上 下
66 / 92

【シャーロット視点】

しおりを挟む


私の夜会のエスコートはもちろんセディーよ。あの女はセディーに見向きもされずに毎回ケイレブにお願いしてたみたいだし。

ドレスは光沢のある黄色。大胆にスリットを入れたチャイナドレス風よ。胸元は大きく開けて谷間を強調。ほら、私の魅力にみんな釘付け!

ルード様!どこ!?私はここよ!一目見て私に恋して!!


いたあ!!


純白の髪に金の瞳。神秘的な麗しい美貌!セディーもかっこいいけど、ルード様は大人の魅力!フェロモンダダ漏れで顔の作りだけならあのエマより整ってるわ!


「ルードさまあ!!」


セディーの腕を放してルード様の元に突進する


「ルード様!はじめまして!!私はシャーロットです!」

「Είστε ο πρωταγωνιστής στο Βαλς του καλοκαιρινού ουρανού και του φεγγαριού?」

「え」

「Η πριγκίπισσά μου είναι υπό τη φροντίδα σου, ηρωίδα.」


え……やだ…なに、それ……


「ごめんなさいルード様、私、言葉がわからないからルネライト語で話してください」

「Υποτίθεται ότι σας είχε πει η πριγκίπισσά μου να μελετήσετε, έτσι δεν είναι;」


ハア…とルード様が溜め息を吐く。なんで?どうして!?だって私はヒロインなのに。


「Κύριος.ρουντο(ルード様)」

「……ποιος είσαι(ああ?誰?)」

『エマの夫のセオドアと申します』

『ああ……あの噂の?』


えっ…よくわからない言葉でセディーが話しはじめたわ!?なに?宇宙語!?


『うちの姫が接待デビューの子だから優しくしてあげて…って言ってたけど、なんだ?』

『まあ色々と…ですね?』

『……チッ…まあいい、少しあっちで話そうか?』


ルード様は顎をしゃくるとセディーを連れて個室の方に……えっ、え……えええ!?なに!?これってBL!?


「ルード様!!」


私はルード様の腕にしがみついた。ムニュッと胸を押し付けるのも忘れない。どう?ムラムラしちゃうでしょ?これでセディーも落としたんだから!


「あちらで私とお話ししましょうっ?私、私……最近セディーに冷たくされて悲しくて……」

『……はあ?君たちの痴話喧嘩に巻き込まないでくれ』

「えっ……な、なに?怒ってるの?あっ…そう、そうね!言葉が通じないのはエマに…側妃にイジワルされたんですっ!ひどいんですよあの人!シリヤ語の教師は意地悪で訳わかんないのつけるし、通訳も付けてくれない。私…王太子妃なのにお金も無くて……このドレスもやっと買ったんです…!」

『………セオドア殿、そちらの国では正妃が側妃を貶めるのが普通なのかな?仮にもだぞ?』

『ああ…はあ……まあ、なんというか』


セディーが困ったように笑う。なに?どうしたの?なんで怒り出したの!?


「不愉快だ。私は部屋に帰らせて頂く」

「……!………っ???」


ええ!?なになに?ルネライト語話せるんじゃない!!不愉快ってなに!?私は悪くないわ!私にムラムラしないなんてルード様はホモなの!?セディーを部屋に連れ込めなかったから怒ってるの!?




私は悪くないわ!!!






しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約破棄されましたが、幼馴染の彼は諦めませんでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,187pt お気に入り:281

あなたの瞳に映るのは

恋愛 / 完結 24h.ポイント:333pt お気に入り:2,445

貴方へ愛を伝え続けてきましたが、もう限界です。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:6,233pt お気に入り:3,810

毒花令嬢の逆襲 ~良い子のふりはもうやめました~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:93,819pt お気に入り:3,186

処理中です...