152 / 179
モブとタコパ2
しおりを挟む「じゃあ作って見せますので、よく見ててくださいね」
よく熱した鉄板に多めの油を塗り、タネを少し入れる。タネに少し火が通ったら適当な大きさに切った森タコ(生)と天かす、野菜のみじん切り、ショウガの甘酢漬けのみじん切りを入れる。
「オクトパス…しかもフォレストオクトパスを使うのか……」
「ああ、タコ……オクトパスがどうしてもダメならチーズとかエビとかソーセージ用意してますので、お好きなものをどうぞ?でもオクトパス、良い匂いしてますから絶対美味しいですよ?」
ドン引きしている陛下の護衛騎士(ギルバートさんっていったっけ?)に説明する。どうやら陛下と第二王妃の分はギルバートさんが作るらしい。うん、正解だね。
「……で、具に火が軽く通ったら残りの空間にタネ入れて………周りが固まってきたら鉄串で、こう」
「……は!?え、い…いや、それはどうやって……え?ええ?」
「えーと…まあこの辺はそこにいる遼が上手です。焼きながら教えてもらってください。…で、コロコロ~…と、カリッとなるまで焼いてください」
出来上がった分を皿に移してギルバートさんに渡す。
「はい、見本兼毒味です。熱いですから気を付けて。ソースでもポン酢でもお好きな方をかけて……あ、そっちにある緑の粉と木の削りカスみたいなのも上にかけて食べてくださいね」
え?え?ええ?っとギルバートさんは戸惑ってるけど、だってどうせこの人また護衛だからって食べないつもりだし。
例に漏れず、遼と遥がズルイズルイと騒ぐがお黙りなさい。てめーの分はてめーで作れ。俺は竜どもとポンコツ精霊王と、愛する旦那と娘の分を焼かねばならん。
……と、その前に。
俺はメイドさんたちに合図を送る。
「はーい、ルクレツィアの結婚式があのお馬鹿さんにぶち壊されたのに嬉しそうに戦闘してた団員のみんなには、タコ焼きとアルコールの前にステキな特別メニューだよ?」
「「「「「「え……」」」」」」
「食べた人から、俺が今から焼くタコ焼きとエールを取りに来てね」
メイドさんたちが小皿に盛った遥特製カレーとパンを団員たちに配る。さすが遥。離れてても目が染みる試薬みたいな刺激臭がするカレーだね!俺笑顔。超笑顔。
汗ダラッダラで震える団員たちと苦虫を噛み潰したような遼。カズマは無表情だ。無の境地って凄いね。
遥を先生にして事務員と女性たちが焼き始める。うん、非常に賑やかでよろしい。ギルバートさんも食べ終わったらしく、キッラッキラした目をした陛下と第二王妃の前で、小難しい顔をして焼き始めた。
「おお…旨そうだ。ギルバート、お前料理もできたのだな」
「伯父様!わたくしオクトパス増し増しエビ入りピリ辛ポン酢で!!」
「ええいファビオラ!お前は自分で作りなさい!!」
……うん、頑張れ、筆頭護衛騎士。
さて、俺は俺で大量生産しようか。さっきはお手本だったから6個くらいだったけど、目の前にはタコ焼き工場か!?っていうような巨大鉄板。一気に50個くらい作れる。
さっさと作り始めた俺の周りには、ウロウロチラチラと、ヨダレだらっだらの竜どもとポンコツ精霊王。こんなこともあろうかと、森タコの内臓で作っていたアヒージョを差し出す。
「これならいっぱいあるから食べて待ってろ」
「(もぐもぐもぐ…)……おおおお……こ、これは…………!!」
「何という濃厚さ…!!(もぐもぐもぐ)」
「(もぐもぐもぐもぐ)…もりのウニョウニョおいしいねえ……(๑´ㅂ`๑)」
はっはっは。タコは口と目玉以外は食えるんだ。日本人のもったいない精神素晴らしい。
タコの内臓のアヒージョを見たカズマがカッと目を見開き、瞬く間に遥特製カレーを食べ終わる。優雅な仕草で空になった小皿をメイドに渡して、行儀悪くパンを齧りながらこっちにきた。
「……ごめんなさいもうしませんゆるしてくださいおくちのなかがおおかじでブリザードなテンペストですお酒とおつまみとタコ焼きください :(´ºωº`):」
うん、さすがの黒獅子元帥も涙目だったね。
400
あなたにおすすめの小説
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜
中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」
仕事終わりの静かな執務室。
差し入れの食事と、ポーションの瓶。
信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、
ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる