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嫉妬と年齢規制とファーストキス(未遂)
しおりを挟む目が覚めたら千早の顔があった。………んっ?あれえ?
「ユキ…!!」
「むぎゃっ!」
突進されてぎゅうぎゅうに抱きしめられた。く…くるしい……!
俺は3日も寝込んでたらしい。え……あれ?お義兄さんとお話ししたと思ったのにな。夢だった?それに………
「神官様!!」
飛び出して行こうとしたら……うっ…動けない…!
「千早!?ちょっと放して!神官様…!神官様が…!!」
「俺よりシンカンサマが好きカ?」
「ふぇっ!?」
なにいってんの……って言おうとして、千早の目が爛々と輝いてる事に気付く。えっ…えっ……えええええ………!?
「えっ…えっ……ええ………好き…?っていうか……ええ…?」
「俺にはユキだけダ。なのに…ナノに……!」
「ええええええ……」
これって嫉妬!?えっ……え、あの…ちょっとだけ……ひどいかも知れないんだけど!ちょっと……ううん、かなり嬉しいけど……え…待って、待って!
「待って!待って千早!俺も千早が好きだよ?でもね?紅葉さんも羅刹さんも、お義父さんもお義兄さんも、大鬼のみんなも大好き。みんな優しいもん。大好きだよ?でも…でもね?えっと……ちゅーとかしたいのは、千早、だけ……だよ?」
「エッ…………………ちゅ…ちュー?………」
「うん、ちゅー。し…したことないけど、千早と、したい…なあ……って……」
俺と千早はキッ…キスとかもしたことない。嫁だ旦那だって言って、四六時中おはようからおやすみまでずーっとくっついてるのに。
「…俺ダけ……」
「う、うん…千早だけだよ?そっ…その、年齢的にもオッケーだし?」
「ねんれイ……」
異世界に大日本国憲法もなにもないだろうけど、やっぱ18歳ってのは大事に思える。恐るべし前世のモラル…!
「だから千早、ちょっとでいいから放し……」
「ユキ…」
えっ……ちょ…なに………?千早の顔が…近………………
「ユキいいいい!!」(バァン!!)
俺の前世今世合わせてのファーストキスは、超元気になった育ての親の神官様に邪魔された……。
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