を首にしたと聞いた時から失敗するとは思っていました。おじ様はあの後側妃宮でお茶をして、ぷりぷり怒って管を巻き、お仕事が終わったお父様に回収されて行きました。
おじ様がデュドヴァン中立国にお帰りになった次の日、わたくしは元気な双子の男の子を産みました。
旅の途中でおじ様が引き返そうとなさったそうですが、狗総出でとめたそうです。出産は驚くほどに安産でございました。一角兎のお肉と毛皮のおかげでしょうか。出産の痛みは鼻から西瓜が出る程度、と前世聞いたことがありますが、わたくしはさしずめビー玉が出る程度でございました。
方々から沢山のお祝いの品が届きます。中には呪物や縁起の悪いものもあり、送り主をリスト化して頂いたところ王太子妃派閥の方々です。シャーロット様、好かれるお人には熱狂的に信心されるのですよね…。勿体無いわ。もっと有効活用できないかしら?
セオドア様も労いのお言葉をかけに側妃宮にいらっしゃいましたが、ついでにお仕事の書類も持ってきて侍女たちを激怒させておりました。その中に違法賭博と違法薬物に関わる貴族と商人の情報、闇オークション会場の場所、開催日時に合言葉……色々な情報が紛れ込んでいました。騎士団と新設の零機関を使って一気に狩れ、ということでしょう。王太子自ら情報収集するのはやめて欲しいですわ…。
双子の名前はルビィとサフィに致しました。ソルとルネではあまりにも狙い過ぎですものね。なんとなく予感があったのです。この子たちは宝石瞳だと。
元気すぎるルビィとサフィの目が開いたのは五日後のこと。ぱっちり開いた4つの目は宝石瞳。ルビィは夕焼け色の、サフィは夏空色の。まあ、大当たりでございますね。でもわたくし、前世の姉から「子供の目の色は3歳くらいになるまでわからない」って聞いてましたのに……異世界の神秘でございますね?
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