【7人の魔王2】してもない婚約を破棄された聖女の兄なのだが、なんだかんだで魔王の嫁になっていた。

とうや

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「むしろウサギくんは良いっていうか来て欲しいっていうか住んで欲しいけど」

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生魚とカビたパンでなんとか腹の虫を宥めた。

うーん、火が使えないのか。使えりゃ魚焼いたりできるんだがなあ。

試しに指先に魔法で火を灯してみる。


……ボッ。


「あ…?なんだ、できるじy…?」


途端に頭上から水が降り注いだ。しょっぺえ!!海水だ!!


「あああ…!ダメ!ウサギくん!!結界破れちゃう!!」


えええ~……


「この結界を…破れる……だと…!?」


ティティス、口調がブレてるブレてる。


「お兄ちゃん!チートやめて!!主人公なの!?」


妹よ、お前は一体なにを言ってるんだ。


「俺また何かやっちゃいました系主人公でござるか!?ハーレムの序章でござるよぉ~!!」


ろりこん殿下、謎の大興奮やめろ。


透明な膜のような結界をアオイさんが塞いでくれる。透明じゃなくて白っぽい石みたいなもので。


「……あー…うん、僕じゃだめだね。一度父さんたちの誰かに来てもらわないと…」


うわ。まさかの大事おおごと!?


「す…すみません…」

「うん、良いよ良いよ、大丈夫。、基本暇してるみたいだから」

「至高の御方々に仔ウサギを紹介できますしねぇ?(ニヤニヤ)」

「(ンンッ…!)」

「アオイさん?咳が出るのか?飴でも作ろうか?……って、ここ砂糖も溶かせないじゃん」

「もおおお!おにーちゃん鈍すぎ~!」

「…コレは拙者でもわかるでござるが」


拙者って誰だろりこん殿下。


「碧海様?があるではありませんかぁ?碧海様が島がぁ」

「ああ、あそこ?う…うん……」


なんでもアオイさん、嫁と一緒に暮らす新居を結婚前から準備してるのだとか。すげえな。これが『すぱだり』ってやつか。


「あ、でも彼女さんに悪いんじゃねえ?先に他人が使ったら良い気分じゃないだろ?」

「えっ!え…ああ……む、むしろウサギくんは良いっていうか来て欲しいっていうか住んで欲しいけど…」

「???」

「鈍さ国宝級」

「激しく同意」

「ああ…もう、間怠っこしいわね…!ブチュッとしてアンアン言わせちゃえば気付くのかしらぁ!?」


なんの話をしてるんだお前ら!?



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