【７人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

新世界にて 3

ユキは泣いて泣いて。泣き疲れてからはぴたりと泣かなくなった。笑わなくなったわけじゃない。でもあの子犬のような印象が形なりをひそめ、静かに、苛烈に敵を追い詰めるようになった。

なるべく早く《世界》に辿り着かなくては。

子犬ちゃんユキを愛でる者たちの心がひとつになる。なあ千早。俺さあ、お前が生き返ったら一発ぶん殴ろうかと思う。何やってんだよマジで。もう…。

この期に及んで俺はまだ『なんとかなるんじゃないかな』って思っていた。わかってるよ。甘いって。でもさあ、あの千早がユキを置いていくわけないんだ。なんだろうこの謎の安定感。


「おいクロ。それってフラグだから。絶望系の。やめろバカマジで」


……旗フラグ？今日も陽咲の謎言葉が炸裂する。


「まあでもさあ、俺らならフラグもへし折って進めるんじゃないかな？だって『魔王様』だぜ？」


おおう、懐かしい呼び名来たな。




殺して。






殺して。








殺して殺して殺して殺して殺して壊して壊して壊して。















そうして俺たちは辿り着く。その先は希望か絶望か。