【7人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

とうや

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ベーレンドルフ公爵の反乱

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ノルトラインのベーレンドルフ公爵は虎視眈々と反乱の機会を窺っていたらしい。最初は親友と初恋の女性を殺されたという私怨から始まった計画は、国家に不満を持つ組織や切り捨てられた地下組織、ノルトライン王家転覆を狙う近隣諸国を巻き込んで大きくなった。

協力した近隣諸国の誤算はベーレンドルフ公爵がノルトライン王の名を受け『魔王おれ』に直接接触したことだ。大誤算だったのは俺も一条もベーレンドルフのオッサンが嫌いじゃなかったことだ。狡猾で腹黒だが家族もとても大事にしてるし芯が通っている。何度目かの会談でアヴァロンに反乱の支援を要請し、提出した計画書もきちんと現実を見たものだった。アヴァロン側への見返りや今後の展望も明確化していたのが一条の好感度ポイントだったらしい。いるからね。グッチャグチャに引っ掻き回した挙句に何にもできずに母体をぶっ潰しちゃうやつ。

斯くして、アヴァロンはベーレンドルフ公爵の反乱を支援することになった。

ノルトライン現政権を潰してベーレンドルフ公爵を傀儡に据える計画だった近隣諸国は当然面白くはないだろうが、アヴァロンとしては来るなら来いと言った状況だ。うちのドワーフも試したい兵器があるとかなんとかでウズウズしているらしい。

ノルトラインには推定で2人の元大日本帝国人が居る。

一人は転移者と思しき『聖女』。……ちょっと見に行ったけどあれはダメだ。色狂いだし我儘だし自分の欲望のためにしかスキルを使っていない。アヴァロンに連れて行くメリットを一欠片も感じない。却下。

もう一人は転生者で中々面白い奴だった。自分の欲望のままに知識やスキルを使うのは『聖女』と同じだが、やり方や方向性が全く違った。笑いが出るほどの食いしん坊だったのだ。自分の欲望のままに食べたいものを開発して惜しみなく分け与える。まあ実際には無償というわけにはいかず売っていたが、本人はその金でまた好きなものを作っていたから微笑ましい。そう、あの苺の砂糖煮と菫の花の砂糖漬けを作った奴だ。作戦決行の前に直接会いに行くと奴め、リンゴ飴なんか作ってやがった。しかも初対面の俺に分け与えた。もっと警戒しろよ!?我魔王ぞ!?



持って帰ったリンゴ飴は凛がいたく気に入っていたから、最悪攫ってでもアヴァロンにお越し頂こうと思う。










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詳しい話は【転生したら悪役令息だったので】をお読みください。
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