【異世界大量転生3】異世界とかよくわかんないけど、とりあえず好きに生きる。

とうや

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16 メインディッシュ

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「一番槍瑞穂!主人様の御為に!地獄の釜の蓋、開けてご覧にいれましょう!!」


そう瑞穂が叫ぶと、瑞穂の背後に黒い闇が広がってジャキッともガチャンとも言えない金属音が響いた。ぬうっと闇の中から出てきたのは日本国でもお馴染みだった対戦車砲。100mmの、凶悪なやつ。それが一門二門なら可愛いんだが、ズルゥっと10門くらい。闇の中から対戦車砲と一緒に出てきた真っ黒い巨大な腕がおもちゃみたいに構えて……


「吹っ飛べ ー♡で御座います!」


ドガガガガガガガガ……


………あっ、コレ駄目なやつだ。

俺は遠い目をした。

轟音と共に目の前にあった隣国との境界壁が吹き飛ぶ。お空が青い…(現実逃避)


でもまあ……いいか。お腹空いたし。


「アイコさん、君は必ず俺が守るから、だからメインディッシュのとこまで全力疾走してくれる?」


ブルルッ……ブヒヒヒィイイイイイイイイイイン!


俺がうっかり名付けた事でおかしな方向に進化した葦毛の牝馬だったが嘶いた。アイコさんは羽が生えた。真黒い毛並みになった。額から角まで生えた。顔は使命を帯びたように雄々しい感じだ。牝馬だけど。


「そんじゃまあ、いこっか?」


緊迫感のない俺の声に、狂ったような雄叫びが響く。






そこからはもうほんと、あっという間だった。

メインディッシュまで一直線。森も村も街も、全部壊して駆け抜けた。

物が壊れるたびに。命が壊れるたびにチカラが流れ込む。

でも少し……いや、だいぶ薄い。まあいい。これもあれも全部全部、《久遠》に注ごう。全部壊そう。全部食おう。

広場に集まってた《ちいさきもの》たちの悪意はちょっとだけ美味かった。その悪意を向けられていた雌を生け捕りかいしゅう。俺の勘は当たるんだ。ダメならにすればいいし。

俺たちの乱入にメインディッシュ ーーー 《ちいさきもの》たちの頭っぽい雄は真っ先に逃げた。捕まえたけどな☆


「刹那、殺しすぎちゃダメだよ?ちゃんとするからね?」

「ええ~?めんどっ!」

「大丈夫、僕が全部管理してあげるって言ったでしょ?オリジン時代みたいに狩猟だけやって生活できればいいんだけど、なんせここは《久遠》が創った箱庭だからねぇ?」



そうなのだ。あの広大だった古代の地球世界と違い、ここは狭い。神と呼ばれる《至れぬモノ》や《ちいさきものにんげん》が少なすぎる。しかもこの世界には複数のオリジンのがある。確実に獲物えさを奪い合う未来が待っている。めんどくさい。まったくもってめんどくさい。




メインディッシュの腕を齧りながら考える。絶叫が響き渡った。











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