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【校医視点】
しおりを挟む彼を初めて目にした時から心を奪われていた。この国の王となる資格のある『獅子の瞳』を持つ美貌の青年。
そうだ。あんな醜女ではなく、彼を連れ帰ろう。
彼に何人か子供を作らせて、その後に私のものにすればいい。
カーディナル公爵が下級メイドを孕ませ、辺境の子爵家に養子に出された。その子爵家は戦禍に見舞われ既にない。だがその子爵には幼児性愛の噂があった。軍に保護された子供はその瞳の色からレーヴァンシュタイン国王の目に留まり、王弟付きの侍従として手元に置かれることになる。それが密偵の報告した彼の生い立ち。
私は笑う。
さぞや辛い思いをしただろう。そして我が祖国では種馬として扱われ、さらに辛い思いをするだろう。
私が優しく飼ってやろう。鎖で繋いで、一糸纏わぬ姿で。
彼を見張らせていると、私服でふらりと郊外に向かったらしい。向かった先は打ち捨てられた小さな神殿。彼は信じられないことに女神を呼び出し親しげに言葉を交わしていた。
なんということだ。彼は ーーー 『神の愛し子』か…!?
ああ、運が向いてきた。
レーヴァンシュタインの『獅子の瞳』を持つ『神の愛し子』。彼を祖国に連れて帰れば私が王位に就くのも夢ではない。
半透明で未だ顕現もできていない女神は私を睨み付け消えた。我が祖国の守護神テウメッサに恐れを成したか。
ゆっくりと彼が振り返る。
ルーカス・フェリエーラ子爵。
私は笑う。さあ、どうやって彼を連れて帰ろうか。
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