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恨んでないよ?どうでもいいだけ。
しおりを挟む小一時間のお説教が終わって、小さくなった竜王サマが運び込まれてきた。まだドロドログチョンって動いているそれは、俺の方に『猫まっしぐら』な感じで動いてきて……
「鬱陶しい」
お母さんにグシャッって踏まれた。
そう、お母さん、実は今結構強いです。お父さんの幽霊から魔力を預ったら、魔力の器がめちゃくちゃ拡張されたそうです。《吸魔》とかいうので周りの魔力(今回は死んだ人の魔力と魂魄)を吸収して貯めてるらしい。
「出来るのなら最初から改造なさいっていうんですよ糞が。あのひときっと『なにもできない弱い嫁』を愛でてたんですよ胸糞気持ち悪い」
あっ、お母さんがロウだ。
「…ゥ……ア、ァァァァァ………ツ……イ…………ワタ……ゴポッ…」
うん、はっきり言ってグロい。
「さてユキ、こんだけ削れば一撃で終わるぞ?」
「えー…」
「復讐……とか、したくないか?」
「んー……」
あの5年間ははっきり言って地獄だったし、今でもコレは大嫌いなんだけど…。
「もういいよ、めんどくさいし」
「えっ」
「えっ…」
「めん…どう……?」
「だってね?攫われて監禁されなきゃ千早に会えなかったかもだし、なんていうかもう…めんどくさいんだよね?今めちゃくちゃ幸せなのに、こんなバッチイののトドメさす意味あるの?ぶっちゃけどうでもいい」
「あー…」
「……なんというか…ユキ様らしいですねえ…」
「もったいないならお母さん吸う?」
「おや?良いんですか?」
「うん。えーと、あれだよ?資源は大切に?」
「……ふむ…」
千早が考えるみたいにグニョグチャのそれを見る。
「じゃあ俺が仕返しして終わろう。俺は許してない」
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