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公爵家の天使
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ファーベルク公爵家には天使がいる。
珍しい真っ白な髪にエメラルドグリーンの瞳。
整った顔立ちに柔らかな髪に隠された右目。
まるでお人形のように白い肌。桜色の唇。
人間離れした美しさから使用人を含めた公爵家の全ての人が彼女のことを天使だと言う。
それだけでなく、公爵家を訪ねた貴族たちもその美しさを褒めたたえた。
……ただし、この令嬢は少々、いや、大分お転婆である。
「お嬢様!早くお降り下さい!」
叫んでいるのは彼女、公爵家の奇跡改め公爵家の天使ことシェイリー・ファーベルクの専属侍女、メルである。
「だって、そこにいるせいれいさんとあそびたかったのだもの。いいじゃない!もうねつはなおったわ!!」
木の上に登ってメルに言い返しているのが、お察しの通りシェイリー・ファーベルクその人である。病弱な、しかも病み上がりである彼女がなぜ木に登っているのか、メルは頭が痛かった。そう、何を隠そうこのお嬢様は所謂天才である。
7歳からしか発現しないはずの魔力を産まれながらに持ち、同じく7歳からしか見えないはずの精霊をその瞳に映し、学んでもいない精霊語を操る。天才、と言うか、規格外である。
大方この木にも精霊に頼んで登らせてもらったのだろう。
「いけません!またお風邪を召されますよ!病み上がりなのですからお部屋にお戻りくださいませ。」
メルの言葉に渋々といった様子で何事か(おそらく精霊語である)を呟き、ふんわりと地に降りてきた。
その様はまさに天使のようで、メルは思わず見惚れた。
珍しい真っ白な髪にエメラルドグリーンの瞳。
整った顔立ちに柔らかな髪に隠された右目。
まるでお人形のように白い肌。桜色の唇。
人間離れした美しさから使用人を含めた公爵家の全ての人が彼女のことを天使だと言う。
それだけでなく、公爵家を訪ねた貴族たちもその美しさを褒めたたえた。
……ただし、この令嬢は少々、いや、大分お転婆である。
「お嬢様!早くお降り下さい!」
叫んでいるのは彼女、公爵家の奇跡改め公爵家の天使ことシェイリー・ファーベルクの専属侍女、メルである。
「だって、そこにいるせいれいさんとあそびたかったのだもの。いいじゃない!もうねつはなおったわ!!」
木の上に登ってメルに言い返しているのが、お察しの通りシェイリー・ファーベルクその人である。病弱な、しかも病み上がりである彼女がなぜ木に登っているのか、メルは頭が痛かった。そう、何を隠そうこのお嬢様は所謂天才である。
7歳からしか発現しないはずの魔力を産まれながらに持ち、同じく7歳からしか見えないはずの精霊をその瞳に映し、学んでもいない精霊語を操る。天才、と言うか、規格外である。
大方この木にも精霊に頼んで登らせてもらったのだろう。
「いけません!またお風邪を召されますよ!病み上がりなのですからお部屋にお戻りくださいませ。」
メルの言葉に渋々といった様子で何事か(おそらく精霊語である)を呟き、ふんわりと地に降りてきた。
その様はまさに天使のようで、メルは思わず見惚れた。
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